私は、先天性の下肢障害があり、小学3、4年生の頃から車椅子を利用しています。学校の登下校は家族の車で送迎してもらい、ゲーム好きの友達と話をしたり、楽しく学生生活を過ごしていました。高校3年生になり、進路について悩んでいたとき、座ってできる仕事であれば、車椅子でもほかのみんなと同じようにはたらけると思いました。「将来の仕事は、みんなと同じことができる仕事に就きたい」「ゲームをつくる仕事は座ってできる」と考え、ゲームの専門学校に進学しました。専門学校ではゲームづくりやプログラミングを学び、とても充実した生活を送っていました。
頑張っているのに就活は空回り…。障害者採用枠の求人情報が探せない
私が通っていた専門学校は4年制でしたので、就職活動は3年生の冬から始めました。車椅子利用だと、通勤やオフィス内での移動に配慮が必要だと考え、最初から障害者枠で就職しようと決めていました。ですが、学校の就職課では具体的な求人の紹介などはありませんでした。相談には乗ってくれますが、求人探しは、すべて自分でやるしかなかったのです。
ですので、当初は、興味のあるゲーム会社や気になる会社のホームページを1社1社検索して、障害者枠で新卒採用をしているかどうかをチェックしました。障害者枠で募集していることが分かると、企業ホームページから直接エントリーしたりしていました。
友達は続々と内定する中、自分はエントリーだけでも数社のみという不安
周りの友達は、就活サイトや就職課で求人を探し、一気にたくさんの企業にエントリーしていました。ですが、4年生の4月に入っても、私がエントリーできたのは10社もない状況。友達から「内定をもらった」という話も続々と聞くようになり、気持ちは焦るばかりでした。
学校の就職課からも、エントリー数が少ないことは指摘されていましたが、具体的なノウハウもなく企業のホームページを片っ端から見て応募するしかありませんでした。そうする以外、障害者枠の新卒採用情報の探し方が分からず、途方にくれる日々でした。
学校の就職課から紹介された就職エージェント「dodaチャレンジ」
4年生の6月、就職課からdodaチャレンジを紹介され、登録するように言われました。それが、私の就活の大きな転機になったのは、言うまでもありませんが、当時の私は、「それで就職ができるのか…」と半信半疑でした。それほど当時は、「自分はもう就職できないのではないか」と諦めていた状況でした。
キャリアカウンセリングでは、まず私の希望条件を確認してくれました。ゲーム業界が第一希望で、それ以外は、プログラミングや事務の仕事であれば業界は問わないと伝えました。また、通勤についても聞かれ、実家から通える範囲であることや、場合によっては在宅勤務を希望しました。キャリアアドバイザーから、希望条件にあった企業をいくつか紹介できると聞いたときは、気持ちが少し明るくなりましが、それでもまだ不安の方が大きかったですね。