LGBTフレンドリー企業インタビュー|ソフトバンク株式会社

LGBTフレンドリーは特別なことではない。誰もがはたらきやすく、誰もが挑戦できる職場で、多様性を実現しています

ソフトバンク株式会社

[写真左から]人事本部 人材採用部:伊藤さん/人事企画部:木戸さん、小川さん

モバイル事業のほか、AI、IoTを活用した新規事業等、ダイナミックに事業領域を広げるソフトバンク。常に革新的な取り組みに挑戦し続けるイメージがあり、2021年には、LGBTQなどのセクシュアル・マイノリティに関する企業の取組評価指標「PRIDE指標」において、最高評価の「ゴールド」を5年連続受賞しています。
ソフトバンクでは「LGBTQにとってはたらきやすい職場」実現のためにどのような取り組みをし、ダイバーシティについて実際にどのように考えているのでしょうか?人事本部の伊藤さん、小川さん、木戸さんにお話を伺いました!

目次
01_創業以来、多様性の融合で育まれてきたソフトバンクの風土
02_LGBTQフレンドリーであることは特別なことではなく、多様性は当たり前に尊重される
03_ソフトバンクの障害者雇用の取り組みについて
04_ダイバーシティとは、「生まれてきた人はみんな大切」を推進すること
05_違いを強みに、挑戦したい人は、ぜひソフトバンクへ

創業以来、多様性の融合で育まれてきたソフトバンクの風土

ソフトバンクの風土

木戸:ソフトバンクは創業以来、いろいろな会社の合併などを繰り返す中で成長してきた経緯がありますので、さまざまなカルチャーが融合され、多様なバックボーンを持った社員が集まっています。そういった多様な人材がいるからこそ、これまでにないクリエイティブな発想、イノベーティブな発想が生まれ、新サービスが誕生し、成長し続けてきました。そのため、多様性は当たり前に尊重され、誰もが挑戦できる環境づくりを目指しています。当社におけるダイバーシティ推進とは、特別な取組みではないんですね。例えば、意見交換をするときでも、異なる意見の社員や異質な経験を持つ様々なメンバー同士で議論するなど、日常業務の中でも多様性を踏まえる風土がソフトバンクにはあります。

LGBTQフレンドリーであることは特別なことではなく、多様性は当たり前に尊重される

多様性は当たり前に尊重される

小川:当社は、世界で最も必要とされる企業を目指していますが、そのためには挑戦する人にチャンスがある組織であることが大切だと考えています。挑戦できる「人」の中には、様々な社員がいます。性別、国籍、障害、宗教など、実に様々に異なる社員がいますが、多様性の概念には、LGBTQフレンドリーであることも当然含まれます。しかし、LGBTQフレンドリーであることを特別視しているわけではありません。多様性は「当たり前」に尊重される風土であり特別ではない、という意味です。
 LGBTQ当事者の社員に対する取組みとしては、結婚休暇や慶弔見舞金などの社内制度を同性パートナーにも適用できること、SOGIに関する差別禁止の規定を明文化したことなどがあります。

当事者が発信する声を制度に反映し、よりはたらきやすい職場環境を!

小川:採用に関しては、エントリーシートに「戸籍上の性別欄」と会社に伝えたいことを任意で記載できる「補足欄」があるのは、ソフトバンクらしいと言えるかもしれません。LGBTQ当事者の社員や有識者にヒアリングしたところ、「性別欄」だと、自認性を書くのか、戸籍上の性を書くのか迷うという意見があったため、「戸籍上の性別」と「補足欄」に変更しました。補足欄は任意ですので、エントリー時は何も書かずオープンにされない方もいらっしゃいますし、社内呼称のご希望などを書く方もいらっしゃいます。

小川:LGBTQの知識やSOGIハラスメント防止の啓蒙に関しては、全国の社員向けにeラーニングを実施していますし、管理職向けのセミナーもあります。集計したアンケートを見ると、LGBTQに関する理解を示す声や、取り組みに対してポジティブな意見が上がってきます。組織に根付かせるには、特別な仕掛けを実施するのではなく、地道な啓蒙活動を大切にしています。まず、自分事に捉える機会を社員に提供し、身近に感じてもらうことが大事ではないでしょうか。

あらゆる活動やコミュニティは人事主導ではなく、自然発生的

小川:Ally(アライ)の活動については、社員の中から自発的にコミュニティが立ち上がりました。人事がコミュニティを作るのではなく、コミュニティが自然発生するところがソフトバンクらしいと思っています。多様性を受け入れ、多様性が発揮できる風土が根付いているので、人事が何かを起こすことは、あえてしていません。コミュニティから提案や要望があれば必要なサポートはもちろんします。

小川:具体的な活動としては、オンライン会議のバーチャル背景をレインボーステッカーにした例があります。LGBTQの理解を深めるための映画鑑賞会も実施しました。定期的な活動として、月1回の社内メルマガを発信しています。

ソフトバンク表参道

ソフトバンクショップのレインボーフラッグ

社外活動での具体的な取り組みとは?

小川:反響が大きかったのは、東京レインボープライドの「プライドパレード」の企画への参加です。社内募集で集まった社員とそのご家族約30名が、同じレインボーTシャツを着て参加しました。また、パレードの沿道に面するソフトバンクの表参道店も、レインボーフラッグを掲示しました。多くの人から「ソフトバンク、がんばって!」と応援の声を掛けていただき、沿道を歩くメンバーたちはとても嬉しかったそうです。
 そういった取り組みが評価されて、職場におけるLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの職場における取組みの評価指標であるPRIDE指標は、5年連続、最高位の「ゴールド」を受賞しています。

ソフトバンクの障害者雇用の取り組みについて

ソフトバンクの障害者雇用

伊藤:「多様性は当たり前」に尊重される風土であり、特別ではない」という点は、障害のある社員の雇用も同様です。障害の有無により給与や昇進昇格の条件、評価基準等で区別されることはありません。障害のある社員のための特別な部署もなく、一緒の環境で働いていただいています。障害の有無に関わらずいきいきと働ける環境を作っていきたいと思っておりますので、一緒に働くために配慮が必要な事柄は、遠慮なく相談してください。どのように対応するか相談しながら進めていきたいと思っています。同じ障害であってもその方の状況や必要な配慮はひとり一人異なると思いますので、人事側で想定できないこともあります。働きやすい環境は自分でも作っていくという意識も大切にしていただき、ぜひ率直にご相談いただきたいと思います。

自由な服装で豊かな発想を後押し、働くスタイルは多種多様

伊藤:以前、中途採用の面接で下肢障害のある方から、必要な配慮として「職場でスニーカーを履かせて欲しい」とお申し出がありました。これまでの職場では、下肢障害への配慮としてスニーカーを履くことをお願いしていたそうです。ソフトバンクでは、様々な固定観念を取り払うことでより自由な発想が生まれるという考え方があり、TPOに合わせて自由な服装で業務を行うことができますので、「スニーカーを履く」ことは特別な配慮事項に当たりません。
 画一的な価値観を求めず様々な違いが受け入れられる環境では、より安心して働くことができるということが、この「スニーカー」の例からもご想像いただけるのではないかと思います。

働き方はさらに多様化!在宅勤務の浸透

伊藤:コロナ禍で大きく変化したのは在宅勤務の浸透です。コロナ禍以前より、ソフトバンクでは月5回を上限とする在宅勤務制度がありましたが、今では在宅勤務の割合が多くなっています。通勤や出社が困難な障害がある方にとっては、時差出勤も必要ありませんし、体力も温存できます。在宅勤務が浸透したことで、さらに働きやすくなったと思います。中途採用においても、在宅勤務を希望する方が増えていますね。先日も内部障害と下肢障害の方が中途入社されましたが、体の負担がなく働けるということで、満足されていました。

ダイバーシティとは、「生まれてきた人はみんな大切」を推進すること

「生まれてきた人はみんな大切」を推進すること

伊藤:制度面においても、当事者の社員から具体的な提案があれば、人事としてサポートする形で取り組んでいきたいと考えています。先ほど木戸も申し上げました通り、社員の誰もが提案したり発信できる組織風土であり続けたいと思っています。

木戸:知識があれば理解していることになるのかと言えば、私はそうではないと考えます。また制度があればダイバーシティが実現できているか、と言えばそうとも限りません。多様性の本当の理解というのは、困っている人がいれば自然と助け合えることだと思うんです。人事の役割は、先回りして制度を整えることだけではなく、地道に啓蒙し続け風土を醸成し、困っている社員が声を上げやすい環境をつくることです。そして、その声に応えるため、適切なサポートをすることだと考えています。

小川:多様性を受け入れるには、共感することが大切なのではないでしょうか。こうあるべき、こう考えるべきと人事が押しつけてもダイバーシティは推進できません。非当事者にとって、自分事として捉えるというのは、なかなか難しいことですが、その人目線に立って考えてみようという姿勢が、ダイバーシティ推進において、とても意味があると思います。私たち人事は、全社員にそういったことを考え共感する機会を提供し続けたいですね。

違いを強みに、挑戦したい人は、ぜひソフトバンクへ

伊藤:ソフトバンクでは、障害の有無やLGBTQ当事者・非当事者などで区別した採用はありません。障害者採用も、特別な選考枠ではなくアプローチしやすい窓口とお考え下さい。採用選考において大切にしていることは、当社で何がしたいのか、どんな風に働きたいか、そして、これまで取り組んでこられたご経験の3つです。ご自分のキャリアに責任を持ち、将来どうなりたいかをしっかり考えていらっしゃる方にぜひお越し頂きたいです。中途入社した社員に話を聞くと、挑戦できるフィールドでのびのびと活躍され、今の仕事に満足されている方が多いです。

小川:エントリーされた方がLGBTQ当事者かどうかは、人事では管理していませんが、面接官が適切な対応ができるよう、面接官トレーニングを行っています。
 また、ご自分のことをオープンにする、オープンにはしないなどの考えも、自由です。ご自身のペースで、言いたいタイミングで、言いたいことをお伝えいただければと思います。困ったことがあれば、一緒に解決していければと思います。施設面や制度面の取組みも、社員の啓蒙活動も続けていきますので、気になることがあれば相談して頂きたいです。

木戸:新しい本社ビルは、ハートビル法に則って設計されています。そのほか、祈祷室もあります。これまで専用の場所がなく、不便をかけていたと思いますが、この本社ビルになって祈祷室を用意できて本当に良かったなと思います。困っている社員がいたら力になる、そんなダイバーシティ推進ができるソフトバンクであり続けたいと思います。

ソフトバンク株式会社

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ソフトバンクが求める人物像は「ソフトバンクの変化を楽しみ、何事もチャンスと捉え挑戦する人」です。もちろん配慮が必要な事柄については、面接時に率直にご相談ください。障害の有無に関わらず挑戦できる環境で自分のキャリアを築いていきたいとお考えの方のご応募をお待ちしています。