アメリカの大学を卒業後、しばらくインドではたらいていた私は、日本に帰国後、製薬会社に就職しました。インド法人傘下の日系企業で、私のインドでの就業経験や英語力が評価され、経営企画部に配属されました。担当業務は、親会社のインド法人との架け橋として、予算管理や予算立案、稟議書の翻訳など経営中枢に関わるもので、海外出張も多くありました。これらの業務は私の代わりにできる社員がいなかったので、責任がある立場にいました。また、日本とインドの時差があるため、早めの出勤や遅くまで仕事することが増え、当時は残業が月100時間を超えるようになっていました。多忙な日々を過ごした3年後、自分でも体調に変化を感じるようになりました。何をするにもやる気が出ず、病院に行くと自律神経失調症と診断されました。しかし、医師から処方された自律神経失調症の薬で症状は良くならず、8ヶ月間、休職することになったんです。復職後は、コピーを取ったり簡単な事務ワークに従事しましたが、続けることが困難となり退職するに至りました。
転院先で双極性障害と診断
退職後、改善するどころか、さらに症状は悪化し、外に出たり人と話すことが怖くて家に籠もるようになりました。そのような状態が1年ほど続いたのち、担当の医師から「私にはどうにもできない。病院を変えては?」と、治療を放棄されてしまいました。大きな不安の中、役所に相談したり、インターネットで検索したりして、精神科専門の大きな病院にたどりつき、そこで「双極性障害」と診断されました。
正しい治療と薬が処方されるようになって、状態は徐々に良くなり、社会復帰する意欲も芽生えてきました。院内には、たくさんの就労支援施設があり、いろいろ見学した中で、スタッフの印象が良く、施設の雰囲気が自分に合った就労移行支援事業所に通所することにしました。治療と社会復帰の両立がしやすい大病院に転院して本当に良かったと思います。