私は、中学に入ってすぐに不登校となり、そのままひきこもる生活を送っていました。学校の友達とうまくいかなかったんですね。ですので、中学校にはほとんど通えていませんし、中学を卒業した後も1年ほどひきこもっていました。
3~4年のひきこもり生活を送り、ある日ふと、「自分はこのままダメになって死んでいくのだろうか・・・。女手一つの母にこれ以上、苦労をかけられない」と、強烈な思いがよぎりました。
15歳で始めたアルバイト。そこから人生が拓いていく
そのとき私は15歳。ひきこもりから社会に復帰するために、はたらこうと思いました。まず、自分の好きなこと、できることからやってみようと、駅に置いてあるフリーのアルバイト誌を見て、家から通える大手おもちゃ専門店の販売員に応募しました。人と話したりすることに不安がありましたが、自分の苦手を克服したいという気持ちもあって、接客のアルバイトを選びました。
一緒にはたらく社員やアルバイトの先輩たちに私はとても恵まれました。15歳、16歳の私には分からないことばかりでしたが、周りの人たちは、丁寧に指導してくれ、少しずつ仕事に慣れていくことができました。接客の仕事を通して、お客様やそのお子様から、「ありがとう」と感謝される喜びを味わいました。また、こういう人になりたい!と思える先輩に出会うこともでき、人生の目標ができました。
そのアルバイトはずっと続けたかったのですが、3年経ったころ店舗が移転し、通勤できない距離になったため、次はカラオケ店に勤めました。中学卒業後の10年間は、そうやっていくつかアルバイトをしながら生活していました。
アルバイトから正社員へ
25歳のときに、私は、正社員としてリサイクルショップの会社に就職し、すぐにお店を任されました。店長になって数年、仕事ぶりを評価され、東京に新規出店する店舗責任者に任命されました。私は地元の宮城県で仕事をしていましたので、異動とともに、はじめての東京暮らしです。母ひとりを置いて東京に行くことは不安でしたが、20代半ばを過ぎた私も、そろそろ自立しなければと考えていましたので、異動を機に実家から独立しました。