視覚障害/20代女性/人事部への就職ストーリー

視覚障害の方の就職体験談視覚障害の方の就職体験談

より多くの就職・求人情報が必要――。コロナ禍の就活、大きな転機となった障害者専門の就職支援サービスの利用

S.M.さん 20代 視覚障害(身体障害)

就職活動期間
1年(dodaチャレンジ登録後2ヶ月)
新卒入社
保険業界 人権啓発・ダイバーシティ推進室

就活を意識し始めた大学1年から就労移行支援事業所へ

私が就活を意識するようになったのは大学1年生のときです。将来に向けてパソコンスキルを習得しようと考え、視覚障害専門の就労移行支援事業所に通い始めました。パソコンは盲学校のときから使用していましたが、ビジネスで役立つレベルではなかったので、就労移行支援事業所でWord、Excelを身に着け、ビジネス文書の作成ができるまでになりました。また、パソコンスキルは、大学のレポート作成にも活かせたので、早めに勉強を始めて良かったと思います。

大学では日本文化を専攻しました。9歳の頃から続けている琴と三味線がきっかけで、日本文化をより深く学びたいと思うようになったからです。日本文化を知ることで、国際交流にも興味が広がっていき、充実した学生生活を送ることができました。

大学のキャリアセンターに相談し就活開始

具体的な就職活動は、他の学生と同じく3年生でスタートしました。意識して取り組んだことは、自分の長所は何か、自己PRでは何を伝えれば良いかなどを、自分ひとりで考えるのではなく、キャリアセンターのアドバイザーに相談しながら進めていくことでした。プロの客観的なアドバイスはとても参考になりました。

しかし、大学では、障害のある学生向けの求人情報はそれほど多くありませんでした。キャリアセンターでは障害者採用枠での就活支援経験が少なかったようで、親身に相談にのっていただけましたが、具体的な活動方法については情報が足りないと感じました。より多くの求人を求め、大学に頼りきりではなく、自分自身でも情報収集をしはじめるようになりました。そのような中、コロナウイルスによるパンデミックが起こりました。

コロナウイルス感染拡大――内定ゼロで感じた不安

どの企業も採用活動が滞ってしまい、このまま就活がどうなっていくのか、就職できるのかなど大きな不安と焦りを感じました。誰もが初めて経験する事態ですので、誰に相談すれば的確なアドバイスをしてもらえるのかさえ分かりません。模索しながら就活を進め、大学4年生の6月時点で、化粧品会社、マスコミ、物流など様々な業界にエントリーし、面接に進んだ企業が3社、内定はゼロでした。

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障害のある学生の就活こそ、障害者専門の就職支援が必要

就活をして分かったことがあります。たとえ、新卒採用で障害者採用枠があったとしても、障害の内容と、企業が想定する業務との相性が合わないと、内定に至らないということです。これは、面接に進んで始めて分かったことで、企業のホームページや採用情報には記載されておらず、エントリーする前に知ることが難しい情報でした。このことをはっきりと認識したことで、視覚障害のある私が、自分ひとりで納得のいく就活をするには限界があると感じ、就活の方法を切り替えようと思いました。

dodaチャレンジに登録し、紹介された企業は50社

そこで、「障害者 就職」で検索してヒットしたのが、dodaチャレンジです。障害者専門の就職支援サービスなら、新しい情報があるかもしれないとの思いで登録しました。登録後すぐに、キャリアアドバイザーの方からお電話を頂きました。大きな不安と焦りでいっぱいだったときなので、すぐにお電話をいただけたことは、心から嬉しくほっとした気持ちになりました。

そのお電話で希望条件などを丁寧に聴いて下さり、全部で50社ほどの企業を紹介してくれました。それまで私が10ヶ月間、一生懸命に情報収集した企業数に及ばない数です。PDFで求人情報を送って下さり、私はすべての企業を、音声読み上げソフトを使って確認しました。50社を確認するには、丸一日がかりです。どの企業も私の可能性を広げてくれる企業だと思い、全ての求人にエントリーすることにしました。担当のキャリアアドバイザーに伝えると、「はい、分かりました!」と全てのエントリー手続きをしてくれました。視覚障害がある私が50社にエントリーするとなると、きっと何日もかかってしまったと思います。

障害者である前に私自身を理解してくれたのが現職の会社

そのうち面接した会社は5社で、いずれも大手企業でした。現在勤める当社は、面接の段階から強く印象に残っています。これまで面接してきた会社は、障害についての質問ばかりでしたが、当社の面接は、私自身のことをきめ細やかに丁寧に知ろうとしてくれたんですね。大学時代に力を入れたことや自己PRなどを聞いてくれました。まず私を理解しようとする対応が嬉しかったです。面接の最後に、障害があることで必要な配慮についての質問があり、音声読み上げソフトのアプリを入れて欲しいとお願いしました。

入社後、私は人事部ダイバーシティ室に配属され、人権、ノーマライゼーション、LGBT、ジェンダーギャップ解消などに配慮した、多様性のある会社・社会の実現に向けた業務に取り組んでいます。日々のルーティンは、文書作成、ダイバーシティに関する教育資料の貸し出しなどの管理業務に加えLGBTや女性活躍推進に関する調査研究を行っています。また私がはたらいて気づいた視点、例えば段差があることで困ったなど、改善の余地がある設備面や環境面を会社に伝えることも私の役目の一つだと認識しています。社会人1年目なので、できることはまだ多くありませんが、今自分にできることや与えられた業務を全うして、早く一人前になりたいと思います。

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メッセージ

dodaチャレンジは、新卒の就活支援もしてくれますので、学生に積極的に活用してもらいたいですね。障害のある学生は、自分の障害の特性に応じた就活が必要なのですが、一般の大学のキャリアセンターでは障害者特有の就活支援をできないことが多いですし、障害者採用の新卒求人も多くはないと思います。dodaチャレンジの強みは、圧倒的な情報量です。また障害の種類や特性を理解しているキャリアアドバイザーのサポートはとても心の支えになります。就活は初めてのことばかりで不安になることも多いと思いますが、情報収集や準備は余裕をもって整え、安心して思い切り学生生活を送ってくださいね。

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