障害者雇用の企業事例
「ブラザー工業株式会社」

ブラザー工業株式会社の障害者雇用事例ブラザー工業株式会社の障害者雇用事例

マッチングを大切にする採用だから、障害のある社員の定着率も高い。はたらきやすい環境を一緒に作っていきましょう

モノづくりをして100年以上。世界に40以上の拠点と社員4万人超えのグローバル企業

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人事部採用・業務改革グループ採用チーム
チーム・マネジャー 小森美奈さん

 当社は1908年に創業した会社です。ブラザーと言えばプリンターの会社と思われる方も多いと思いますが、創業当時は輸入ミシンの修理業から始まり、その後、BROTHER(ブラザー)ブランドでミシンの国産化を果たしました。現在は、プリンター・複合機、工作機械といった産業機器などが主力事業になっているほか、皆さんの身近にあるものでは、業務用通信カラオケシステム「JOYSOUND」も、当社の製品です。

 創業から110年あまり、一貫してモノづくりをしてきた当社は、今では、グループで4万人を超える社員がはたらき、40以上の国と地域に拠点を持つグローバル企業です。ブラザーグループビジョン「At your side 2030」では、あり続けたい姿として「世界中の"あなた"の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献する」ことを明示しています。多様な独自技術とグローバルネットワークを強みに、お客様の成功へのボトルネックを見つけ解消する「価値の提供方法」を提案し、産業用領域とプリンティング領域を2030年までの「注力領域」と位置づけており、私たちの "At your side."に共感いただける方にぜひご応募いただきたいと考えています。

マッチングを大切にする採用だから、障害のある社員の定着率も高い

 現在、当社では身体障害、知的障害、精神障害のある多くの社員が、それぞれの障害特性とスキルにマッチした部署ではたらいています。社内にはジョブコーチが常駐しており、配属や業務への不安に対する相談や必要な業務支援を行うなど、配慮事項を要望しやすい環境づくりに努めています。

 障害者採用において、当社には3つの特徴があると考えています。1つはマッチングを重視していることです。時間をかけてお互いに対話をしながら、ご応募いただいた方のスキルや経験、ご希望をもとに、配属部署や業務内容などとの相性を見極めて採用選考を行っています。2つ目は、サポート体制の手厚さです。安心してはたらけるよう、入社後は労務担当者や社内ジョブコーチによる面談を通じて、就業にあたり生じる不安や疑問を解消していただいています。3つ目は、定着率の高さでしょう。障害のある社員が定年退職まではたらき続けるということは、当社ではよくあることです。長くはたらきたいと考える方には、当社は合っていると思います。

 これまで、障害のある方の採用は、新卒や20~30代で身体障害のある方の経験者採用が中心でしたが、現在は40~50代にも幅を広げ、精神障害の方の経験者採用にも力を入れて取り組んでいます。

はたらきやすい環境・職場づくりへの取り組み

 はたらく環境面についても、障害のある社員が安心して仕事に取り組めるよう、さまざまな取り組みを行っています。ハード面では、各拠点に車椅子用ボタンや鏡のあるエレベーター、スロープの設置、オストメイトと車いす対応のバリアフリートイレなどを設置しています。また、独身寮は、車いすで調理できるキッチンスペースなどを完備した部屋があり、施設内へのアクセスはバリアフリー対応になっています。入寮には条件がありますが、単身で転居を伴ってご入社される方は、独身寮を利用することもできます。ソフト面についても、在宅勤務やフレックスタイム制度、半日休暇、条件が合えば短時間勤務など、障害特性やご希望に応じて利用が可能です。

 そして、私たちが何より大切にしていることは、「対話」です。当社が環境を整えるだけでは、どうしても行き届かないことがあります。ですので、ご本人からご要望や困っていることなどをオープンにお話しいただくことで、納得いただける環境を一緒につくっていくことができると考えています。上司と定期的に行う1on1(ワンオンワン)面談や、年1回のジョブコーチによるアンケートや面談でお伝えいただくようにしています。


障害のある社員の声で実現した事例

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人事部採用・業務改革グループ採用チーム
板谷夏花さん

 実際にあった例ですが、聴覚に障害のある社員から、会議に使える文字起こしシステムを導入してほしいとリクエストがあり、さっそく取り入れたことがありました。また、発達障害(ADHD)のある方からは、デスク周りにパーテーションを立て、デスクも壁に寄せたいと要望がありました。自分の後ろに人が通ったり、仕事に関係がないものが目に入ったりすると気が散ってしまい、仕事に集中できないからだと伝えてくれたので、ご要望通りにデスクを配置しました。ほかにも、周りの社員へ自分の特性を理解してもらいたいと、障害をオープンにすることを希望した方は、上司や同僚も、その社員に仕事を依頼するときのチェック項目を作り、段取りを伝える方法など工夫しているようです。

当事者だからこその視点を、遠慮せず伝えてほしい

 当社は、人として対等な関係性を大事にしている風土があります。障害の有無ももちろん、多様性ある社員がお互いの個性を認め合い尊重しあう職場なので、遠慮しないで当事者だからこその視点を、会社にぜひ伝えてほしいです。一緒にいい環境・職場にしていきましょう。

 そして同様に、社員に求めることも、障害の有無は関係ありません。同じフロアで、同じ職種で、一緒にはたらく環境ですので、処遇・待遇・評価制度も同じです。もちろん必要な配慮は対応しますので安心してください。求めることは、「お客様に何ができるか」を考え、ブラザーグループの一員として、お客様に価値を提供し続けていくための工夫ができることです。そのような方とぜひ一緒にはたらきたいですね。

就職・転職活動者へのメッセージ

 当社の採用では、障害の有無にかかわらず、一緒に道を切り拓いていくことができる方を求めています。障害者採用のサイトでは「うまくできないことがあったら、ぜひ教えてください。」というメッセージがありますが、目まぐるしく変化する時代の中で、一人ひとりの技術力、想像力、そして情熱で道を切り拓ける人に当社に来てほしいと考えています。それは、障害で困っていることがあれば、誰かが聞いてくれるのを待つのではなく、自ら声を上げてほしいというお願いでもあります。私たちと一緒に解決して、はたらきやすい環境を作っていきましょう。
 少しでも当社にご興味をもっていただけたら、まずはdodaチャレンジのキャリアアドバイザーに相談してみてください。dodaチャレンジは、私たちのことをよく理解してくれていますので、詳しくお話してくださると思います。これから先、長くはたらく職場として、ご自分にマッチしているのか見極めてください。