30代で障害者雇用枠の転職を目指す際のポイントと注意点
体調面に不安があり転職をしたい、キャリアアップやキャリアチェンジを考えている、という30代の方は多いのではないでしょうか。「30代からの転職」というと不安を抱く方もいらっしゃるかもしれません。しかし一般雇用・障害者雇用にかかわらず、年齢によって転職が不利になるとは限りません。
特に30代は企業にとって即戦力となってくれるという期待が高く、ニーズの高い年齢ともいえます。ただし、転職を成功させるためにはポイントや注意点を踏まえて事前準備をしっかりと行うことが大切です。この記事では、30代で障害者雇用枠の転職を目指す際のポイントと注意点について解説します。
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目次
障害者の転職は「30~40代」「精神障害」の方が活発
平成30年に厚生労働省が発表している「労働市場分析レポート第87号」(※)によると、就職件数の比率は40代が最も高く、次いで30代が高い割合を占めており、これは一般労働者の場合も、障害者雇用の場合も同じ傾向です。また、障害種別では30代は精神障害のある方が全体の2割以上となっています。
30~40代による転職が活発となっている理由はさまざまですが、障害と向き合うことで自分にあったはたらき方ができる職場を見つけたいと考える方は多くいます。中でも「キャリアアップが目指せる職場への転職」を検討されるのが30代、40代だということが理由のひとつであると考えられます。
またそれ以外にも、大人になってから障害が発症して転職を検討する場合もあります。障害は子どもの頃から症状が現れるものだけでなく、大人になって、仕事をするようになってから診断を受ける方も増えており、これまで一般枠ではたらいていた方が障害者雇用枠へ転職するというケースも30代に多くいます。
(※)参考:厚生労働省 「労働市場分析レポート第87号」
30代の転職における傾向
転職市場において企業側のニーズが高い年代は20~30代前半といわれている一方で、近年は管理職ポジションを求めている企業や専門性の高い職種では、経験豊富なミドル層の採用ニーズも高まっています。20代は若さゆえのポテンシャルや、吸収する柔軟性が高いことが求められていますが、30代はある程度の社会経験がありつつ柔軟性も備え、即戦力となる知識・スキルを持っているかどうかを重視されます。さらに、30代の前半と後半でも企業側の見るポイントや採用の難易度は変わり、年齢が上がるにつれて転職のハードルは高くなるのが特徴です。20代と違って30代では、「未経験だが一生懸命頑張る」「どんなことにも挑戦したい」だけでは通用しません。どんな目的で転職したいのか、どのようなキャリアプランを描いているかといった、明確な目標をもって転職活動に取り組む必要があります。
30代で障害者雇用枠の転職を目指す際のポイント
ここからは、30代で障害者雇用枠の転職を成功させるために伝えたいポイントをご紹介します。
自己分析を行い、転職の軸を決める
30代で障害者雇用枠の転職を目指す際は、自分にあったはたらき方や職場の環境を把握することが大事です。特に30代では経験者や即戦略となる人材がより優遇される立ち位置となるため、これまでの経験・キャリアを棚卸ししましょう。一人だけで転職活動を行うのはなかなか難しいため、客観的な視点でアドバイスしてくれる転職エージェントを活用すると心強い味方となってくれます。
障害者雇用専門のエージェントの活用
障害者雇用枠で求人を探す方法には、ハローワーク・求人サイト・障害者雇用専門のエージェントがあります。中でも障害者雇用専門のエージェントは非公開求人も含め求人情報を豊富に取り扱っており、障害に関して専門知識のある専任のキャリアアドバイザーが求人の紹介から就業後のアフターフォローまでサポートしてくれます。
はじめて転職活動を行ったり、一人だと不安を感じたりする場合は障害者雇用専門の転職エージェントの利用がおすすめです。
dodaチャレンジは、障害者雇用に特化した転職エージェントです。障害者雇用に関する転職活動を支援し、求人のご紹介から就業後のアフターフォローまで二人三脚でサポートします。30代で転職を悩んでいるという方は、ぜひご相談ください。
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ライフプランを見据えた選択を行う
30代で転職を目指すことを決心したら、自身のライフプランを見据えて選択しましょう。30代は結婚・育児などライフステージが変化したり、年齢に伴い体力が衰えたりするものです。年収や福利厚生だけで選ぶのではなく、今後どのような人生・キャリアを歩んでいきたいかによって選ぶ企業やはたらき方を決めることが大切です。
30代で障害者雇用枠で転職するときに気を付けたいこと
30代で障害者雇用枠で転職するときは、以下の二点に気を付ける必要があります。
企業が求めるポジションとミスマッチはないか
障害者の法定雇用率は、現状の2.3%から、2024年度に2.5%、2026年度に2.7%へと段階的に引き上げられる方針で決定しています。対象事業主の範囲も変化し、これまでは従業員を43.5人以上雇用している事業主に対して適用されていましたが、2026年には従業員を37.5人以上雇用している事業主に対して適用されます。そのため、多くの企業で障害者雇用の拡大に向けて体制を整えており、障害者の転職市場はますます「売り手市場」となっています。
しかし、追い風が吹いているからといって、だれでも簡単に採用されるわけではありません。自身の希望する企業に採用してもらうためには、企業が求めていることと自分の能力・スキルがマッチしているかを見極める必要があります。転職活動を成功させるためには、しっかりと自己分析を行い、企業が求めるポジションとミスマッチがないかを判断しましょう。
転職理由の伝え方
転職する際は、必ず転職理由を聞かれます。転職回数が多いと、またすぐ辞めてしまうのではないかと思われて選考を通過できないということもあります。転職を繰り返している場合は、転職のきっかけ・理由について振り返り、内容を整理して明確な転職理由を伝えることが大事です。転職理由の伝え方が分からないという方は、履歴書添削や面接対策などサポートしてくれる転職エージェントを活用するのがおすすめです。
30代の障害者雇用枠の転職成功事例
dodaチャレンジでは、一般枠から障害者雇用枠への転職も多くサポートしています。ここでは、実際に転職エージェントサービス「dodaチャレンジ」を利用して、30代の障害者雇用枠で転職成功した方の事例をご紹介いたします。
ADHD (発達障害)/30代/総務の転職ストーリー
34歳で発達障害(ADHD) と診断されたMさんは、これまで一般枠で4社の企業を経験したのち、障害者雇用枠にて現在の仕事に就きました。人と会話をすることが好きなMさんの適性や希望にあった企業への転職が叶い、現在は資格を取得してスキルアップを目指しているとのことです。
ADHD(発達障害)/30代男性/総務の転職ストーリーの詳細はこちら
知的障害/30代/接客・サービス業の転職ストーリー
知的障害のSさんは、現在は障害のある社員が運営しているカフェではたらいています。前職では人手不足で十分な休息がとれない中で勤務していましたが、転職したことで勤務時間が安定し、やりがいをもって取り組むことができています。Sさんは初めての転職でしたが、エージェントを活用しつつ前職ではたらきながら転職活動を成功させることができ、新しい夢も見つけています。
知的障害/30代男性/接客・サービス業の転職ストーリーの詳細はこちら
不安障害/30代/システムエンジニアへの転職ストーリー
Aさんは、20代の頃に人とのかかわりの中でストレスを抱えるようになり、社会不安障害の診断を受けました。発症後、不安を抱えながらもはたらきつづけて「障害者採用枠」について知り、転職を希望するも条件にあった求人が見つけられませんでした。しかしその数年後、dodaチャレンジのキャリアアドバイザーから在宅勤務可能の求人の紹介を受けて、現在の企業と出会いました。
不安障害/30代/システムエンジニアへの転職ストーリーの詳細はこちら
LGBTQ当事者/免疫機能障害/30代/事務への転職ストーリー
Iさんは、ひきこもり、性の違和感とこれまでに悩みを抱えながらも、接客の仕事をして、自立した生活を送っていました。しかし、体調の異変を感じて病院へ行くとHIV感染症と診断され、転職活動をするために当社サービスに登録。その後、1ヶ月もかからずに内定を受け、これまでの経験を活かせるオフィスワークという新しい職種に挑戦し、現在は起業するという夢に向かって楽しく仕事をしているとのことです。
LGBTQ当事者/免疫機能障害/30代/事務への転職ストーリーの詳細はこちら
視覚障害/30代/事務への転職ストーリー
先天性の視覚障害と診断を受けたYさんは、30代になるまで自覚症状がないまま過ごしており、健康診断をきっかけに障害が判明しました。仕事で車の運転をしていましたが、障害が分かってから運転に不安を感じ、将来を見据えて安定してはたらき続けられる職場への転職を検討したのがきっかけです。障害者雇用専門のエージェントならではのメリットを活用しながら、希望する企業の内定をもらい、自身の経験とキャリアを活かして仕事に向き合っているとのことです。
30代の障害者雇用枠の転職はまだまだ可能性を広げられる
ここまでご紹介したように、30代の障害者雇用枠の転職は十分可能です。30代は企業にとって即戦力となれる経験・スキルを身につけている一方で、まだまだ可能性を広げられる成長途上でもあります。そのため、自身の強みや弱み、これまでの経歴の棚卸しを行ったうえでスキルをアピールしつつ、仕事への意欲や学ぶ姿勢を伝えることが大事です。自己分析だけでなく、第三者による客観的な意見を用いることで、自分では気づかなかった部分も知ることができます。
「転職したいが何をすればいいか分からない」「転職活動がなかなか進まない」という場合は、転職エージェントを活用してみましょう。dodaチャレンジの転職支援サービスでは求人紹介のほか、条件交渉や面接対策なども行います。障害者雇用について深く理解している専任のキャリアアドバイザーがより最適な転職を目指せるよう、心強い味方となってサポートします。30代で障害者雇用枠の転職をお考えの方はdodaチャレンジにご相談ください。
まずは、キャリアアドバイザーに転職相談を
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障害者雇用の知りたいことも
キャリアドバイザーが親身にお話をうかがいます
まとめ
今回は、30代で障害者雇用枠の転職を目指す方に向けて、転職活動のポイントや注意点について解説しました。30代だから転職は難しいということはなく、まだまだ理想のキャリアプランを実現できる可能性をもっています。自身にとって最適な職場ではたらくためには、自己分析や企業研究などしっかりと準備しておくことが大切です。
dodaチャレンジでは、障害者雇用に関する幅広い支援・サービスをご提供しています。転職活動に不安を抱えている場合や、なかなか条件の良い求人を見つけられないという場合はお気軽にご相談ください。
公開日:2024/2/2
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士