私は、30代になるまで、視覚障害があることを自覚せずに過ごしていました。前職の会社で受診した健康診断がきっかけで、先天性の網膜色素変性症であることが分かりました。それまで日常生活で支障はなかったので気づきませんでしたが、確かに「夜になると物が見えにくい」と感じることはありました。それは、網膜色素変性症の症状の一つであり、そのほかに視野欠損があることもその時初めて分かりました。視力がある程度あったので、通常の眼科健診で発覚することがなかったんです。
当時、私は医療機器の病院向け営業をしていて、仕事で日常的に車の運転をしていました。しかし、視覚障害があると分かってからは、運転することが不安でたまりませんでした。また、網膜色素変性症は指定難病対象で、進行性の病気です。将来的に失明する可能性もあるので、車の運転の必要がなく、長期的に安定した環境ではたらくために、障害者手帳を取得して障害者枠での転職を考えるようになりました。
「コロナ禍でも不利ではない」のアドバイスで転職活動に踏み切る
まず、私が行ったことは、障害者採用に関する情報収集です。そのために、障害者専門の転職エージェントをリサーチし、dodaチャレンジに登録しました。コロナ禍でもあったので、企業の中途採用状況を踏まえた上で、転職活動時期を見極めることも大事なポイントだと捉えていました。
dodaチャレンジのキャリアアドバイザーとの最初の面談では、障害者採用に関する支援内容と求人市場における的確な情報を提供して下さり、実績も豊富だったことから、信頼できる方だと安心しました。私が、「コロナ禍での転職活動は不利ではないのか?」と質問したところ、「コロナ禍で採用できる会社は、余力・体力のある会社なので、安心できる企業と考えられる」という回答でした。それは一理あると納得したので、さっそく企業の情報収集を始めることにしました。
私は、仕事を続けながら転職活動を並行していたので、焦らず、時間をかけてじっくり進めることにしました。登録してから1~2ヶ月は、キャリアの棚卸しをしながら職務経歴書を作成し、希望条件の整理など転職活動に必要な準備に時間をかけました。準備できた後は、具体的な求人紹介をしてもらったり、私自身も気になる企業を調べるなど情報収集に1~2ヶ月。実際に求人に応募し始めてから1~2ヶ月で転職先が決まりました。