精神障害者保健福祉手帳2級で受けられるサービス一覧|割引・支援制度・就労支援を解説

障害者手帳のイメージ

精神障害や発達障害のある方は、定期的な通院や治療などで経済的な負担が大きくなるため、次のような悩みが生じがちです。

  • 生活費や医療費の負担を少しでも減らしたい
  • 利用できる制度を見落としていないか確認したい

精神障害者保健福祉手帳2級を取得すると、経済的な負担軽減や障害者雇用枠での就労に役立つ、次のようなサービスを利用できます

  • 税金の軽減
  • 医療費の負担減
  • 交通費の割引
  • 就労支援サービスの利用

本記事では、精神障害者保健福祉手帳2級で受けられる主なサービス一覧を紹介し、具体的なメリットや利用時の注意点を解説します。

精神障害者保健福祉手帳2級とは

精神障害者保健福祉手帳2級とは、「精神障害者保健福祉手帳」の等級のひとつで、精神疾患や発達障害によって生活や就労に一定の制限がある人が対象です。

対象となる疾患や障害

精神障害者保健福祉手帳2級の交付対象となる精神疾患の一例として、次のものが挙げられます。

  • 統合失調症
  • うつ病や双極性障害
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害
  • その他の神経症性障害やストレス関連障害など

厚生労働省によると、「精神障害者保健福祉手帳2級の認定基準」は次のとおりです。

精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

精神障害者保健福祉手帳の詳細や等級ごとの違いについては、次の記事をご参照ください。

精神障害者保健福祉手帳2級で受けられる主なサービス一覧

精神障害者保健福祉手帳2級では、税金控除や医療費支援、交通機関の割引、就労支援などのサービスを利用できます。

サービス 内容 全国共通
税金控除 所得税・住民税などの控除
医療費支援 自立支援医療(精神通院医療)
医療費助成 自治体独自の助成制度
交通機関割引 JR・私鉄・バス・タクシーなど
通信料金割引 携帯電話料金などの割引
施設利用割引 映画館・美術館・動物園など
就労支援 ハローワーク・就労移行支援など

精神障害者保健福祉手帳2級で受けられるサービスには全国共通の制度と、次のように自治体・事業者ごとに差があるものが存在します。

  • 医療費助成(自治体独自制度)
  • 公共交通機関の割引
  • 手当や給付金

「自分がどの程度の支援を受けられるか」は、お住まいの地域によって大きく変わる点に注意が必要です。本項目では、全国的に利用されている代表的な制度を中心に解説します。

税金の控除制度

次のような税制上の特例措置が受けられます。

  • 所得税の障害者控除
  • 住民税の障害者控除
  • 相続税の障害者控除

ただし、自分で申請しなければ税負担を軽減できないため、会社員は主に年末調整、自営業者は確定申告で申請する必要があります。自治体によっては、自動車税および軽自動車税の減免などの制度も利用できます。

医療費助成・福祉制度

精神障害者保健福祉手帳の所持者に限定されるものではありませんが、精神疾患や発達障害のある方は「自立支援医療(精神通院医療)」を利用可能です。これは精神疾患の通院医療費の自己負担を原則1割、もしくは上限を一定額に軽減できる制度で、継続的な通院が必要な人にとって大きな経済的サポートになります。

例えば、毎月の医療費が7,000円で自己負担額が2,100円の場合、本制度を利用することで自己負担額が700円に軽減されます。対象となる主な費用は次のとおりです。

  • 精神科・心療内科の通院費
  • 外来での投薬代
  • デイケア費用

そのほかに自治体独自の医療費助成制度を利用できるケースもあります。

交通機関の割引

現在では、次のような交通機関でも障害者割引を利用できるケースが増えています。

  • JR各社の運賃割引
  • 私鉄各社の割引
  • 路線バス運賃の割引
  • タクシー料金の割引
  • 航空機運賃の割引

JRや私鉄などでは障害者割引を利用できる場合がありますが、適用条件は事業者ごとに異なります。精神障害者保健福祉手帳2級では、単独利用時のみ割引対象となるケースや、一定距離以上の乗車が条件となるケースもあるため、利用前に各事業者の最新情報を確認しましょう。

なお、スマートフォンと障害者手帳を連携できるアプリ「ミライロID」を利用することで、スムーズに割引を適用しやすくなります。

携帯電話・通信サービスの割引

一部の大手携帯キャリアでは、基本料金の割引や各種オプション料金の減額などが受けられる場合があります。詳細は事業者によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

公共施設・レジャー施設の割引

精神障害者保健福祉手帳2級を提示することで、次のような施設の利用料金が割引になることがあります。

<文化・鑑賞施設>
  • 映画館
  • 美術館
  • 博物館
<レジャー施設>
  • 動物園
  • 水族館
  • テーマパーク

また、自治体運営のスポーツ施設や文化施設では、無料もしくは半額など、大幅な割引が受けられるケースもあります。こうした制度を活用することで、経済的負担を抑えながら活動範囲を広げやすくなるでしょう。

精神障害者保健福祉手帳2級の方が利用できる就労支援サービス

患者の手を包む看護師の両手のイメージ

精神障害者保健福祉手帳2級を取得している方は、障害者雇用枠での就労が可能となります。障害の特性や症状への配慮を受けながらはたらけることが魅力ですが、「どうやって仕事を見つけるか」は、障害者雇用での就労を目指すうえでの大きなハードルです。

そこで次のような就労支援機関やサービスを活用することで、あなたに合う仕事や職場を見つけやすくなるでしょう。

  • ハローワークの障害者関連窓口
  • 就労移行支援事業所
  • 障害者向けの転職・就職エージェント

ハローワークの障害者関連窓口

ハローワークの「障害者関連窓口」は、障害のある方を対象とした就労支援サービスです。専門知識がある担当者に相談することで、ご自身に合った求人を紹介してもらえます。履歴書作成や面接対策などのサポートも受けられるので、スムーズな転職・就職活動ができるでしょう。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、就労を目指している障害者の職業準備性を整える就労トレーニングや、転職・就職活動の支援を行う福祉サービスです。はたらくための知識やスキルの習得に加えて、就職後も定着支援として困りごとや悩みを相談できます。

例えば、パーソルダイバースが運営している就労移行支援事業所「ミラトレ」では、障害のある方の就労をかなえ、安定したはたらき方を実現するために、さまざまな就労支援プログラムを行っておりますのでお気軽に見学・ご相談ください。

そのほかにも、就労移行支援は全国各地でさまざまな事業者によって運営されています。お近くの事業所については、こちらで確認してみてください。
参考:都道府県別障害者施設一覧

障害者向けの転職・就職エージェント

障害者雇用枠での就労を検討する際は、「障害者向けの転職・就職エージェント」の活用も選択肢のひとつになります。精神障害のある方が就労を目指す際は、職場で障害への理解が得られるかなど、不安や悩みを感じやすいものです。

ご自身に合った仕事を探すためには、障害特性や症状を理解し、必要な配慮事項をまとめておくことが大切です。障害者向けの転職・就職エージェントでは、豊富な支援実績を持つ専任のキャリアアドバイザーが、「はたらきやすい環境」での就労につながるよう、求人選定から面接対策、入社後のフォローまでサポートします

例えば、障害者のための転職・就職支援サービス 「dodaチャレンジ」 では、障害者雇用に特化したキャリアアドバイザーが、一人ひとりの障害特性や希望する働き方に合わせて、求人紹介や応募書類作成、面接対策や配慮事項の整理などをサポートしています。

精神障害者保健福祉手帳2級に関するよくある質問

精神障害者保健福祉手帳2級の取得前後で生じがちな疑問についてまとめました。

手帳取得後にすべてのサービスが自動適用されますか?

今回ご紹介した各種サービスは、基本的に自動適用はされないため、ご自身で手続きする必要があります。例えば、税金の控除・免除を受けるには、年末調整や確定申告が必須です。交通機関や通信サービス、レジャー施設などの割引は、窓口等で障害者手帳を提示して割引を適用しましょう。

精神障害者保健福祉手帳2級を取得すると会社にバレますか?

精神障害者保健福祉手帳2級を取得しても、それだけで勤務先に知られることは原則ありません。ただし、会社の年末調整で障害者控除を適用する場合は、障害があることを経理担当者に把握される可能性があります。会社の年末調整ではなくご自身で確定申告を行うことで、会社を介さずに障害者控除を適用できます。

精神障害者保健福祉手帳2級は更新が必要ですか?

精神障害者保健福祉手帳には、等級に関わらず有効期限があり、原則2年ごとの更新が必要です。更新を忘れると、各種割引や福祉サービスが一時的に受けられなくなる可能性があります。なお、精神障害者保健福祉手帳が不要になった場合は、自治体の窓口でいつでも返納可能です。

精神障害者保健福祉手帳2級を取得するとデメリットはありますか?

精神障害者保健福祉手帳2級を取得すること自体に、大きなデメリットが生じるわけではありません。ただし、2年ごとの更新の手間や、「障害者手帳を取得すること」に対する心理的ハードルについては、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。また、生命保険の新規加入が難しくなるケースもあるため、障害者手帳を取得すべきかどうかについては、次の記事をご参考ください。

精神障害者保健福祉手帳2級の方が安心してはたらくためにできること

転職活動中の人のイメージ

精神障害者保健福祉手帳2級をお持ちの方は、税金の控除や交通機関、各種施設の割引などのサービスが受けられます。また、障害特性への理解や配慮を受けながら安心してはたらきたい方は、次のような場所に相談できます。

  • ハローワーク
  • 就労移行支援
  • 転職・就職エージェント

その中でも「職場とのマッチング」を重視したい方は、障害者雇用に特化した転職・就職支援サービス「dodaチャレンジ」をご検討ください。障害特性に理解のあるキャリアアドバイザーが、一人ひとりの希望や状況に合わせて、求人紹介や応募書類の作成支援、面接対策をサポートします。また、「障害特性や症状への理解が得られるか」「自分に合った就労環境を見つけられるか」といった不安についても相談できるため、はたらきやすい職場探しを進めやすくなります。精神障害者保健福祉手帳2級で利用できる制度や就労支援を活用しながら、自分に合ったはたらき方を見つけていきましょう。

公開日:2025/10/24
更新日:2026/08/05

監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■障害者職業生活相談員
  • dodaチャレンジで、専任のキャリア
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