難聴で障害者手帳を取得したい方へ|申請メリット・聴力基準や申請手順を解説

耳に手をあてている女性のイメージ

難聴と診断されて、「障害者手帳は取得できるのか」「対象となる聴力レベルはどれくらいか」など、お悩みではありませんか。障害者手帳を取得することで、医療費助成や税制上の優遇、障害者向けの就労支援などを受けられます

本記事では、難聴における障害者手帳の認定基準(デシベル数)や申請方法、転職・就職時に利用できる支援について分かりやすく解説します。

難聴で障害者手帳は取得できる?

難聴には聴力のレベルに応じてさまざまな段階があり、一定以上の難聴がある場合は障害者手帳の交付対象となります。まずは難聴と障害者手帳について知っておきたいポイントを解説します。

障害者手帳とは

障害者手帳とは、身体や精神などに障害がある人に交付される公的証明書で、「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳(愛の手帳)」の3種類があります。難聴の場合は「聴覚障害」として条件を満たすことで、身体障害者手帳が交付される仕組みです。手帳を取得することで、医療・福祉・税制・就労など幅広い支援制度が利用できます。

難聴が障害者手帳の対象になる理由

聴覚は生活において極めて重要な身体機能です。一定以上の聴力低下がある場合、日常生活や就労など社会生活をするうえで重大な制限が生じるため、支援制度の一環として障害者手帳の交付対象となっています。

難聴による障害者手帳の認定基準

難聴で障害者手帳の取得を検討する際は、まずは認定基準について確認しておきましょう。

等級ごとの聴力基準

厚生労働省の「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号)」によると、次の基準を満たす場合に難聴で障害者手帳が交付されます。

障害等級 聴力基準
2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの
3級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級 両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
6級 両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの(40センチメートル以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
一側耳の聴力レベルが90デシベル以上で、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの

なお、聴覚障害では障害者手帳1級・5級・7級の区分は存在せず、障害等級2級が最も重くなります。

難聴のデシベル(dB)の目安

日本聴覚医学会の「難聴(聴覚障害)の程度分類について」によると、難聴の程度区分は次のとおりです。

難聴の程度 聴力レベル
軽度難聴 25デシベル以上40デシベル未満
中等度難聴 40デシベル以上70デシベル未満
高度難聴 70デシベル以上90デシベル未満
重度難聴 90デシベル以上

このうち身体障害者手帳の対象となるのは、前述したように両耳の聴力レベルが高度難聴である70デシベル以上、もしくは一側耳の聴力レベルが重度難聴の90デシベル以上などの条件を満たす場合です。

難聴により生活や就労に支障が生じている

前述した聴力レベルに加えて、日常生活や就労など社会生活への支障も認定基準となります。例えば、補聴器を使わないとコミュニケーションが難しい場合や、聴力の問題で一般的な業務の遂行が困難な場合などです。なお、聴力レベルは裸耳(補聴器なし)の状態で判定されるため、補聴器で聞こえていても聴力レベルの基準を満たせば障害者手帳は取得できます。

難聴のある人が障害者手帳を取得するメリット

掌に補聴器を置いているようなイメージ

難聴のある人が障害者手帳を取得することで、次のようなサポートが受けられるため、経済的・心理的な不安軽減に役立ちます。

補聴器購入の助成

障害者手帳を取得することで、補装具費支給制度の対象となり、原則として自己負担1割で補聴器を購入できます。難聴のある方にとって補聴器は必需品ですが、高額で負担が大きいため経済的に心強いサポートになるでしょう。

税金の控除

障害者手帳を取得することで、次のような税制上の特例措置が受けられます。

  • 所得税の障害者控除
  • 住民税の障害者控除
  • 相続税の障害者控除

また、自治体によっては自動車税の減免措置が受けられる場合もあります。

交通機関の割引

次のような交通機関で障害者割引も利用できます。

  • JR各社・私鉄各社の運賃割引
  • バス・タクシーの割引
  • 航空運賃の割引

ただし、障害者手帳の等級や交通機関によって、障害者割引の有無や割引額は異なる点に注意が必要です。

障害者雇用での就労が可能になる

難聴で障害者手帳を取得することで、障害者雇用枠で就労できるようになります。障害者に対する「合理的配慮」の提供は、原則としてすべての企業に義務付けられていますが、障害者雇用では配慮内容が明確で、職場の理解も得やすい傾向があります。

例えば、テキスト主体の連絡方法や文字起こしツール、発言のサポートとなる読み上げツールの使用などにより、難聴があってもはたらきやすい環境が手に入るでしょう。聴覚障害のある方が仕事で抱える悩みや、仕事探しの注意点については次の記事も参考にしてください。

難聴のある方が障害者手帳を申請する方法・手順

難聴で障害者手帳を申請する際は、次のポイントを確認してから手続きを進めましょう。

申請に必要なもの

障害者手帳の申請時は次のものを準備する必要があります。

  • 医師の診断書・意見書
  • 申請書
  • 顔写真
  • 本人確認書類

医師の診断書・意見書は特に重要です。診断書・意見書は、自治体指定の「耳鼻咽喉科判定医」に作成してもらう必要があり、難聴のある方の場合は聴力レベルや症状などが記載されます。

具体的な申請手順

難聴がある方の障害者手帳の申請は、次の手順で行います。

 1. 自治体の窓口に申請の相談をする
 2. 自治体指定の耳鼻科で診断を受ける
 3. 必要書類や診断書を用意する
 4. 市区町村の窓口で申請手続きを行う
 5. 審査・認定後に手帳が交付される

まずは自治体の窓口でご自身の状況を説明し、障害者手帳が交付される可能性があるか、診断書の様式や必要書類などについて確認しておくと良いでしょう。必要書類を提出したら審査が行われ、申請内容に問題がなければ通常1~2ヶ月で障害者手帳が交付されます。身体障害者手帳の詳細については、次の記事も参考にしてください。

難聴のある方の転職成功ストーリー

現在の職場で業務内容の調整を行ってもらうなど、はたらくうえで配慮を申し入れても困りごとが解消できない場合は、障害者向けの転職支援サービスを活用してみましょう。障害者雇用専門の転職・就職エージェント「dodaチャレンジ」では、難聴のある方がはたらきやすい転職・就職先をご紹介しています。dodaチャレンジで転職に成功した方の事例を参考にしてみてください。

適切な配慮がある環境への転職で年収100万円アップ

社会人になってから徐々に耳が聞こえづらくなったAさんは、人工内耳を埋め込む手術をしたものの、複数人が集まる場面での会話などで困難を抱えていました。そこでdodaチャレンジに登録し、適性や配慮事項などのアドバイスを得ながら転職先を探しました。

転職に提示した配慮事項は、「電話対応できない」「会議はオンラインツールを使用」「話しかけるときは先に名前を呼ぶ」などです。必要な配慮を明確化することで、Aさんは安心してはたらける職場環境を手に入れました。

障害者雇用枠で憧れのデザイナーになる夢を実現

先天性の聴覚障害があるBさんは、大学でデザインについて学びましたが、就職活動に課題がありました。そこで、障害をオープンにして自分らしくはたらける仕事を探すために活用したのが、障害者雇用に特化したdodaチャレンジです。障害への配慮に理解がある企業を選び、不安だった面接も練習を重ねて対策することで、憧れのデザイナーとして活躍できるようになりました。

難聴のある方の転職・就職は「dodaチャレンジ」にご相談ください

男女のキャリアカウンセラーのイメージ

難聴のある方は、聴力レベルや症状の認定基準を満たすことで、障害者手帳を取得することができます。障害者雇用での就労も可能となるため、はたらく環境や仕事でお悩みの方は、プロの転職・就職エージェントの活用をご検討ください。

dodaチャレンジ」では、難聴のある方の転職・就職支援実績が多く、転職・就職活動のサポートも手厚く受けられます。また、障害特性や適性に合った仕事の紹介、今後のキャリア形成などについても、キャリアアドバイザーに相談可能です。「転職・就職先で難聴への配慮が受けられるか不安」「適性に合った仕事の探し方が分からない」という方は、ぜひこの機会にお問い合わせください。

公開日:2026/6/10

監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■障害者職業生活相談員
  • dodaチャレンジで、専任のキャリア
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