近年、インターネット業界においてSIer出身者の採用ニーズが高まっています。その背景には、いくつか理由があります。「スマートフォンの普及とともに、これからネット業界はさらにマーケットが拡大する。世界で利用されるサービスを提供していくためには、優秀なエンジニアは必要不可欠な存在」と語るのはグリーの藤本氏。また、ドワンゴの千野氏は「ユーザーに支持されるコンテンツを持つネット企業は爆発的に伸び、長年にわたって利用されることになります。ですが、まだ競合は多くはありません。今のうちにエンジニア採用を積極的に行うことが事業拡大の鍵です」とのこと。今後、SIer出身者を採用するネット企業はますます増える可能性が高いと予想されます。
※データ元:2009年9月〜2010年8月までのDODA転職支援(人材紹介)サービスにおけるインターネット業界への決定者データ
ここ5〜10年でネット業界は急速なスピードで成長しています。どの企業もさらなる事業拡大を目指すには、今まで以上に幅広い技術、スキルが必要なんです。SIerで経験する要求仕様のヒアリングやプロジェクト管理をはじめとして「クライアントの要求からきっちりとシステムを創り上げる」という経験が活かされるフィールドが増えてきているのは紛れもない事実ですね。例えば、2010年6月にリリースされたGREE Platform。これはサービス自体が多くのパートナー様と連携して提供されるもの。今までのように内部で完結しない業務も格段に増えており、そういった側面でもSIerでの経験を活かせる部分が多いのではないかと考えています。実際に、グリーでも多くのSIer経験者が活躍しています。インターネット業界は、ユーザーからのレスポンスがすぐに分かるため、プロジェクトのPDCAサイクルを回すスピードが早い。そのため、企画、開発、リリース、検証をひとりでできるSIer経験者はなくてはならない存在です。
かつてネットサービスは、少人数体制&アイデア勝負で開発され、短期的なサイクルで消費される運命にあるか、巨大ポータルサイトの一機能として目立たず存在するものが大半でした。ですが近年、ネット環境の充実や技術の進歩、そしてSNSなどの盛り上がりを経て、ニコニコ動画のように継続的に人々が楽しい時間を過ごすサービスが増えています。サービス+広告モデルの時代から、サービス+コンテンツモデルの時代へ。ネットの中でコンテンツが売れる、コンテンツを楽しむ場(プラットフォーム)にお金を払って頂ける時代になったのです。そして、このような大規模なネットサービスは、継続的な改良や機能追加をしていくことでユーザーとともに大きくなっていきます。この成長を維持し加速していくためには、「組織としての開発力」を知っていて、「技術スキル」がある。そして「顧客の立場」にたち、「より上流」のことを意識して仕事に活かす。そんなSIer出身者が、今後のネットサービスの大きな支えになるのは、間違いありません。
SI出身のエンジニアがネット業界へ転職する際、企業側が転職者を評価するポイントは、大きく2つです。それは「新しいテクノロジーに興味があるか」「BtoCの視点を持っているか」ということ。背景としては、ネット業界は技術的進歩のスピードが早く、また、何万人、何十万人、何百万人という不特定多数のエンドユーザーに、サービスが支持されなければ生き残れないことが挙げられます。ですから、面接などでは、例えば、「最先端技術を勉強するため自発的に外部セミナーに参加している」「自分でスマートフォン向けアプリケーション開発をしている」「既存サービスをユーザー視点で改善したらこうなる」など実体験に基づいた自己アピールをすると、採用担当者に好印象を与えるはずです。このような志向性をお持ちの方であれば、たとえ「Linux×Java、PHP、Perl」未経験者で技術スキルが足りなくても十分に転職できる可能性があります。もちろん、ネット業界へ本気でチャレンジしたい方であれば、今から自己研鑽を積んでも遅くはありません。
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