心臓障害1級の私にとって、フル在宅勤務はベストなはたらき方です。コロナ感染のリスクが高まる通勤や出社がないので、安心してはたらくことができるからです。実際、主治医からは、「コロナに感染したら命の保証はできない」と言われていますので、フル在宅勤務の会社に転職できて、支援して下さったdodaチャレンジには大変感謝しています。
現在勤める会社は外資系で、新しいはたらき方や新しいオフィスのあり方を提案する事業を行っています。本社は東京にありますので、仙台に住む私は、上司や同僚と直接会ったことは一度もありません。それでも、精神的に孤立することなく、仕事はとても楽しいし、チームではたらく実感を得られています。
オフィスではたらく感覚と同じ
一人で業務を進めていると困ったことや相談したいことはもちろんあります。そのときは、社内のチャットにメールをすれば、すぐに誰かが反応し、返信をくれます。そういうカルチャーができているんですね。オフィスで一緒に仕事をしているかのように、上司や先輩にいつでも質問できる環境です。むしろ、チャットなので、相手の状況に気遣いすぎず、困ったときに発信できるので便利だと感じています。また、チャットやメールで解決できないときは、オンライン会議ツールを利用してミーティングを開催し相談ができるので、業務が滞ることはほとんどありません。
勤務時間についても、フレキシブルなところが魅力ですね。始業は9時ですが、前日に残業をしたときなどは、午前中はゆっくり仕事を始めることが可能ですし、体調が良くないときは午後から仕事をすることもできます。転職して約1年たちますが、フル在宅勤務のメリットはあっても、デメリットを感じたことがないですね。
心停止から一命を取り留め、総合職内定から障害者採用へ
私の心臓疾患は先天性ですが、学校の体育で運動を制限されることはあっても、大学まで日常生活で困ることはありませんでした。そのため、就職活動も一般採用枠で活動し、医療機器商社の総合職で内定をいただきました。
状況が一変したのは、大学4年生のときでした。アルバイト勤務中に心室細動を起こし、心停止の状態で救急に運ばれたんです。幸い脳へのダメージもなく、奇跡的に後遺症を患うこともありませんでしたが、入院生活は3ヶ月に及びました。日常生活に戻ることはできたものの、疾患により車の運転はできなくなり、仕事で無理はできなくなったこと、また入院中に行われた内定式や入社前研修に参加できなかったこともあり、私は内定先の人事に内定辞退を申し出ました。すると、人事の方が、障害者採用枠ではたらくことを考えてみないかと提案してくれたんですね。そのとき初めて、障害者採用枠の存在を知りました。家族は私の体が心配だから無理にはたらく必要はないと言いましたが、私は、できる範囲で自分の力ではたらきたいと思ったんですね。最終的には家族の理解を得て障害者採用枠ではたらくことにしました。