インターンシップ&オープン・カンパニーガイド|よくある疑問やマナーをQ&Aで紹介
初めてインターンシップやオープン・カンパニーに参加する場合、さまざまな疑問が出てくることでしょう。あらかじめ分からないことや不安を解消しておけば、自信を持って挑めるはずです。
そこで本ページでは、インターンシップやオープン・カンパニーによくある悩みをQ&A形式でまとめました。申し込みの前・後および終了後の3つのカテゴリーに分け、疑問・質問に回答します。これから応募・参加を予定している方必見です!
目次
インターンシップやオープン・カンパニー申し込み前に関するQ&A
まずは、インターンシップやオープン・カンパニーの申し込み前によくある疑問・質問とその回答です。
Q:インターンシップとは何ですか?
A:就活生が就職活動の一環として企業や職業について興味・理解を深めるための体験型プログラムです
インターンシップの類型は「汎用的能力・専門活用型」と「高度専門型」の2種類があります。それぞれ対象やプログラムの内容、実施期間などが異なりますが、いずれも就業体験が必須です。
プログラムの具体例として、職場での実務体験やグループワーク、社内ツアーなどが挙げられます。参加者は企業独自のプログラムの中で、自らの適性や現場の雰囲気など身をもって確認することが可能です。またプログラムによっては、参加および所定の業務に従事したことへの対価として給料が支給される場合もあります。
Q:オープン・カンパニーとは何ですか?
A:業界・企業の情報提供およびPRを目的とする職業体験を伴わないキャリア形成支援プログラムです
2025年卒の採用活動からキャリア形成支援プログラムの定義が4つの類型へと見直され、インターンシップと明確に区別されるようになりました。そのうちの一つがオープン・カンパニーであり、簡単にいうとオープン・キャンパスの企業版です。
オープン・カンパニーでは、説明会や交流会などの各種イベントを通し、学生の業界に関する知識・情報の取得や企業・業務内容に対する理解を促します。実地のほか、オンラインや動画配信で開催されるイベントもあり、居住地や時間、学業のスケジュールなどにかかわらず参加できるよう配慮されています。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーとアルバイトはどう違いますか?
A:参加の目的や体験できる内容が異なります
アルバイトは、はたらいて給料を稼ぐことが主な目的です。従事する中で仕事に関する知識・スキルや自己理解が深まることもありますが、アルバイトでの就業はあくまでも収入を得るための手段でしかありません。
一方、インターンシップやオープン・カンパニーは、企業や業界への理解促進が第一目的です。企業によっては、優秀な参加者を早期に囲い込むという狙いもあるでしょう。
そのため、インターンシップやオープン・カンパニーのプログラムは、企業全体および社員と同じ立場で現場の雰囲気が体感できるように設計される傾向があります。自分らしい働き方や今後のキャリア形成など、将来的な視点も踏まえて適性が判断できるでしょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーは誰を対象としていますか?
A:プログラムによっては学年・年次などが限定されています
インターンシップは、主に卒業・修了年次またはその前年次の学生を対象としているケースが大半です。長期のインターンシップだと、1年次や2年次の学生を対象にしている場合もあります。また一般的に、汎用的能力・専門活用型のインターンシップは大学の3年次〜4年次、高度専門型では大学院の修士もしくはその上の博士課程の学生全般が対象です。
対して、オープン・カンパニーは、参加に際して条件・資格が不問のプログラムも少なくありません。
とはいえ、企業・プログラムごとに参加条件が異なります。詳細は、当該プログラムの募集要項を必ず確認してください。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーに参加するメリットは何ですか?
A:企業理解が深まり、採用後のミスマッチや早期離職が防げます
インターンシップやオープン・カンパニーは、社内・現場の雰囲気や、実際の働き方などが身をもって学べる絶好のチャンスです。企業の文化や風土が、自らの適性や職業観およびやりたいことなどとマッチするかどうかを事前に確認しておくことで、今後の就活の軸が固まるきっかけにもなるでしょう。
また心身に障害がある方の場合、合理的配慮の観点から向き不向きがチェックできるまたとない機会です。ストレスなくはたらけることをあらかじめ確認しておけば、就職後のミスマッチやそれに伴う早期離職を防ぎ、長期的に満足のいくキャリアが築けるでしょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーの実施期間はどれくらいですか?
A:企業やプログラムによってさまざまです
なお、インターンシップの実施期間は、最短でも5日以上と定められています。長期のプログラムだと2ヶ月以上になることもあるため、目的に応じて選択することが大切です。
一方、オープン・カンパニーの実施期間には特に規定がありません。基本的には、数時間〜1日以内で実施するケースが大半です。短期であることにくわえ、オンラインや動画などで実施されるプログラムもあるなど、気軽に参加しやすいよう配慮されています。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーの情報はどこで確認できますか?また障害者雇用向けのプログラムはありますか?
A:企業サイトや大学・専門学校などの就職課およびキャリアセンターのほか、専門の情報提供サービスから探せます
最もポピュラーなのは、学校等の就職課・キャリアセンターまたは専門の情報提供サービスで紹介されているプログラムから探す方法です。障害者雇用を前提とするプログラムは、障害がある方向けの専門サービスを利用しましょう。インターンシップやオープン・カンパニーの情報が集められるほか、書類作成や面接のコツも学べて一石二鳥です。
また、企業によってはインターンシップやオープン・カンパニーの情報を公式サイトもしくはSNSなどに掲載している場合もあります。
Q:複数のインターンシップやオープン・カンパニーへ同時に応募できますか?
A:一度に複数のインターンシップやオープン・カンパニーへ申し込めますが、期間の重複に注意しましょう
一般的に、インターンシップやオープン・カンパニーの応募数に制限はありません。そのため、同じタイミングで複数社に申し込むこと自体はまったく問題ないのですが、その中には日程が被っているプログラムもあるでしょう。
もし選考に通過したとしても、日程が重複している場合はいずれかのプログラムを辞退するしかありません。あらかじめ優先順位を明確に定めておき、すみやかに意思決定ができるようにしておきましょう。特に、複数の長期のプログラムへ同時に応募する際は、それぞれのスケジュールに注意してください。
Q:障害に応じた配慮を企業へ事前に伝える方法はありますか?
A:応募時に申込みフォームや提出する書類などへ記載しておくとよいでしょう
インターンシップやオープン・カンパニーへのエントリー時にあらかじめ必要な配慮事項を伝えておけば、スムーズに理解してもらいやすくなります。配慮の内容によっては準備に時間がかかる場合もあるため、できる限り事前に通知しておくほうがよいでしょう。
配慮の必要性をあとから伝えるときは、すみやかに担当者へメールでその旨を連絡してください。重要な事柄を直前に伝えるのはマナー違反なので、極力早めに伝えるよう注意しましょう。
なお、連絡事項を電話で伝える方法もありますが、先方の都合を考慮すると、特に指定がない場合は避けるほうが無難です。
インターンシップやオープン・カンパニー申し込みについてのQ&A
次に、インターンシップやオープン・カンパニーの申し込みについてよくある疑問・質問とその回答です。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーで学びたいことや志望動機はどう書けばよいですか?
A:プログラムの狙いに応じて、自分が何を得られるかを考えてみてください
インターンシップやオープン・カンパニーに応募するときは、多くの場合、ES(エントリーシート)や面接などで学びたいことや志望動機を尋ねられます。選考があるプログラムの場合、回答した内容が結果を左右することもあるでしょう。
参加の動機は興味だけでも十分ですが、プログラムごとの狙いを踏まえてきちんと考えてから回答することで、意欲や熱意が伝わりやすくなるはずです。どのようなことを学びたいのかなどの目的意識を明らかにして、説得力のある志望動機を考えましょう。
志望動機の書き方は、まず結論から先に述べるのがコツ。そのうえで、参加を希望する理由や背景、自己PRという順で続けます。志望動機の例文を以下に記載しているので、企業や業界・業種に応じて調整しながら、自分だけの志望動機を考えてみてください。
インターンシップやオープン・カンパニーの志望動機の例文:
このたび、上質な商品・サービスを展開する貴社に大きな魅力を感じ、インターンシップ(オープン・カンパニー)への参加を志望いたしました。
私は将来、人に感動を与える仕事がしたいと考えております。なかでも、斬新な発想でものづくりを行う貴社の文化や風土、社員教育の方向性などに興味を抱き、ぜひこの機会に学びたいと考えた次第です。
インターンシップ(オープン・カンパニー)を通し、企画が生まれる現場や、実際にはたらいている社員の方々のやりがいなどを直接お伺いしたいと考えております。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーの参加前に質問がある場合はどうすればよいですか?
A:メールで問い合わせてみることをおすすめします
内容を事前に確認してから送信できるため、電話のように伝えそびれや聞き漏らしの心配が少なく、連絡のタイミングなどへの配慮も基本的に不要です。
ただしメールでの連絡は、時間に余裕がある場合に限ります。直前の体調不良による欠席の連絡など、緊急の際はメールではなく電話で連絡しましょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーで私服を指定された場合の服装はどうすればよいですか?
A:職場ごとに適した服装・髪型を心がけてください
インターンシップやオープン・カンパニーに参加するときの服装はスーツが基本です。しかし、企業やプログラムによっては私服が指定されることもあります。どうしても不安ならスーツを着用しても構いませんが、原則として指示に従いましょう。
インターンシップやオープン・カンパニーに適した私服は、ジャケットや襟のあるトップスなどのビジネスカジュアル。清潔感のある髪型にし、ヘアカラーをしている場合は落ち着いた色がおすすめです。ラフ過ぎる服装・身だしなみは避け、あくまでも仕事をする場にふさわしい服装・身だしなみを心がけましょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニー参加中にかかる諸費用は自己負担ですか?
A:プログラムによっては給与や交通費・食費などの補助が支給される場合があります
プログラムによって異なりますが、基本的に実施期間が長期だと有償、短期のインターンシップや実務のないオープン・カンパニーは無償の場合が多い傾向にあります。また支給される内容も、給料や交通費・食費の補助などさまざまです。支給の条件が定められていることもあるため、必ず事前に募集要項をチェックしてください。
Q:希望するインターンシップやオープン・カンパニーに参加できないケースはありますか?
A:応募に際して条件・制約のあるプログラムの場合、選考結果によっては参加できません
インターンシップやオープン・カンパニーへの応募の際は、人数や場所などの制約により、選考が入る場合があります。オンラインや単日などのプログラムは、より多くの参加者を募りたいという狙いから、参加制限が設けられていないケースが大半です。対して、長期のインターンシップや人気企業のプログラムでは、選考で人数を絞ることも少なくありません。
なお選考方法は、ES(エントリーシート)や適性検査、面接などが一般的です。選考の有無や方法などの詳細は、募集要項や担当者からの連絡内容を確認してください。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーへの参加はその後の就職活動にどう影響しますか?
A:自己分析や興味の幅を広げるきっかけになります
インターンシップやオープン・カンパニーは、自らの適性や今後のキャリア形成を考えるよい機会です。実際の現場や雰囲気を学ぶことで、これまで抱いていた仕事観や業界・業種へのイメージが一変することも珍しくありません。
各プログラムに真剣に取り組む中で、自己分析が深まったり、興味の幅が広がったりすることもあるでしょう。また数多くのプログラムに参加すれば、たくさんの新たな人脈が獲得できるかもしれません。やりたい仕事が決まっている方はもちろん、まだ方向性が定まっていない方も、ぜひ積極的に参加することをおすすめします。
学業などの都合から、インターンシップやオープン・カンパニーへの参加が難しい方もいるでしょう。しかし、長期・短期のほか、オンラインや動画配信など多彩な実施期間・方法のプログラムがあるので、ぜひチェックしてみてください。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーへの参加を辞退したい場合はどうすればよいですか?
A:すみやかに電話かメールで辞退の旨を連絡しましょう
日程の重複や諸事情によりインターンシップやオープン・カンパニーへの参加が難しい場合は、辞退することが可能です。無断での欠席は、絶対にやめてください。参加人数の調整などの兼ね合いもあるため、辞退する際は必ず応募先の企業へ連絡するのが社会人としての最低限のマナーです。
辞退の意思を固めたら、選考の段階にかかわらず、できる限りすみやかにその旨を連絡する必要があります。実施日までまだ余裕があるときや指定がある場合は、メールで連絡しても構いません。ただし、当日・前日などの緊急時や、辞退メールへの返信がない場合などは、電話で連絡しましょう。
インターンシップやオープン・カンパニーの終了後に関するQ&A
続いては、インターンシップやオープン・カンパニーの終了後によくある疑問・質問とその回答です。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーへの参加は採用と関係ありますか?
A:企業やプログラムによって異なります
企業は、インターンシップで知り得たさまざまな情報を、自社の採用活動で利用できることが定められています。ただし、本採用の選考におけるインターンシップの位置付けは、企業によってさまざまです。
採用とは無関係としているケースが多い傾向にあるものの、中には6ヶ月以前の早期選考のプロセスや応募の条件にインターンシップの参加を組み込んでいる企業もあります。また、長期インターンで優秀だと認められた場合、本選考のステップが免除されるなど、内定の近道になる場合もあるようです。そのため、志望する企業のインターンに関する情報は、必ずチェックしておきましょう。
一方、オープン・カンパニーで得た学生情報は、採用活動に利用されることはありません。あくまでも情報提供およびPRを目的として開催されるプログラムなので、気軽に参加してみましょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーの終了後にはお礼状やお礼のメールを送るべきですか?
A:参加後にフォローアップすれば印象アップにつながります
就活においては、細やかなフォローも内定を獲得する作戦の一つです。インターンシップやオープン・カンパニーに参加したあとお礼の挨拶をすれば、先方へ感謝の気持ちが伝わります。また、仕事に対する熱意やプログラムから得た学びを今後どう活かすのかなど自らの考えを改めて伝えることで、良い印象がより強化できるでしょう。
お礼の伝え方には、お礼状とメールの2通りの方法があります。どちらでも構いませんが、より丁寧なのはお礼状、スピード感や確認のしやすさを優先するならメールがおすすめです。
お礼状もしくはお礼メールを出すタイミングは、参加当日がベストです。時間が経ってから出すと印象が薄れてしまうため、遅くとも実施の翌日までに送付しましょう。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーで先輩社員とランチや飲みに行く場合はおごってもらってもよいですか?
A:固辞する必要はありません
インターンシップやオープン・カンパニーでの食事会や飲み会に誘われた場合、その参加費用は基本的に自己負担です。しかし、もし先輩社員から支払いの申し出があった際は、固辞すると失礼に当たるケースもあるため、好意に甘えても構いません。
ごちそうになったときは、必ずその場で丁寧にお礼を言いましょう。そのうえで、相手のメールアドレスを聞いておき、インターンシップ終了後に改めて感謝の気持ちを指導のお礼も含めて伝えるとより好印象です。
Q:インターンシップやオープン・カンパニーに参加した後のキャリア相談はどこで受けられますか?
A:大学・専門学校などの就職課・キャリアセンターや、就活・就職エージェントにご相談ください
インターンシップやオープン・カンパニーの終了後、その経験を振り返ることで、今後の仕事選びに役立ちます。結果として面白くなかったり、興味が持てなかったりしても大丈夫。振り返りから自らの適性や志向、今後の方向性を考えるヒントが得られるはずです。キャリアアドバイスのプロとじっくり相談して、インターンシップやオープン・カンパニーで学んだことを振り返ってみましょう。
就活やキャリア形成に関する相談は、大学・専門学校の就職課もしくはキャリアセンターなどで受け付けています。障害のある方の就職については、ぜひ「dodaチャレンジ」へご相談ください。
障害のある方の就活に関するご相談はdodaチャレンジへ!
インターンシップやオープン・カンパニーは、今後のキャリアや就活の方向性のヒントが得られる貴重な場です。気になるプログラムがあれば、日程に注意しながら、どんどん応募してみてください。なお、プログラムの対象や実施期間はそれぞれ異なりますが、応募・参加に際しての基本的なルールは変わりません。応募の際は、募集要項をしっかりチェックしたうえ、誠実な対応を心がけましょう。
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公開日:2024/12/11
- 監修者:入口 聖徳(いりぐち きよのり)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部
新卒支援グループマネジャー -
- ■国家資格キャリアコンサルタント
大手ブライダル業界、外資系生命保険での営業、高齢者向けのベンチャー企業での営業を経て、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース株式会社)に入社。dodaチャレンジのキャリアアドバイザーとして身体障害のある方や未経験職種へのキャリアチェンジなどご支援実績多数。現在は新卒学生専門の就職支援グループのマネジャーとして同領域のマネジメントやプロジェクト推進に関わっています。