平衡機能障害のある方がはたらきやすい仕事とは?向いている職種や支援サービスも解説
平衡機能障害があると、就業上のさまざまなシーンで困難が生じる可能性があります。より良くはたらくためには、特性に合わせて仕事を選ぶことが大切です。
この記事では、平衡機能障害がある方の仕事選びのポイントと、向いている職種・働き方をご紹介します。転職・就職の進め方にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
平衡機能障害のある方で転職にお悩みの方はこちらからご相談ください
目次
平衡機能障害とは
まず、平衡機能障害とはどのような病気なのかをご説明します。
平衡機能障害の特性
平衡機能障害とは、左右の手足および体幹に異常がないにもかかわらず、人が姿勢を保つためのバランス感覚が正常にはたらかない状態を指します。身体障害の一種であり、聴覚障害の特性の一つとして発現するケースも少なくありません。主な障害特性は起立および歩行時のふらつき・めまいや耳鳴り、吐き気が生じるほか、重度の場合は歩行困難を伴います。
障害者手帳における平衡機能障害の等級
平衡機能障害は、障害者手帳の区分において、困難の程度によって3級もしくは5級の2種類に分類されます。なお、詳しい基準は以下のとおりです。
等級 | 診断基準 |
---|---|
3級 | ・目を閉じたままでの起立姿勢の維持が不可能 ・目を開いた状態での10m以上の正常な歩行が困難 |
5級 | ・目を閉じたままだと10m以上の正常な歩行が困難 ・目を開けた状態なら起立姿勢の維持や10m以上の歩行が可能 |
平衡機能障害のある方がはたらくときは、それぞれの障害特性に応じた配慮が求められます。
平衡機能障害の原因
平衡機能障害は、耳鼻の病気や脳機能の異常を原因として発症すると言われています。発症の原因になる具体的な病例は以下をご参照ください。
- メニエール病
- 良性発作性頭位めまい症
- 前庭神経炎
- 脳梗塞の後遺症
- 脳性麻痺の特性
上記疾患は心因性のものも多く、過度なストレスを与えると発症・重症化しやすいともいわれています。
平衡機能障害のある方がはたらきやすい仕事の特徴
平衡機能障害のある方がはたらくときは、心身に与える負担が少ない就業スタイルや環境が求められます。仕事を探すときは、次の条件を満たすかどうかをチェックしてみてください。
- 働き方に対する配慮がある
- バリアフリー環境が整っている
- 能力・スキルに応じた正当な評価が得られる
働き方に対する配慮がある
平衡機能障害がある方がはたらくうえでは、落ち着いた状態で仕事に取り組める就業スタイルが適しています。起立姿勢の維持や正常な歩行が困難で転倒の危険性もあるため、長時間の歩行移動や立ったままでの業務の遂行は困難です。安定した姿勢で座ったままできる業務や、ラッシュアワーを避けた通勤時間・方法が選択できる仕事なら、安心してはたらけます。
バリアフリー環境が整っている
平衡機能障害がある方には、社内での業務遂行や移動をスムーズにするための環境的な配慮が必要です。手すりやスロープ、バリアフリートイレなどが整備されている職場を選ぶとはたらきやすくなります。また、仕事で使う物の配置を整えたり、就労機器を設置したりなど、個別の支援措置があるとさらによいでしょう。
能力・スキルに応じた正当な評価が得られる
特性に合わせた職業選択は重要ですが、障害に対する偏見がない会社を選ぶことも大切です。合理的配慮が義務的で不当な配置や誤った気遣いが行われる職場だと、ストレスを感じるだけではなく、モチベーションがうまく保てません。各々の能力・スキルに応じた配置や業務の振り分けと、実力・実績に対する正当な評価が得られる仕事に就くことで、就業上の自己実現が達成しやすくなります。
平衡機能障害がある方に適した仕事の種類
平衡機能障害の特性であるめまい・ふらつきや吐き気などにより、就業に不安を感じている方も多いでしょう。しかし、次のような仕事を選ぶことで、障害特性に合わせた働き方ができるはずです。
- デスクワーク全般
- 在宅勤務が可能な仕事
- 障害者雇用枠の仕事
デスクワーク全般
座った姿勢のままできる事務職や受け付け、電話対応などのデスクワーク全般は、身体的な負担が少ないため、平衡機能障害がある方に向いています。ただし、デスクワークでも深夜労働や残業が多い仕事だと、ストレスで症状が悪化しかねないため、できる限り避けてください。
在宅勤務が可能な仕事
リモートワークやテレワークなど在宅で仕事ができれば、通勤や就業環境における諸問題が解決します。また、在宅勤務は比較的マイペースで仕事が進められるため、勤務時間や通院などの都合に応じて働き方を調節しやすいでしょう。
障害者雇用枠の仕事
障害者雇用枠とは、障害者手帳を保有している方を対象とする求人です。就業環境・配置する業務に合理的配慮を前提としているため、平衡機能障害がある方にとってはたらきやすい仕事内容・職場環境になっていると考えられます。
平衡機能障害のある方が利用できる転職・就職サポートサービス
平衡機能障害のがある方が仕事を探すときは、専門的なサポートが受けられるサービスを活用してみてください。代表的な障害がのある方向けの転職・就職支援サービスは、以下の2つです。
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 障害者専門の転職・就職エージェント
ハローワーク(公共職業安定所)
ハローワーク(公共職業安定所)には、障害者専用の窓口が設置されており、特性に応じた求人の紹介や転職・就職活動に関するアドバイスが提供されます。また、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなどの公的支援機関と連携した包括的なサポートを受けることも可能です。
障害者専門の転職・就職エージェント
障害があってもはたらきやすい仕事を見つけたいなら、障害者専門の転職・就職エージェントの利用をおすすめします。特性に適した仕事や、一般公開されていない非公開求人を紹介してもらえるため、仕事の選択肢が広がるでしょう。
また、専任のキャリアアドバイザーに応募書類の作成から面接対策、企業との条件交渉までトータルでサポートしてもらえます。もちろん、内定・入社後のキャリア相談も可能です。はたらきたくても、障害特性により就職活動が思うように進まずお悩みなら、ぜひ一度相談してみてください。
平衡機能障害がある方の仕事に関する困り事は「dodaチャレンジ」へご相談を!
平衡機能障害による就業上の不安があっても、特性に応じた仕事内容・環境を選ぶことで、よりよくはたらけます。障害者雇用に関する専門的な知識がある転職・就職支援サービスをうまく活用して、自分にはどのような働き方が適しているのかを考えてみてください。
「dodaチャレンジ」の転職・就職エージェントサービスでは、平衡機能障害をはじめとするさまざまな障害がある方の就職活動を全面的にバックアップします。仕事に関するあらゆるお悩み・困り事を、障害に関する専門的な知識を有する専任のキャリアアドバイザーが丁寧にヒアリングいたします。まずはお気軽にdodaチャレンジにご相談ください。
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公開日:2024/7/19
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士