上肢障害/30代/人事への転職ストーリー

上肢障害の方の転職体験談上肢障害の方の転職体験談

受傷後、家具デザイナーから人事職にキャリアチェンジ。群馬在住で、大手企業にフル在宅勤務の転職を実現

T.M.さん 30代 上肢障害(群馬)

転職活動期間
7ヶ月
前職
林業 家具デザイナー
現職
海上運送業 人事

労災事故により、日常が一変。当たり前の日々を過ごせることに感謝

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今、私は、家族とともに毎日を過ごせていることや、やりがいを感じながら仕事に取り組めていることに感謝し毎日を送っています。このような日常は、1年半前までの私にとって、当たり前のことでした。

私の人生は、突然の事故で、大きく変わりました。当時、私は林業の会社で家具デザイナーとしてはたらいていました。ある日、木の伐採作業の際、同僚が重機で伐倒した木が私の後頭部を直撃したのです。一時的に気を失い、その後同僚が運転する車で病院に向かいました。MRI検査の結果、医師から告げられたことは、「神経が傷ついている可能性があり、今後、症状が出てくることもある。今の医学で検査できるのはここまでです。」という内容でした。

事故から3ヶ月後に後遺症が出て、障害認定へ

仕事は休職しました。これから先、自分の体に何か起こるかも知れないといった不安がとても大きかったです。予防できることがあれば対策するのですが、それもないので、不安は募るばかり。気持ちを切り替えるために、事故から1~2ヶ月後、日課として散歩を始めました。外の景色を見たり、毎日30分ほど歩くだけで気持ちがすっきりしました。後遺症への恐怖がなくなることはありませんでしたが、日々を過ごすために気持ちをリセットできる散歩は、私にとって欠かせないものになりました。

3ヶ月ほど経ち、握力が弱くなっていることに気づきました。指の力が入らず、物を握れないのです。握力は徐々に弱くなっていきます。この先どうなってしまうのかと考えるだけで恐ろしく、何かやっていないと心がどうにかなりそうでした。毎日、ペットボトルを15分間持ってみたり、パソコンのタイピングの練習を長時間続けてみたりしました。それでも、握力は弱くなっていき、事故から半年後、左手の握力は、障害認定4級(5kg以下)、右手は7級(15kg以下)となりました。そして現在、両手の握力が低下し2kg~3kgと弱くなってきています。

厳しかった群馬県内での転職活動。障害者専門の転職エージェントに期待

休職中に、転職活動を始めました。上肢に後遺症が残った体では、前職の林業に復職することはできないと考えたからです。最初は、ハローワークへ相談に行きましたが、労災保険を受給中の私は、求職中とはみなされず、取り次いでもらえませんでした。群馬県内で求職活動することも視野に入れましたが、地元企業も限られていますし、特に私が住むエリアからは通勤可能エリア内で転職先を見つけるのは難しかったです。

そこで、障害者雇用で転職すると決め、障害者専門の転職エージェントに数社登録しました。転職エージェントに登録した理由は、求人数が多く、選択肢が広がると期待したからです。また、障害者雇用であれば、大手の求人で、群馬にいながらフル在宅勤務できる職場が見つかるのではないかと思いました。

希望条件は、群馬在住でフル在宅勤務ができること

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地方在住ということで連絡がないエージェントもありました。最初はなかなか紹介求人も増えませんでした。そこで、月1回か週1回程度の出社は可能と条件を変更してみたところ、少しずつ選考に進むようになりました。結果的には、今の会社はフル在宅勤務なので、希望通りの勤務条件で就職することができました。

キャリアアドバイザーの実践的な助言で面接を突破

転職活動中、私はとにかく応募することに注力しました。応募しなければ何も進まないので、dodaチャレンジからの紹介数は40社ほど、他エージェントも合わせて合計100社ほど紹介いただきました。業界研究や企業研究、応募準備は、かなり忙しかったですね。

応募を続けていくうちに、2ヶ月くらいしてから面接に進むようになりました。dodaチャレンジの面接対策では、キャリアアドバイザーからの実践的な助言が頼りになりました。オンライン面接で好印象に映るコツ、目線や服装まで、また企業ごとに対策してくださり、「こうした方が良い」「こう伝えた方がわかりやすい」などプロならではのはっきりしたアドバイスが心強かったですね。最終選考まで進んだのはdodaチャレンジから紹介された4社でした。現職の海運会社のほか、IT企業、カード会社など、大手企業ばかりです。

入社の決め手は、安定と安心

選考が進んだ全ての企業に魅力がありましたが、現職への入社の決め手は、将来にわたっての安定と安心です。実は、私たち家族が群馬に住んでいるのは、子どもの誕生を機に、自然が多い私のふるさとに移住したからでした。障害を受傷してから、家族には大きな心配をかけていましたから、家族が安心できることを一番に考えました。
その後前職に正式に退職を申し出て、年度の切り替えのタイミングで現職に入社しました。

家具デザイナーから人事へのキャリアチェンジ

配属は、人事総務部で、初めてのことばかりでした。これまでの私のキャリアと、まったく違うからです。私は、専門学校でインテリアの勉強をして設計事務所に就職し、群馬に移住してからは道の駅で販売の仕事をしたり、地元企業で家具を作ったり、手を動かす仕事が多かったんです。デスクワークは初めてですが、人事や採用の仕事も、奥が深くて面白さを感じています。私は、新しいことにチャレンジすることが好きなので、やりがいもあります。これから、もっと業務範囲を広げていきたいので、専門知識の勉強も一つずつクリアしていこうと思います。

上肢障害の方からのメッセージ上肢障害の方からのメッセージ

メッセージ

転職活動では、タイミングは大きいと思います。巡り合わせが良いときもあれば、悪いときもあります。ですので、うまくいかないときは、きっとそのうちいい巡り合わせ、タイミングの時期がくると信じて、諦めないでください。そのためにも、心持ちをフラットにしておくこと、穏やかな気持ちでいることは大事なのではないかと私は思います。私自身も不安になることは多々ありましたが、毎日ルーティンで行っている散歩によって、心がリセットできたと感じています。事故にあってから始めた散歩でしたが、今でも続けています。いい日もあれば、悪い日もある、どんな日でも、毎日のルーティンの散歩で、心もすっきりです。

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