発達障害のある方に向いている仕事とは?特性を踏まえた適職の探し方

オフィスワークのイメージ

発達障害があると、得意・不得意が極端に分かれます。ミスを繰り返してしまう、仕事を段取り良くこなせないなどの困り事から、自信を無くしてしまったり、仕事が長続きしなかったりすると悩む方もいるかもしれません。発達障害のある方が個性を活かして仕事で活躍し、長くはたらき続けるためには、自分にあった仕事を探すことが大切です。この記事では、発達障害の特性の強みと弱みを踏まえ、向いている仕事と適職探しのコツを解説します。

発達障害のある方にとっての適職

様々な職種のイメージ

まず、発達障害ならではの特性を強みとして活かせる3種類の仕事を紹介します。

「得意」や「好き」が活かせる仕事

発達障害があると、不得意やできないことがある一方で、優れた実力を発揮する分野も存在することが多いです。

例えば、ASDのある方は高い集中力や論理的思考力を有し、興味・関心のある分野の研究職や専門職、コツコツと成果を積み重ねるルーチンワークなどで優れたパフォーマンスを発揮します。ADHDの特性は、決断力や行動力、発想力の豊かさとも言い換えられ、それを活かせる企画やクリエイティブ系の仕事に就けば大いに活躍できる可能性があります。LDのある方は、特定の学習能力以外に発達の凹凸がないため、配置や周囲の支援、補助ツールの導入といった必要に応じた配慮が得られる職場を選べば十分に活躍できるでしょう。

同じ会社でも職種や担当業務によって向き不向きが大きく分かれるため、特性を分析し、自分に合った仕事や、苦手な作業の少ない仕事を見つけることが大切です。

障害者雇用枠の仕事

発達障害があり、障害者手帳を取得している方は、障害者雇用枠の仕事ではたらくという選択肢があります。障害者雇用枠なら、発達障害があることを前提に、特性に応じた合理的配慮を受けながらはたらけることがメリットです。大企業や有名企業の求人も多く、会社によってさまざまな業種・職種があるため、就業形態も柔軟に調整しやすいといえます。自身の特性・能力とのマッチングや、企業の障害者雇用実績を確認することで、続けやすい仕事が見極められるでしょう。

特例子会社での仕事

「特例子会社」とは、障害者雇用の促進を目的とし、厚生労働省の定める要件を満たして認可を受けた子会社です。さまざまな障害のある方と一緒に、個々の特性に応じた手厚いサポートや、バリアフリーといった配慮を得ながらはたらけます。親会社が大手企業・有名企業など経営基盤が比較的安定しているケースが多く、就職できれば長期的な雇用が期待できる点も魅力です。

そもそも発達障害とは?

ここで、そもそも発達障害とはどのようなものなのかをおさらいしておきましょう。「発達障害」とは、先天的な脳機能障害によって、発達に凹凸が生じている状態です。主に、次の3つの障害種別に分けられます。

障害種別 特性
ASD(自閉スペクトラム症) コミュニケーション力・想像力・共感力の発達不全
ADHD(注意欠陥・多動症) 不注意・多動性・衝動性
LD(学習障害) 全般的な知的発達に凹凸はないが、特定の学習の習得が困難

そのほか、発達障害と医学的に診断されるレベルではないものの、特性の傾向があると認められる「グレーゾーン」も存在します。また、発達障害は本来先天的なものですが、社会に出てから初めて判明するケースも多く、一般的にはこれを「大人の発達障害」といいます。

発達障害の傾向がある方は、症状や程度の違いはあれど、仕事上での困難やトラブル、生きづらさを抱えがちです。仕事や人間関係のストレスから、うつ病や適応障害など二次障害を発症する恐れもあるため、無理なくはたらける仕事探しと周囲の理解と配慮、特性および困り事を踏まえた自己対策が求められます。

発達障害がある方に向いている仕事探し・長期就労の実現につなげる2大ポイント

障害のある方が自分に向いている仕事を見つけ、長期就労につなげるには「障害特性の理解」と「配慮事項の整理」の2つがポイントとなります。

障害特性の理解

自分に向いている仕事や働き方を探すためにまずやるべきことは、個々の障害特性の理解です。特性の理解は難しく感じるかもしれませんが、コツを押さえれば比較的簡単にできます。以下では、障害特性への理解を深める3つのステップをみていきましょう。

1.仕事上で実際にあった困り事を洗い出す

はじめに、実際のエピソードから、どのようなシーンで困り事が生じたのかを洗い出してください。困り事をさらに深掘りし、具体的なシーンを整理しましょう。

例えば「コミュニケーションがうまくいかない」なら、どのような状況で会話しづらいか、理解しづらいと感じた指示内容などを明らかにします。「2つ以上のことを同時に行うのが苦手」なら、電話を受けながらメモを取れるか、複数の指示があったときの優先順位の付け方などを明確化してください。

2.困り事が発生した前後にあった変化を分析する

次に、困り事が生じた前後に何らかの変化がなかったかどうかを探っていきましょう。変化の例として、次のようなことが挙げられます。

【例】
・上司や指示系統の変化
・異動やチームメンバーの変更
・仕事内容や業務量の増減
・音や光など環境的な変化

変化の前後にある違いに着目することで、困り事の根本的な原因が理解しやすくなるはずです。

3.問題なく仕事ができていた状況を整理する

最後に、変化の前の状況を整理し、なぜ問題なく仕事ができていたのかを分析してみましょう。安定して仕事ができていた理由や、得意・不得意などの特性や個人の資質的な要素にも自己理解のヒントが隠れています。例えば、次のようなことを洗い出してみてください。

【例】
・マニュアルの有無
・安定していたときの指示の出し方
・突発的な業務の有無や量
・相談相手の有無

併せて、各項目に関わる人との関係性や、関わる頻度なども要チェックです。分析結果から、何らかの変化によって困り事が生じている現在の状況が客観的に把握できるようになります。

配慮事項の整理

自己理解のプロセスや結果を踏まえ、どのようなサポートがあれば仕事がスムーズにできるようになるかを考えましょう。必要な配慮事項を伝わりやすいように言語化することで、適切なサポートが得られる可能性が高まります。伝え方のポイントは、自己対処と企業に求める配慮を分けて整理することです。

次の例を参考に、企業や職場にお願いしたい配慮とその目的を言語化し、明確に説明しやすくしておきましょう。

【曖昧な指示が困難であるときの伝え方】

私は曖昧な指示の理解が困難です。
自分では、曖昧に感じた内容をそのままにせず、理解できるまで確認するよう心がけています。そのため、特に最初のうちは質問が多くなると思いますので、ご理解いただきたいです。
また、もし可能であれば指示の合間にメモを取ったり整理したりする時間を設けていただけると助かります。

【残業が難しいときの伝え方】

私は疲労を溜め込むと症状が悪化しやすく、就労や業務に支障が出る恐れがあります。そのため、円滑な職務遂行に向け、睡眠時間をしっかりと確保するよう心がけています。
そこで生活リズムを安定させるため、残業に関しましては極力ご配慮いただけますと幸いです。

特性や配慮事項は人それぞれ異なります。また、自分ができること、これまでやってきた対策をそのまま継続することも大切です。一人で考えるのが難しいときは就労支援サービスを活用し、どのような配慮があればより良くはたらけるかを考え、分かりやすく言語化できるようトレーニングしてみてください。

発達障害のある方の仕事探しでよくある悩みと対処法

発達障害のある方が長期的に安定して就労するには、自分に合った仕事を見つけることが大切ですが、特性によりうまくいかないと悩む方も少なくありません。ここでは、発達障害のある方の仕事探しでよくある2つの悩みとその対処法をお伝えします。

得意なことが見つからない

発達障害があると、特定の分野に突出した才能を発揮する方が存在する一方で、仕事でミスを繰り返し、自信を無くしてしまう方も多いです。「得意なことが何もない」と悩んだときは「得意」ではなく「何が好きか」「どんなことをやってみたいか」という軸で考えてみてください。好きなことが見つからないなら「苦ではないこと」「楽にできること」などの基準で探したり、「やりたくないこと」から消去法で考えてみたりするのもおすすめです。

また、一見すると仕事に結びつかないように思える特徴でも、自身の強みになることがあります。自らの特性や強みを客観視するのは簡単にはいかないので、困ったときはハローワークや転職・就職エージェントといった障害者向け就労支援サービスを活用してみるのも一つの選択肢です。

仕事が長続きしないのではと不安に感じている

発達障害があると「仕事がなかなか覚えられない」「人間関係に不和が生じる」などの悩みを抱え、転職を繰り返している方もいます。「またすぐ辞めることになるのでは……」とマイナス思考に陥り、仕事探しに前向きになれないこともあるでしょう。

長続きする仕事を探すには、自己理解と就労支援サービスの活用が肝心です。障害への理解度が高く、必要な配慮事項を明確化している方ほど仕事に対する満足度が上がり、長く安定してはたらけるようになります。また、障害特性と求める配慮を他者へ説明できる、文章化できる状態になることが、職場での理解を得るためのファーストステップです。まずはプロのキャリアアドバイザーのアドバイスを得て、自分の障害特性と必要とする配慮事項を明らかにすることから始めましょう。

発達障害のある方が活き活きとはたらける仕事探しは「dodaチャレンジ」

外回りのイメージ

発達障害のある方は、これまでの失敗経験から「できないこと」は認知していても「得意なこと」を自覚している方は少ない傾向にあります。できないことばかりに捉われるのではなく、できることに目を向けることで、自分にとって最適な仕事や働き方を見つけるヒントが見つかるかもしれません。

dodaチャレンジ」では、障害者雇用に特化したキャリアアドバイザーがあなたの専任となり、自分に合った仕事探しや就職活動を完全無料でサポートします。丁寧なカウンセリングを通し、障害理解を深め、必要な配慮事項が明らかになるようプロ視点からアドバイスします。自分にとってベストな仕事と働き方を、一緒に探していきましょう。

公開日:2025/11/28

監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■障害者職業生活相談員
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