四肢体幹機能障害/30代/総務職への転職ストーリー

四肢体幹機能障害の方の転職体験談四肢体幹機能障害の方の転職体験談

車椅子通勤によるストレスがなくなった。「リモートワーク」推進の流れにのって、福岡在住の私が東京の企業に転職を実現

Y.H.さん 30代 四肢体幹機能障害(福岡)

転職活動期間
5ヶ月
前職
就労継続支援A型事業所(福祉的就労)
現職
情報通信業 総務(完全在宅勤務)

公務員試験にチャレンジするも失敗。進路未定のまま高校を卒業

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私は先天性の四肢、体幹機能障害がありますが、高校までずっと普通校に通っていました。高校卒業後の進路は就職を希望しましたが、就職課の先生は障害がある生徒の就職指導の経験がなく、しっかりとした支援があったとは言えませんでした。私自身は、公務員を目指そうと考え、公務員試験の勉強をしましたが、残念ながらご縁をいただけず、その後の就職活動も進まないまま高校を卒業しました。一人で悶々と思い悩み、1ヶ月ほどして、就職といえば…と思い立って、ハローワークに通い始めました。そこで担当者に紹介して頂いたところが、就労継続支援A型事業所です。A型事業所は、施設と雇用契約を結び、一定の支援がある職場ではたらくことができる福祉サービスなので、はじめての就労でも安心感がありました。

就労継続支援A型事業所に1年勤務後、某市役所職員に

A型事業所の仕事内容は、一般就労とあまり変わりません。まず、電話応対から始まり、少しずつ事務の仕事を覚えていきました。施設で作っているお弁当や陶芸品などの授産製品の受発注業務なども担当し、業務の幅を広げていきました。同時に、はたらきながら公務員試験に向けた勉強も続け、2回目のチャレンジとなる公務員試験で、幸いにも某市役所の障害者採用枠で合格することができました。

初めて配属された部署では、過酷な徴収業務を担当

実家から通える距離ではなかったので、市役所入所とともに、一人暮らしの生活が始まりました。配属された部署での仕事は、国民保険料の徴収業務でした。支払が滞っている住民から徴収する業務ですが、電話をするなり怒鳴られることは日常的でした。仕事と分かっていても、正直、ストレスは大きかったですね。

そのほかにも、施設の環境面でもストレスを感じていました。車椅子が必要な障害があることを理解してもらった上で障害者枠で採用されましたが、その市役所の建物は古く、完全なバリアフリーではありませんでした。通路脇に荷物が積まれていることも多く、必要な書類を取るだけでも、職場の皆さんの協力が必要でした。快く対応して下さいましたが、私としては、毎日、何かしら誰かに頼まないといけない環境に小さな苛立ちというか、思うようにいかない歯がゆさを感じていました。
車椅子での地下鉄通勤や、初めての一人暮らしが重なって、心身共にくたくたになっていたという経緯もあって、希望していた公務員職でしたが、1年ほどして、このまま続けていては精神が病んでしまうかもしれないと退職を決意しました。

地元に戻り、就労継続支援A型事業所に再入所

市役所勤務時代は、ヘルパーを週1回利用していました。ヘルパーさんに仕事の愚痴を言ったり、何気ない日常会話をしていましたが、今思えば気持ちの切り替えになっていたように思います。ずっと一人でいたら1年間も続けられなかったかもしれませんね。そのヘルパーさんは前に勤めていた就労継続支援施設の相談員だったのですが、市役所を辞めることを話したところ、「施設に話をしておきましょうか」とおっしゃってくれて、トントン拍子で前職に再入所することができました。

就労継続支援施設に再入所して3年が経った頃、収入アップとキャリアアップを図るため、社会福祉主事任用資格を取得して、正職員になることを目指しましたが、そのタイミングでちょうどコロナ禍となってしまいました。正職員登用の話は一向に具体的にならずで、待ち続けても状況は変わらないと判断し、転職を考えるようになりました。

世の中、「リモートワーク」を推進。この波に乗って転職

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「転職 障害者」でインターネット検索をすると、リモートワークが可能な求人が多いことを知りました。車椅子で移動する私にとって、リモートワーク、つまり通勤がいらない在宅勤務というはたらき方は非常に魅力的でした。この社会の流れに乗っていこうと、転職への意向は強まりました。

dodaチャレンジのキャリアアドバイザーとはZOOMで面談しました。私が提示した転職の希望条件は、在宅勤務であること、年収の希望額、正社員、もしくは正社員登用制度があることの3つでした。特定の希望業界はありませんでしたが、これまで長く福祉業界にいたので、新たな気持ちで異業界にチャレンジしたいとお伝えしました。会話のやりとりの中で、IT業界にも興味があると話をしたところ、IT業界を含む、様々な業界の求人を紹介してくれました。最終選考に残ったのが現職の会社と外資系企業のグループ会社で、現職の会社は、フルリモートワークが可能な点が魅力でした。

フルリモートワークで通勤なしの在宅勤務が実現

現在は、経営企画部総務部に所属し、地元福岡で生活しながら完全在宅勤務で仕事をしています。具体的には、社員の通信費や営業活動にかかる費用の削減、社員の健康管理に関わる厚生業務など幅広く携わっています。営業活動のための会議資料を作成することもあります。これらすべて在宅で仕事が完結できています。上司や他の社員とのコミュニケーションはチャットが6割強、通話が3~4割です。雑談もチャットでしていますので、社員間の意思疎通に不便を感じたことはないですね。

フルリモートワークをする上で心掛けているのは、相手に配慮をもった文章を書くことです。対面であれば、お互いの表情や反応を見ながら会話ができますが、チャットやメールの場合は、文字だけなので、誤解をさせないよう表現に気を遣っています。文末に「ありがとうございます」の一言を添えるなど、相手が読んで不快な文面になっていないか、細心の注意を払い、上司やチームメンバーへの心配りを大切にしています。相手に与える印象について学ぶために心理学の本も読みました。

今後の夢ですが、正社員総合職に登用され、いずれ本社がある東京に引っ越して、会社全体に関わる事業企画のような仕事にも挑戦してみたいですね。未来に希望が持てる会社に転職できて本当に良かったです。いいご縁を繋げてくれたキャリアアドバイザーには、あらためて「ありがとうございました!」とお伝えしたいです。

四肢体幹機能障害の方からのメッセージ四肢体幹機能障害の方からのメッセージ

メッセージ

私は、これまで、転職活動に限らず、人にあまり相談をせず、いろいろな思いを溜め込むタイプでした。しかし、今回、キャリアアドバイザーには、思い切って何でも話すようにしました。例えば、緊張して面接で全然うまくいかなったことなども正直にお伝えしたんです。その話を受けたキャリアアドバイザーはすぐに企業に連絡をしてフォローしてくれました。「伝えたかったことは、本当はこういうことだった」と代弁してくれたんですね。面接で失敗したと思って私がそこで諦めていたら、今の私はありません。転職をご検討されている皆さんも、少し力を抜いて楽に、諦めずに続けてください。そして、キャリアアドバイザーを信頼して、ありのままの正直な気持ちを伝えてくださいね。

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