腎臓機能障害/50代/総務への転職ストーリー

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障害により築きあげたキャリアを退職。透析治療を続けながら週2日勤務ではたらく、新しい生活を受け入れた今

T.A.さん 50代 腎臓機能障害

転職活動期間
2ヶ月
前職
IT業界 経理責任者
現職
社会福祉法人 総務

糖尿病の悪化で腎不全へ。人工透析治療を開始

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私が障害を受傷したのは、50代に入ってからです。持病の糖尿病が悪化し腎不全になりました。それまでも糖尿病で月に1回通院していましたが、腎機能が日に日に低下していき、主治医から週3日・1回4時間の人工透析が必要な状況だと診断されてしまいました。

腎不全は命に関わる疾患なので、人工透析をしない選択はないのですが、当時、私は会社で責任ある立場で仕事をしており、週3日も長時間の血液透析を受け、業務を調整するという決断はできませんでした。

そのため、主治医に仕事の状況を相談し、就寝中に透析が可能となる腹膜透析という治療法を提案いただきました。今まで通り就業形態は変えずに勤務できる治療法だったため、私はこの腹膜透析による治療法を選びました。

何度も繰り返した入退院により、退職を決意

最初はこれまでのように仕事を継続できると思っていましたが、ある時、腹膜透析の過程で腹膜炎を発症してしまいました。腹膜透析はどうしても感染症のリスクが避けられないものなのですが、私は結果的に1年に3~4回、腹膜炎を起こし、そのたびに数週間の入院をすることになってしまいました。

このまま腹膜透析を継続することは、体への負担や、職場への影響を考えても良くないだろうと考えるようになり、週3日、1回につき4時間かかる血液透析の治療に切り替えることを決断しました。そして、これまで通りの就業スタイルも継続できなくなったため、会社も退職することにしました。

収入面の不安は大きい。治療と両立できる仕事を探し始める

私は30年以上に渡り、経理のエキスパートとして、経営の最前線ではたらいていました。いくつかの企業経験がありますが、黎明期のITベンチャーに20年在籍するなど、自分のキャリアを振り返ってみると、時代の最先端を駆け抜けてきたと感じます。

退職するとなると、一番の不安は経済的な収入面でした。まず市役所で障害者手帳を取得し、障害年金の申請も行ないました。次にハローワークで失業保険を申請し、求職活動の登録も行ないました。あらゆる社会保障制度や福祉サービス調べて手続きを行い、ひとまず生活への心配は小さくしてから、どんな仕事ができるかと考え始めました。手始めに、ハローワークで障害者雇用求人を探してみたのですが、週2日勤務が可能な求人にはなかなか出会えず、そこで、インターネットで情報を探して登録したのがdodaチャレンジです。

車通勤中心で求人を探す、プロならではの視点

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キャリアアドバイザーは落ち着いた印象で、話しやすかったですね。登録後すぐにメールと電話があり、その後オンラインで面談をしてもらいました。私は就業条件として、週2日しかはたらけないこと、職種にはこだわりがないことを伝えました。キャリアアドバイザーからは、これまでのキャリアが活かせる経理職も含め、幅広い職種で求人を探していくこと、そして体への負担が小さい車通勤が可能な求人や在宅勤務の求人で探していきましょうと助言いただきました。確かに腎機能の低下で疲れやすくなっていたので、車通勤のアドバイスはとてもありがたかったです。実際にいま、車通勤をしていて、電車通勤していたときと比べると朝の身体の疲れは全然違って楽になりましたね。

毎日3~4社の求人紹介。活動開始から2ヶ月かからずのスピード内定!

面談後、キャリアアドバイザーは、毎日3~4社、求人を紹介してくれました。合計で30社以上紹介してくれたと思いますが、その中から経理職で2社、経理以外の職種で4社に応募しました。週2日勤務という超時短勤務が条件であるにもかかわらず、たくさんの求人から選べたことがとても頼もしく感じました。

現職の社会福祉法人の面接では、オフィス内を案内してくれたのですが、従業員の方もとても親切で雰囲気の良い職場だと感じました。IT業界に長くいた私にとって、現職は全くの未経験の業界なので、私を受け入れてくださると内定のお話をいただいたときは、心から嬉しかったですね。dodaチャレンジ登録から内定まで2ヶ月かからず、短期間で決まったことにも感謝しています。

最前線に出るより、社員を後方で支える。新しい働き方を受け入れた現在

現在の私の仕事は、総務です。決まった担当業務というよりその日その日に流動的に仕事が決まります。例えば、看護職員の靴のサイズを一人ひとり確認して発注したり、予防接種用のカルテを整理したり、あらゆる仕事のサポートを行っています。「今日は、どんな仕事をするんだろう?」そんな気持ちで出勤し、またそれを楽しんでいます。

私は腎不全という障害を受傷したことで、生活もはたらき方も大きく変わりました。経理の責任者としてはたらいていたときは常に判断と決断をする役目でしたが、今は、最前線に出るというより、前線ではたらく社員を後方から支援する仕事に徹することに喜びを感じています。そして今は、居心地の良い雰囲気ではたらくことができ、身体も心も穏やかに過ごせていることに、心から感謝しています。

腎臓機能障害の方からのメッセージ腎臓機能障害の方からのメッセージ

メッセージ

ある日、主治医から、人工透析が必要なほど腎機能が低下していると告げられたときは、その言葉を受け止めるのに精一杯でした。週3日、1回4時間の血液透析は、私の生活を、私のキャリアを、そして私の家族を、一変させてしまうのは容易に想像できたからです。30年以上積み上げたキャリアを手放すことも、すぐには考えられませんでした。
腹膜透析で治療していた1年、度々繰り返す腹膜炎での入退院していた期間は、あらたな生活を受け入れるために必要な時間だったように感じます。こうして自分の病気を受け入れてみると、これまでとは違ったおだやかな生活が送れています。私と同じように、キャリアを積む中で障害を受傷した方にとって、現実をすぐに受け入れるのは難しいかもしれません。でも、どうか固執しすぎないで、周りをみてゆっくり時間をとって欲しいと思います。自分を支えてくれる人、今の自分を必要としてくれる人とともに新しい生活に目を向けて、前に進んでください。

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