1年で転職するのはアリ?短期離職のメリット・デメリットと再発防止のコツ
新卒や中途採用ではたらき始め、まだ1年しか経っていないのに転職したいと悩んでいる方はいませんか。特に、障害がある方の場合は勤め先と特性とのミスマッチが起きやすく、短期離職につながるケースがあります。
はたらき始めてすぐ辞めた経歴はマイナスポイントと見なされやすいため、深刻な理由がないのであれば、1年以上は勤続したいところです。しかし理由によっては一刻も早く離職したほうがよいケースもあるほか、転職がプラスに転じる場合もあるため、一概にはいえません。
この記事では、短期離職の現実を踏まえたうえで、次回の転職先で長期就労につなげるためのポイントをご説明します。次こそ転職を成功させたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
はたらき始めて1年で転職することについて
はたらき始めて1年で転職・退職するのは、世間的に良い印象ではありません。書類選考が通過しにくくなったり、場合によっては転職前より給料が下がったりするケースもあります。スキル・経験の獲得のためにも、1年以上は継続してはたらくほうがベターです。
もし特別な理由もなく短期離職・転職を繰り返していると、逃げや甘えなどと見なされるケースも少なくありません。また「リファレンスチェック(職歴調査)」でこれまでの経歴が調査された場合、短期離職の履歴が採用担当者に明らかになります。その際、短期離職の回数が多いと、心身の状態に懸念があり、転職してもまたすぐに辞めてしまうのではないかと疑われることもあるでしょう。
とはいえ、心身に無理を強いてまで続ける必要はありません。むやみに転職を繰り返すのはおすすめできませんが、今の仕事・職場に限界を感じているなら、思い切って転職するのも一つの方法です。
1年で転職する人の割合とよくある離職理由
令和2年の「転職者実態調査」によると、転職者全体の3割以上が2年未満で仕事を辞めています。労働条件や仕事内容のミスマッチのほか、人間関係を理由に離職する人が多いことからも分かる通り、自己都合による転職者も少なくありません。
また、「障害者の就業状況等に関する調査結果|障害者職業総合センター」では、身体・知的・発達障害者の約3〜4割、精神障害者の半数以上が1年以上同じ職場に定着できていないという結果が見られます。特に、障害の公開の有無にかかわらず、一般就労における定着率が低い傾向です。したがって、特性に合わない働き方や合理的配慮の不十分、症状・特性の悪化による体力的な問題などが1年で転職を検討する主なきっかけになると考えられます。
障害のある方が1年で転職するメリット
基本的に、早期離職は次の就職活動で不利になりやすいといえますが、見方によっては悪い面ばかりとは限りません。ここからは、障害のある方が1年で転職するメリットをご説明します。
より良い働き方が見つかる
自分に合わない仕事に早期に見切りをつけることで、自分にもっと合う働き方に出会えるかもしれません。体調や障害特性などやむを得ない理由があるときは、別の働き方を模索してみるとよいでしょう。
障害の特性や症状の悪化を防げる
無理してはたらき続けた場合、障害特性や症状の悪化を招きかねません。就業で体を壊してしまってはその後の人生にも悪影響なため、自分の心身を第一に考えると1年で転職したほうがよいケースもあります。
新たなスキル・経験が身に付く
離職はネガティブなイメージを抱かれがちですが、視点を変えれば新たなスキルや経験を身に付けるきっかけともいえます。応募・面接時にポジティブな転職理由や今後のキャリアプランをきちんと伝えることで、意欲が評価される可能性も高いでしょう。
1年で転職を繰り返さないために押さえておくべき5つのポイント
1年で転職し、次の就職先を見つけるときは、今度こそ長くはたらき続けられる職場を見つけたいですよね。そこでここからは、早期離職を繰り返さないための就職活動のコツをお伝えします。
自己分析を徹底する
短期離職・転職の大きな原因の一つは、不十分な自己理解です。自らの長所・短所や適性、障害特性を分析し、自分自身でしっかりと理解しておけば、次の転職先とのミスマッチを防げます。
離職理由の伝え方を工夫する
「また1年で転職されるのでは」という面接担当者の不安を払拭するためには、離職理由の伝え方に工夫が必要です。ネガティブな離職理由や、条件だけで転職を考えていることをストレートに伝えてしまうと、応募先にマイナスイメージを与えかねません。
離職理由をうまく伝えるポイントは、転職前も最大限に努力したものの、障害特性のためにままならなかった経緯をきちんと説明することです。そのうえで、障害に応じた働き方をすることで、どのように貢献できるかをアピールしてみてください。
職業準備性を高める
転職後の定着を促すためには「職業準備性」を高める必要があります。職業準備性とは、自己管理や最低限のビジネスマナー、コミュニケーション力などをはじめとする、どのような仕事にも共通して求められる基礎的な力です。自らの障害特性に応じて職業準備性を高めておくことで、仕事が継続しやすくなり、はたらく自信にもつながるでしょう。
オープン就労を検討する
障害があることを公開せずに一般枠ではたらいた結果、転職を希望している方は「オープン就労」を検討してみてはいかがでしょうか。オープン就労とは、自らの障害を開示して就活・就業することです。
そもそも、障害の開示は義務ではないものの、障害の種類や程度によっては外見からは分かりづらく、理解やサポートが得られないかもしれません。あらかじめ障害があることをオープンにしていれば、その特性を前提として採用されるため、適切な合理的配慮が期待できます。
ただし、ただ障害の特性をオープンにしただけでは十分な配慮が得られない恐れもあるため、どのようなサポートが必要なのかを分かりやすく伝えておくことが大切です。
信頼できる相談先を見つける
障害のある方が転職活動をするときは、障害者雇用の専門的な知識がある人に相談することで、安心してはたらける就職先が見つけやすくなります。例えば、障害がある方の働き方には、一般雇用枠のほか障害者雇用枠や特例子会社、就労移行支援など、選択肢はさまざまです。また、現代には時短勤務や在宅就業など多様なワークスタイルがあるため、多くの情報を集めることでより良い働き方を考えられます。
しかし、障害者雇用の知識や情報を詳しく知らずに損をしている方も少なくありません。障害者雇用に関して相談したいときは、障害者専門の転職・就職エージェントがおすすめです。障害の特性に合わせて最適な求人や非公開求人を紹介してもらえるほか、転職活動のトータルサポートが受けられます。障害があってもはたらきやすい環境や、これまで知らなかった新たな働き方の選択肢が見つかるはずです。
障害者雇用で1年以上の安定就労を目指すなら「dodaチャレンジ」へ!
一般的に、就職して1年で転職するのは良い印象ではありませんが、障害特性との不一致や体調の悪化などで悩んでいるなら転職もやむを得ません。頑張って勤め続けることはもちろん大切ですが、無理がたたると心身を壊してしまう恐れがあります。最も重要なのは、長期的にはたらきやすい職場を見つけることです。障害者雇用のプロに相談しながら、自分がより良くはたらける仕事を探してみてください。
障害がある方のための転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」には、これまで1年以上はたらき続けられなかった方でも、毎日楽しくはたらける職場が見つかったとの喜びの声が多数寄せられています。一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーが付き、最適な仕事探しを徹底的にお手伝いいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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キャリアドバイザーが親身にお話をうかがいます
公開日:2024/8/29
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士