LGBTQ当事者/免疫機能障害/30代/事務への転職ストーリー

免疫機能障害/LGBTQ当事者の方の転職体験談免疫機能障害/LGBTQ当事者の方の転職体験談

HIV感染をオープンにして、理解ある会社への転職。未来に向かって未経験の職種にチャレンジ

I.M.さん 30代 免疫機能障害/LGBTQ当事者

転職活動期間
1ヶ月
前職
リサイクルショップ 販売
現職
フォトスタジオ 事務

ひきこもりの生活から、社会復帰へ

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私は、中学に入ってすぐに不登校となり、そのままひきこもる生活を送っていました。学校の友達とうまくいかなかったんですね。ですので、中学校にはほとんど通えていませんし、中学を卒業した後も1年ほどひきこもっていました。
3~4年のひきこもり生活を送り、ある日ふと、「自分はこのままダメになって死んでいくのだろうか・・・。女手一つの母にこれ以上、苦労をかけられない」と、強烈な思いがよぎりました。

15歳で始めたアルバイト。そこから人生が拓いていく

そのとき私は15歳。ひきこもりから社会に復帰するために、はたらこうと思いました。まず、自分の好きなこと、できることからやってみようと、駅に置いてあるフリーのアルバイト誌を見て、家から通える大手おもちゃ専門店の販売員に応募しました。人と話したりすることに不安がありましたが、自分の苦手を克服したいという気持ちもあって、接客のアルバイトを選びました。

一緒にはたらく社員やアルバイトの先輩たちに私はとても恵まれました。15歳、16歳の私には分からないことばかりでしたが、周りの人たちは、丁寧に指導してくれ、少しずつ仕事に慣れていくことができました。接客の仕事を通して、お客様やそのお子様から、「ありがとう」と感謝される喜びを味わいました。また、こういう人になりたい!と思える先輩に出会うこともでき、人生の目標ができました。
そのアルバイトはずっと続けたかったのですが、3年経ったころ店舗が移転し、通勤できない距離になったため、次はカラオケ店に勤めました。中学卒業後の10年間は、そうやっていくつかアルバイトをしながら生活していました。

アルバイトから正社員へ

25歳のときに、私は、正社員としてリサイクルショップの会社に就職し、すぐにお店を任されました。店長になって数年、仕事ぶりを評価され、東京に新規出店する店舗責任者に任命されました。私は地元の宮城県で仕事をしていましたので、異動とともに、はじめての東京暮らしです。母ひとりを置いて東京に行くことは不安でしたが、20代半ばを過ぎた私も、そろそろ自立しなければと考えていましたので、異動を機に実家から独立しました。

誰にも言えなかった性の違和感

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私が、性に違和感を持ったのは小学校高学年のときです。好きになった子は同性の男の子でした。そのことは、好きになった相手にも、友達にも、母にも、打ち明けませんでした。子どもながらに、「男の子を好きになったことは隠しておいた方が良いかもしれない」と感じたんです。今でも母には伝えていません。しかし、母は分かっているように思いますね。結婚はしないのか?付き合っている人はいないのか?など、そういったことをこれまで一切聞いてこないからです。

HIVに感染し退職、そして転職活動

今から10ヶ月ほど前になりますが、体調に異変がありました。とても体が疲れやすく、だるいんですね。病院に行くとHIV感染症と診断されました。非常にショックを受けましたし、この先どのように生きていこうか、そればかり考えました。治療薬の服用で、エイズの発症は抑えられますし、日常生活も送れますので、私は仕事の継続希望を会社に伝えました。しかし、会社からは、「正社員からアルバイト雇用に切り替えたい」と言われました。アルバイトでは生活を維持できませんので、転職するしか方法がありませんでした。

HIV感染の診断後、早期の治療開始のためすぐに障害者手帳を申請し、認定を受けました。そして、インターネットで、「障害者 転職」で検索し、数社のエージェントに登録しました。その中で、dodaチャレンジからの連絡が一番早かったですね。結局そのままdodaチャレンジでの転職活動だけで、現職の就職が決まりました。登録から内定まで、1ヶ月かからなかったと思います。

感染が発覚してからも、治療に専念するわけにいかず、生計維持を両立させなければならなかった私にとって、dodaチャレンジの連絡の速さ、的確なサポート支援は、とても心強かったです。親身に対応してくれたキャリアアドバイザーの方に、私はどれだけ勇気づけられたか、dodaチャレンジに登録していなければ、今の私はいないと思います。

オフィスワークという新しい職種へ

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私が提示した転職の希望条件は、最低給与額くらいでしたが、キャリアアドバイザーは、私の経歴から、接客経験が活かせるオフィスワークを提案してくれました。私は、考えたこともなかった職種でしたので、新しい気づきでした。それに、これまでの15年間で培った接客経験を褒めれたようで、それも嬉しく思いました。

キャリアアドバイザーが、選考で不安なことはないかと聞いてくれたので、「面接に不安がある」ことを伝えました。事前に模擬面接をしてくれたおかげで、私は自信を持って本番に臨むことができました。キャリアアドバイザーが、「全然、大丈夫ですよ!!」とおっしゃってくれたので、安心できたのだと思います。
複数の企業を紹介いただきましたが、結果、面接一社目の現職で内定をいただき、自分に合う仕事を選んで紹介してくれたんだなと感じました。

障害の内容とLGBTQ当事者であることは、エントリーの際、会社にオープンにしています。理解をしてくれた上で採用してくれているので、隠す必要がないという安心感がありますね。今職場では、障害と性に関してオープンにはしていませんが、隠すつもりもありません。あえて自分から話す必要はないかなというくらいに感じています。

これまでの経験を活かしながら、未来に向かって!

入社して3ヶ月ですが、新しい仕事は楽しいです。法人向けにフォトサービスの提案や フォトグラファーを調整する仕事をしています。はじめてのオフィスワークですが、接客で培った対人スキルが活きていると感じます。パソコンを使った仕事は慣れていなかったので、最初は少し大変でしたが、今では新しいスキルが身に付く喜びに変わっています。これからもいろいろな新しい仕事を経験できたらいいなと思っています。
私は将来、自分の会社を作りたいという夢を持っています。今のこの経験も活かして、いつか独立し起業する夢を実現したいですね!

免疫機能障害/LGBTQ当事者の方からのメッセージ免疫機能障害/LGBTQ当事者の方からのメッセージ

メッセージ

私のようにHIV感染をされた方は、突然のことに落ち込むと思います。今は治療薬の服用で日常生活が送れますし、特別な配慮もなく仕事は継続できます。しかし、このことは、まだ一般的にはあまり知られていませんので、「社会的に孤立しないか」と、感染した方の不安は大きいと思います。しかし、落ち込んでいるだけでは何も変わりません。HIV感染に関して理解のある会社もありますので、一歩踏み出してほしいと思います。私自身、身を持って感じるのは、自ら行動することで、手を差し伸べてくれる人の存在を知ったり、また新しい人との出会いがあったりして、人生が変わっていきました。私の経験が少しでもお役に立てたら嬉しく思います。

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