アスペルガー症候群(発達障害)/30代男性/事務職の転職ストーリー

自分の特性を理解してくれる、はたらきやすい職場へ

M.H.さん 30代 アスペルガー症候群(発達障害) 精神 (仙台)

転職活動期間
3ヶ月
前職
事務職(メーカー)
現職
事務職(保険会社)

小学生の頃から感じていた「人との違和感」

私がアスペルガー症候群の診断を受けたのは、24才のときでしたが、小学校の高学年頃から、人づきあいが難しいと感じていました。1対1で話をするのは、それほど大変ではないのですが、3人以上集まると会話の中にどう入ったらいいか困ったり、友達と話をしていても話題に苦労したりしました。中学のときは、卓球部に入って打ち込みましたが、高校は帰宅部で、ゲームをするなど一人で時間を過ごすことが多かったです。商業高校だったので、ビジネスで使えるExcelを勉強したり、今の仕事にも役に立っていますね。

大学ではメディアやマスコミ関係を学びました。最初は自宅から通っていましたが、家族が仙台に引っ越したこともあり、途中から一人暮らしを始めました。人とのコミュニケーションが苦手だったことから、買い物やアルバイトなどでつらいと感じることもありましたが、時間を自由に使える心地よさはありましたね。

1次面接ですべて不合格だった就活、そして親の紹介で就職

大学3年になって就職活動のため就職課に相談し、サポートをしてもらいました。しかし、エントリーした20社全ての企業が1次面接で不合格。当時は、発達障害の診断を受けていませんので、東京で一般採用枠での就職活動をしていました。行き詰まった状況を見かねた父が、勤務先のグループ会社を紹介してくれ、その縁で、メーカーの設備会社に入社することになりました。

1つに集中できず仕事でミスも。社会人1年目にアスペルガー症候群と診断

入社してすぐに、仕事をうまく進めることができず悩みはじめました。例えば、ある仕事の作業中に他の業務のことが気になって別のことをやり始め、結果的に期日に遅れたり、大事な業務を忘れてしまったり、上司への報告では、出来事やニュアンスを正確に伝えられず、大きな問題に発展してしまったこともありました。

「なぜ、周りの人にできることが、自分はできないのか」、「発達障害なのではないか」と思うようになり、病院を受診することにしました。何度か通院しIQテストなどの結果から、発達障害のアスペルガー症候群と診断され、「やっぱりな」という納得感がありました。家族も「障害がある自分」をすべて受け容れてくれたので、安心しました。会社の責任者にも、アスペルガー症候群であるという診断結果を伝えましたが、その時は特別な対応はありませんでした。2011年当時の社会は、まだ発達障害やアスペルガーなどの理解が浸透していなかったんですね。私も障害者手帳を取得することなく、障害者雇用にも切り替えずに、一般枠の雇用のまま、8年間はたらき続けました。

アスペルガー症候群の方の転職体験談アスペルガー症候群の方の転職体験談

30代で障害者手帳を取得し、転職活動へ

入社2年目のとき、東日本大震災が起こり、その影響で実家のある仙台へ異動になりました。仙台勤務を続けてしばらくして、仕事が忙しくなって体力的に負荷が大きくなったことに加え、30才を迎え、自分の実力ではたらきたいと強く思うようになり、「転職」について考えるようになりました。「父のコネで就職した」ことが重荷になっていました。

障害者採用枠で転職しようと、2019年1月にアスペルガー症候群3級の障害者手帳を取得し、インターネット検索で、「障害者 転職」と情報を探し始めました。そして検索結果で出会ったのがdodaチャレンジでした。

さっそく、キャリアアドバイザーから、仙台で行う合同面接会に参加してみないかと案内をいただきました。1度に複数社の面接が受けられる合同説明会は、在職中で忙しかった私には好都合でしたし、大手企業や大手グループ企業が中心だったことも希望を感じました。3社の面接を受けたところ、生命保険会社の事務職で内定をいただくことができ、私の転職活動は、考えていたより好調に進みました。

上司も同僚も、理解ある職場ではたらきやすい

現在は、生命保険会社の仙台支社でスケジュール表や資料を作成する運営事務の仕事をしています。私は、アスペルガー症候群であることをオープンにしていますが、オープンにして良かった点を挙げると、まず、入社したときの歓迎会がなかったことです。上司から、「Mさんの歓迎会はあった方がいいかな、どうかな?」と、まず私に確認をしてくれました。「歓迎会などの場は苦手なので、ない方がいいです」とはっきり伝えることができましたし、もし歓迎会をしてもらっていたら、お互いに場の空気に困っただろうと思います。

上司とは隣の席で、分からないことはすぐに質問でき、一人で悩んで困ることがないので安心して仕事ができています。同僚たちとも日常会話はしながらも、必要以上のコミュニケーションを私に求めないので気を遣うことがありません。このように上司や同僚が、アスペルガー症候群であることや特性を理解してくれているので、無理のない距離感で大変はたらきやすいです。

今後の展望ですが、私はExcelのマクロが組めるので、業務効率を上げるためのデータベースや資料を作成することで、会社や同僚の役に立つ仕事をしていきたいです。

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メッセージ

「転職」を少しでも考えている人は、小さな行動を起こしてみることから始めてみてください。友達に話してみる、家族に相談してみるなどです。その小さな一歩が、人生を大きく変えると実感しています。私には、一人、学校時代からの友人がおり、彼に話したことがきっかけでした。彼が背中を押してくれた一言で行動に移せました。dodaチャレンジは、障害者専門の紹介会社なので、求人情報も豊富にありますし、何よりも、私たち転職者一人ひとりの障害の特性を理解して、企業に推薦してくれることが魅力です。今の会社に転職して、私はやっと「自分の人生を生きている」と感じています。みなさんも、小さな一歩を踏み出して、人生を大きく変えてください。