1.職務経歴書の作成に最適な用紙サイズ・枚数
職務経歴書には決められたフォーマットがありません。用紙のサイズも枚数も、デザインさえも自由です。ただし、書類選考の突破率を少しでも上げたいのであれば、「ビジネス文書としての体裁」や「採用担当者にとっての読みやすさ・扱いやすさ」への配慮が欠かせません。
採用担当者にしっかりと読んでもらえる職務経歴書を作るためのセオリーを、dodaのキャリアアドバイザーに取材したのでご紹介します。
用紙サイズはA4タテが基本。色は白無地が適切
職務経歴書はA4サイズの用紙をタテ方向に設定して作成してください。ビジネス書類は、A4サイズで作成されるのが一般的なので、採用担当者にとって読みやすく、扱いやすいのです。B5サイズの履歴書を使用する場合、
職務経歴書もB5にそろえようと考える人もいるようですが、職務経歴書と履歴書のサイズは異なっても構いません。
また、用紙の色は白無地が適切です。職務経歴書はビジネス文書の一種であり、フォーマルさが要求されます。カラー用紙や透かし模様、和紙のような風合いの用紙を使うのは、悪目立ちするのでおすすめできません。
職務経歴書の枚数は片面印刷で2~3枚に収める
何枚以内に収めなければいけないという決まりはないのですが、片面印刷で2~3枚に収めるのが理想的なボリュームと考えられています。採用担当者が書類選考にかけられる時間はごく短いものです。
要点をシンプルにまとめた職務経歴書のほうが、結果的にあなたの実績や強みの理解につながり、より高い評価を得られる可能性があります。どんなに多くても片面印刷で5枚以内に収めたほうがよいでしょう。
社会人経験が長い人は、
・「応募ポストと関連が深い」「高い実績を上げた」といった、ハイライトとなる職務経歴を複数行を使って書く
・応募ポストに対する魅力付けにつながりにくい業務経験は、在籍企業、部門・期間・簡単な仕事内容を1セットとして1行程度にまとめるなどの工夫をして、書類が5枚以内にまとまるように工夫しましょう。
▼A4タテ・2枚にまとめた職務経歴書のサンプル
2.職務経歴書の作成に最適なフォント(書体)・文字サイズ
たくさんの職務経歴書を目にする採用担当者に向けて、読みやすさに配慮した書類を作成することはとても大切です。書類の内容以前に、体裁面で違和感や読みづらさを感じさせないことが、書類選考を突破するためには重要なのです。フォントや文字サイズは、書類の読みやすさに大きな影響を及ぼすので、適切なものを選びましょう。
フォント(書体)はパソコンに標準搭載されている明朝体がおすすめ
採用担当者にとって読みやすいフォントは、WordやExcelの標準フォントです。Windowsのパソコンであれば「MS 明朝」「MS P明朝」「MS ゴシック」「MS P ゴシック」「メイリオ」「游明朝」「游ゴシック」というフォントがこれに当たります。MacOSであれば「ヒラギノ明朝」「ヒラギノ角ゴシック」です。
これらのフォントは多くのビジネス書類に使用されており、採用担当者にとって慣れ親しんだもの。スムーズに読み進められます。
明朝体とゴシック体のどちらを使うべきかを悩んだときは、明朝体のフォントを使用するのがおすすめです。明朝体のほうが、よりあらたまったビジネス文書に使われる傾向があり、職務経歴書がフォーマルな雰囲気に仕上がるからです。
加えて、装飾的なフォントを使うのはNGと覚えておきましょう。特別な意図があったとしても「ビジネス文書のセオリーを理解していないのでは?」と誤解され、マイナス評価につながる可能性があります。読みやすさの観点から、使用するフォントは複数使いするのではなく、ひとつに絞ったほうが無難でしょう。
▼明朝体おすすめフォント
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- MS 明朝・MS P 明朝(Windows標準)
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- 游明朝(Windows標準)
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- ヒラギノ明朝(MacOS標準)
▼ゴシック体おすすめフォント
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- MS ゴシック・MS P ゴシック
(Windows標準)
- MS ゴシック・MS P ゴシック
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- メイリオ(Windows標準)
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- 游ゴシック(Windows標準)
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- ヒラギノ角ゴシック(MacOS標準)
文字サイズはソフトの標準サイズである10.5~11ポイントが適切
文字サイズの選び方にも、フォント選びと同じことがいえます。つまり、「採用担当者が慣れ親しんだサイズ」を使用するということ。おすすめのサイズはWord、Excelの標準文字サイズである、「10.5~11ポイント」です。この大きさから外れるとしても大小1ポイント程度に収めるのがよいでしょう。ただし、項目ごとの見出しには、ほかの文字よりも1~2ポイント大きな文字を使って段落の切り替わりを強調し、読みやすさを工夫してもよいでしょう。
避けなければいけないのは、書きたいことが多いからといって、小さな文字で文章をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうこと。「採用担当者に配慮せず、自分本位で作成している」と捉えられ、書類選考で不利に働くかもしれません。
3.職務経歴書を作成するソフトはWordがおすすめ
パソコンで職務経歴書を作る際は、dodaではWordをおすすめしています。事前に用紙設定を済ませておけば、実際に印刷される状態を確認しながら編集できるからです。表の挿入やレイアウトの微調整も簡単です。
職務経歴書の作成にExcelを使う人もいるのですが、Excelは印刷にあまり向いていないので注意が必要です。編集画面が実際の印刷結果とはリンクしていないので、A4サイズの用紙に印刷しようとしたときに、極端に縮小印刷されてしまったり、入力したはずの文字が印刷されなかったりすることがあります。扱いやすいソフトで書類を作るのがよいのですが、Excelで作成した場合は、印刷後に「文字のサイズが小さすぎないか」「すべての文字が印刷されているか」などを、入念に確認したほうがよいでしょう。
なお、応募企業にメール添付で提出する場合は、WordをPDF形式に変換してから添付してください。
>WordをPDFに変換する方法dodaではWord形式の職種別のサンプルテンプレートを用意しています。サンプルにあらかじめ書かれた内容を参考に、自分の経歴に書き換えるだけできれいに整った職務経歴書を作成できるので、ぜひご利用ください。
4.職務経歴書の体裁・デザインを整える5つの工夫
このページでは、職務経歴書をパソコンで作る際に重要なのは「採用担当者にとっての読みやすさ」であることを解説してきました。最後に、用紙やフォント以外で、読みやすさをアップさせるために効果的な工夫を紹介します。
見出しや箇条書きを効果的に使う
職務経歴書の各項目の冒頭には、見出しをつけましょう。何が書かれているのかが明確になり、内容が伝わりやすくなります。見出しは、文頭に「■」を付けたり、【】<>で囲ったりして強調するのがおすすめです。
職務経歴は表にまとめる
職務経歴は文章で書いてしまうと、要点がつかみにくく、読みづらいものになってしまいます。そこでおすすめなのが、下の図のように表を使ってまとめる方法。時系列で、その期間にどのような仕事をしていたのがすっきりと整理され、職務経歴を把握しやすくなります
項目ごとに適切な余白を設ける
書類を読みやすくするために、各項目の間には必ず余白を設けてください。Wordで作成する場合は、1~2行程度の余白がちょうどよいでしょう。
使用する色は黒一色に統一する
職務経歴書は、文字も罫線もすべて黒一色に統一するのが基本です。表の見出し行や罫線に違う色を使う場合でも、黒のバリエーションであるグレーなどにしましょう。強調したい部分を赤やオレンジ色にしてしまう人がいるのですが、職務経歴書があらたまったビジネス書類であることを考えると、あまりおすすめできません。また、職務経歴書はモノクロで印刷されることが多いので、黒以外の色を使うと文字色が薄くなり、逆効果になることもあります。
ひとつの項目がページをまたがないようにする
職務経歴書が複数のページにわたる場合に気を付けたいのが、記載内容がページをまたいでしまうケースです。文章がページをまたいでしまうと非常に読みにくくなるので、文字量を調整して、そのページ内に収まるようにしましょう。職務経歴のように縦に長くなる項目で、ページをまたぐことが避けられない場合は、在職期間の区切りなど、切りの良い位置で次のページに移るように調整してください。
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