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女性のモヤモヤを解消する100問100答

#039

2023.8.10

Q.指摘されるとおもわずムッとしてしまう…。
イライラと上手に付き合うには?

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正論だと分かっていても、指摘されると腹が立つ、イライラすることってありますよね。
今回はアンガーマネジメントの専門家が、仕事中のイライラを態度に出さずにうまく対処する方法を解説します!

上司のひとことや仕事中のトラブルでイライラ…。態度に出てしまうのはよくないと分かっているけれど、心の中は怒りでいっぱい! 気持ちの整理がつかなくなって、とてもつらいですよね。

その怒りをもっと上手にコントロールできれば、日々を穏やかに過ごすことができるかもしれません。

今回は、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事を務める戸田久実(とだ・くみ)さんに、イライラと上手に向き合うために役立つアンガーマネジメントの考え方と、職場でついイラッとしてしまうシチュエーション別の対処法をお伺いしました。

まずはイライラの原因を考えてみよう

指摘されたり怒られたりというのはひとつのきっかけで、じつはイライラの原因はほかにもあるかもしれません。以下に、仕事中に考えられるイライラの原因をあげてみました。

1.仕事自体にイライラ

仕事量が多すぎる、理不尽な業務を任される、など仕事自体に不満があるとイライラしますよね。

2.人間関係にイライラ

上司に怒られる・指摘されるケースだけでなく、同僚や後輩の何げない発言や態度にイライラを感じてしまうこともあるでしょう。

3.職場の環境にイライラ

オフィスが快適でない場合(狭い・汚い・使用するPCに不具合があるなど)もイライラの原因となるでしょう。

4.体調が悪くてイライラ

心身ともに体調が万全でないと、どうしても気持ちのコントロールが難しくなってしまいます。

このように、仕事中に考えられるイライラの原因は数多くあります。ときには、複数の原因が重なってイライラが生じているかもしれません。まずは、怒りを感じたことを紙に書き出してみましょう。書くことで怒りを客観的に捉えられ、怒りの原因が明確になります。

また、当てはまる原因をすべて取り除くことができればよいですが、環境や人間関係など、自分一人では改善できない問題も多いですよね。そんなときにおすすめなのが、自身の怒りをコントロールする、アンガーマネジメントという考え方です。

イライラ対処にはアンガーマネジメントがおすすめ!

戸田さんによると、アンガーマネジメントをうまく活用することで、仕事中につい態度に出てしまうイライラを解消したり、うまく扱ったりできるようになるとのこと。アンガーマネジメントとはどういったものなのか、その考え方や実践方法について伺いました。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントは、怒りと上手に付き合うための心理トレーニングです。
勢いに任せて起こしてしまった行動や発言や、怒りに振り回されて落ち込んでしまうなど、「怒りによる後悔」を防ぐことを目的としています。

どんなイライラに効果があるの?

アンガーマネジメントは、以下のようなタイプの人におすすめです。

  • 一度怒ったら止まらない
  • イライラする頻度が高い
  • 思い出し怒りをする
  • 怒ったら相手や自分を攻撃してしまう
  • 怒れずに怒りの感情をため込んでしまう

常にイライラしてしまう人や怒りやすい人はもちろん、なかなか怒れずに怒りの感情をため込んでしまうタイプの人にもアンガーマネジメントは効果的です。

感情をため込んでしまうタイプの人は、「怒る=みっともない」と考えているケースが多く、怒りをため込みすぎて突然爆発してしまう場合も。怒りの火種が大きくならないうちに、早め早めに自分の気持ちと向き合うことが大切です。

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アンガーマネジメントのやり方

アンガーマネジメントについて理解できたら、いよいよアンガーマネジメントを実践してみましょう。やり方はとてもシンプル。怒りを感じたら、まずは6秒やり過ごしましょう。というのも、人間は怒りを感じても6秒たつと理性が働くといわれています。つまり6秒やり過ごすことで、怒りに任せて衝動的に行動するのを防ぐことができるのです。

6秒やり過ごすテクニックとしてぜひ実践してほしいのが、「怒りの数値化」です。0が穏やかな状態、10が人生最大の怒りとして、今感じている怒りがどの数値に相当するのかを考えてみてください。

怒りを数値化することに脳が意識を向けている間は、怒りに任せた行動はできなくなります。トレーニングが必要ですが、繰り返し行うことで習慣化しやすくなるので、ぜひ試してみてくださいね。

シチュエーション別・仕事中のイライラ対処法

アンガーマネジメントには、「怒りを自分の力でコントロールできるのかを考える」という手法もあります。
職場でついイラッとしてしまうシチュエーション別に、その考え方と対処法を見てみましょう。

Q.新人のころはモヤッとしなかった上司の指摘にイライラ。昔は素直に従っていたけれど、今は正論だと分かっていても注意されるとムッとしてしまう。どうしたらいい?

A.経験を積み重ねると自分なりの考えや仕事の進め方が確立されてくるので、上司の意見をそのまま受け入れられないこともありますよね。でも上司に自分の考えを伝えるとき、ついイラッとして否定的な言葉を返していないでしょうか?

否定的な切り返し言葉の例

おっしゃることは分かりますが~

そうは言っても~

でも~

上司に対しての否定的な気持ちが態度や発言に表れてしまうと、今度は上司がイライラしてしまい、あなたの意見を否定してくる可能性もあります。お互い感情的になっては話が進みません。

大切なのは、上司にあなたの話をちゃんと聞いてもらうことです。自分の意見をぶつける、押し通そうとするのではなく、上司の話を受け止めつつ自分の提案をする。下の例のように対話をすることを心がけましょう。

(例)

「~したほうがいいということですね。アドバイスありがとうございます。私は今回の場合、~と考えていますが、いかがでしょうか?」

このように、まずはお礼を伝えた上で、自分の提案を伝えてみましょう!

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Q.後輩からの年齢や結婚に関する心ない一言にイラッとする! これから先もずっと同じこと言われ続けなきゃいけないの?

A.仲の良い同僚・後輩であっても、デリカシーのないことを言われると不快な気持ちになりますよね。

人は自分の願望や譲れない価値観が守られなかったときに、怒りの感情を抱くことがあります。もしあなたが「結婚の形やタイミングは人それぞれだから、なんで結婚しないのかは聞くべきではない」と思っている場合、同じ価値観を持たない後輩の一言に、自分が否定されたように感じてイライラしてしまいます。

このケースの対処法ですが、受け流す余裕があるなら①、これ以上我慢できない場合は②を試してみてください。

①結婚に関する価値観は人それぞれ。後輩とは価値観が異なることを認めて「人それぞれ、結婚のタイミングってあるからね~」と受け流す。

②もう二度と言われたくない場合は、リクエストの形で「もうできれば言ってほしくないんだ」と相手に伝えてみる。このとき気をつけたいのは、相手に対して上から目線で言葉を返すこと。例えば「私の年齢になればあなたも分かるわよ~」といった返しはNGです。

Q.リア充アピール、モテ自慢など女子あるあるのマウンティングにへきえき。脱するにはどうしたら?

A.身近な相手にしつこく自慢話を聞かされたら、当然ネガティブな感情を抱いてしまいますよね。でもマウンティングは、基本的に満たされない人が行う行為です。相手のレベルに合わせて同じ土俵に立つ必要はありませんし、競い合うことで相手のマウンティングがエスカレートしてしまう可能性もあります。そのため、真剣にその話を受け取りすぎず、上手に聞き流すのが得策です。

また、怒りに任せてついマウンティングしてくる相手の陰口を言ってしまいそうになりますが、アンガーマネジメントの目的は、怒りによる後悔を減らすこと。振り返ったときにネガティブな感情が残る行動は、できるだけ避けたいですね。

Q.私がした地味なサポート業務は評価されず、営業成績などの華々しい部分のみが評価される。自分が正当に評価されていない…?

A.まじめにコツコツ努力していても、縁の下の力持ちタイプの人は、なかなか気づいてもらえないことも多いですよね。自分が今、本当はどうしたいのかを考えてみましょう。上司に認めてほしいのなら、直接伝えてみてもよいかもしれません。ただし、その際は事実と主観はきちんと分けましょう。

(例)

事実「現状、こんな業務をしていてこのような成果を出しています。◯◯のように評価をしていただけないでしょうか」

主観「営業成績がいい人ばかりが評価されて、サポートに回る人は評価されていないように感じます」

加えて何か要望を伝える際は、「~してほしいんです」といった具合に、リクエストの形で伝えるのがベストです。「評価されないことが不満だ」と伝えるだけでは、ただの文句になってしまうので、伝え方には十分注意しましょう。

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Q.仕事は私のほうができるのに、気立てがよくて愛嬌がある後輩女子のほうが上司にかわいがられているのが納得いかない。どうしたら?

A.上司が愛想のよい後輩だけをひいきして、公平な評価をしてくれないのであれば問題ですよね。でもそんな状況を改善するために、まずはその後輩がなぜ自分よりかわいがられているのかを考えてみましょう。

愛嬌がある人は、周囲との関係性作りがうまかったり、いつも笑顔で感じが良いので仕事を頼みやすかったりします。もしその長所が自分にはないと思ったら、うらやましさからくるイライラをグッとこらえて良いところをまねしてみましょう。自分の成長にもつながりますし、周囲のあなたへの反応が変わり始めたら、だんだんとイライラする気持ちも消えていくかもしれません。

Q.後輩のミスの尻拭いにイライラ。これも先輩の役目として我慢しなきゃいけないの?

A.先輩として部下の指導をするのは、なにかと苦労が多いですよね。自分が後輩をフォローしていることは、上司や同僚は理解してくれていますか? もし認めてもらえていないのであれば、上司に事実をベースに具体的な内容を相談してみましょう。

(例)

「後輩に任せている業務量はこれくらいです。私が◯◯のフォローをしています。ミスのフォローもあるのでキャパオーバーの状態です。業務量の割り振りの相談に乗っていただけないでしょうか」

また後輩のミスについて、今後、自分の指導で改善できる見込みがあるのかも考えてみてください。可能性があればフォローを続ける、もし可能性がない場合は上司に相談してみましょう。

一番NGなのは、後輩にそのイライラを態度に出してぶつけてしまうことです。「私があなたくらいのときはこんなミスはしなかった」といった自分本位な叱り方は避けましょう。成長の度合いは個人差があり、人それぞれ。あなたのがんばりを周囲から認めてもらえれば、心の余裕ができて、後輩のミスも少しは大目に見てあげられるかもしれません。

Q.上司の言うことがコロコロ変わる。これって我慢しなきゃいけないの?

A.上司の指示に一貫性がないと、受ける側は対応に困りますよね。でも会社組織では、トップの意向で方針が変わることもよくあります。まずは上司の立場になって考えてみましょう。冷静に観察してみると、意見が変わる原因は機嫌ではないかもしれません。「前回はOKだったけど今回はNGだった」といった場合には、自分の意見を伝える前に、事実とリクエスト方式でその理由を聞いてみましょう。

(例)

「前回はこういう理由でOKをいただきました。前回懸念されていた課題もクリアしたのですが、今回NGだった理由は何だったのでしょうか?」

観察した結果、やっぱりただの気分屋な上司なのであれば…、対応が難しいですよね。自分以外の人の機嫌の良し悪しはコントロールできませんので、せめて大事な判断を仰ぐときは、機嫌のいい日を選んでみましょう。

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まとめ

正論だと分かっていてもつい態度に出てしまうイライラの対処方法は

イライラの原因が何なのか、書き出して整理してみよう

イラッとした瞬間は、怒りを数値化して「理性が働くまでの6秒」をやり過ごす

自分の行動や発言で解決できるイライラか判断した上で対処してみよう

原因が特定しづらいイライラを放置しておくと、また同じイライラにとらわれて疲れてしまうことも…。怒りの原因をハッキリさせることで、イラッとする相手に振り回されることもなくなるかもしれません。つい態度に出てしまうイライラをうまくやり過ごす、アンガーマネジメントをぜひ試してみてくださいね。

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Profile

識者プロフィール

戸田久実(とだ・くみ)
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 理事、アドット・コミュニケーション株式会社 代表取締役。
アンガーマネジメント、アサーティブコミュニケーションを専門とし、民間企業や官公庁の研修・講演の講師を務める。登壇数は4,000回を超え、指導人数は約20万人に及ぶ。著書に『アンガーマネジメント』(日経文庫)ほか。
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