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掲載日:2015年7月27日

女性のための「転職ベストタイミング」
〜出産と転職、どっちが先?〜

「doda女性のための転職フェア」が2015年5月29日(金)、30日(土)の両日、東京の渋谷ヒカリエにて開催されました。会場内で講演会も開かれ、各界で活躍する女性や、dodaの女性キャリアアドバイザーが、今後のキャリアや仕事に役立つテーマについて講演しました。

今回はその中から、dodaキャリアアドバイザー川嶋由美子の講演の模様をWoman Career編集部がレポートします。

profile 講師プロフィール

川嶋 由美子

川嶋 由美子
パーソルキャリア株式会社
dodaキャリアアドバイザー ゼネラルマネジャー

2002年、新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社。エンジニア派遣事業の法人営業を経て、04年よりdodaキャリアアドバイザーに。事務、販売、サービス、営業、マーケティング職を中心に、年間約400名の転職希望者の方々にキャリアカウンセリングを実施。07年にキャリアアドバイザー部門のマネジャーに。その後、2度の産休・育休を経て、現在は5歳と2歳の2人の男児を育てながら時短勤務でゼネラルマネジャーとして活躍中。GDCFキャリアカウンセラー資格保有。

「転職が先」「出産が先」どちらの選択にもプラスとマイナスの両面が

dodaキャリアアドバイザーとして10年以上、多くの女性の転職をサポートしてきました。今担当しているエンジニア部門でも女性の登録者数が増加するなど、女性の活躍の場が広がっていることを実感しています。女性がキャリアを考える上で、大きなテーマとなってくるのが、結婚や出産などのライフイベントとの両立です。実際のキャリアカウンセリングでも「転職したいけれど、結婚・出産とのタイミングで迷っている」という相談はとても多く寄せられます。そこで今日は「女性にとっての転職ベストタイミング」をテーマに、これまでのキャリアアドバイザーとしての経験や、私自身がワーキングマザーとして見聞きしてきたことも交えて、お話をしたいと思います。

まず初めに大切なポイントとしてお伝えしたいのは、キャリアに対する考え方や価値観は人それぞれに異なるものであり、「正解」はないということです。自身が育ってきた家庭環境や、パートナーの考え方に影響される部分も大きいでしょう。また、ライフステージの変化に伴ってキャリアの価値観やプランは移り変わっていくものです。ですから「転職が先」か「結婚・出産が先」か、今すぐ決めようと身構える必要はまったくなく、先々の不安を少しでも和らげる参考にしていただければと思います。

では、本題の転職のタイミングについてです。出産の前に転職した方がいいのか、それとも出産後に転職した方がいいのか、単純に「こちらがいい」と回答することはできません。なぜなら、どちらを選んでもプラスとマイナス、両方の側面があるからです。詳しく見ていきましょう。

ケース1 「転職が先」の場合

出産を経験する前に、転職するという選択です。

【「転職が先」の場合の例】

この場合のプラス面は、子どもがいない時点で転職活動をするため、「入社後は基本的にフルタイムで働け、残業も可能」という点で、志望先の選択肢が広がることです。

一方、マイナス面としては、転職からの一定期間は出産や子育てがしにくくなる可能性もあるという点です。企業によっては入社後1年未満だと、育児休業が取れないケースもあります。また転職後は新しい環境で仕事に慣れることが最優先になると思いますので、例えば転職から1~2年は実績を積み、その後、産休・育休を取るというのが人間関係の面でも円滑かもしれません。

このケースの転職活動に関して、よくある相談とそのアドバイスを紹介します。

Q:面接でこの先の結婚や出産の予定を聞かれ時はどう答えればいい?

結婚や出産の予定は、キャリアに関係のない個人情報であり、本来答える義務はありません。ただ、企業側としては「今後も長く働いてくれるか」という意思も含め、知りたいというのが本音。実際に面接で「今後のライフプランは?」などと遠回しに質問されることもあります。その場合は、結婚の予定や、子どもを生みたいという希望を隠す必要はありません。「ゆくゆくは考えています」と率直に答えて問題はありません。

Q:面接で産休・育休などの制度について詳しく尋ねてもいい?

質問すること自体に問題はありません。「育休後に復職された方はどのくらいいますか」などのように聞いてみましょう。ただし、面接で真っ先にこうした質問をすることはお勧めできません。福利厚生を目当てに入社を志望していると受け取られてしまう可能性もあるからです。仕事内容などに関する質問をいくつかした上で、質問する流れが良いでしょう。ほかにも、残業時間や福利厚生の利用実績など、気になるけれど面接でストレートに聞いて良いのか迷うことはあると思います。dodaのようなエージェントサービスを利用している場合は、キャリアアドバイザーが代わりに聞くこともできます。また福利厚生の詳細については、内定が出た後に確認するという方法もあります。

ケース2 「出産が先」の場合

現職のまま出産し、その後に転職するという選択です。

「出産が先」の場合の例

この場合のプラス面は、これまでキャリアを積んできた環境で、産休・育休の取得、復職ができるという点です。

一方、マイナス面は転職が数年先送りになるという点です。子どもが小さいうちは育児による時間的な制約が生じやすいため、3歳未満の小さな子どもを持つ女性の採用には慎重になる企業もあります。自分の希望に合う転職をかなえようとするなら、子どもが大きくなってからの方が良いケースも出てくるのです。

転職のタイミングの例を二つ紹介しましたが、これらはあくまでも「例」であり、当てはまらないケースも多くあります。例えば、私の保育園のママ友の中には、子どもが3歳未満の時にアルバイトを始め、契約社員、正社員へとステップアップを実現させたワーキングマザーもいます。また、キャリアアドバイザーとして転職をサポートした方の中には、金融専門職のスキルと経験を備えていたことで、子どもが小さいうちに時短勤務で転職が実現した例もあります。繰り返しになりますが、転職のタイミングについても「正解」はないということを、心にとめておいてください。

結婚・出産のタイミングはコントロールできないもの
だからこそキャリアは常に“攻めの姿勢”で

ここまで、転職と結婚・出産のタイミングについてお話をしてきましたが、そもそもの前提として認識しておくべき大事なポイントがあります。それは、結婚・出産、とりわけ妊娠・出産というのは「授かりもの」であり、必ずしも自分の意志で時期をコントロールできるものではないということです。言い換えれば、まだ起きていないことについてあれこれ心配しても仕方のない面があるということ。だからこそ、この先出産や育児などで、一時的にキャリアをペースダウンする時期がくることを視野に入れて、それまでは常に“攻めの姿勢”でいろいろなことにチャレンジして、積極的にキャリアを積むことが大切だと思います。それは結果的に将来の選択肢を広げることにもなるはずです。

もし現在の勤務先でキャリアアップをイメージできないのであれば、転職活動を始めてみることをお勧めします。最近は、退職してからじっくりと転職活動に取り組みたいと考える方も増えていますが、長期的に仕事から離れることは避けた方が良いでしょう。年単位でブランクが空いてしまうと、仕事に戻ることに対して不安が生じ、ネガティブな気持ちから転職活動がうまくいかないという事態にもなりがちです。同様の理由で、出産で退職した場合にも、再就職を目指すのであれば5年以上のブランクを空けずに転職活動に取り組んだ方が良いでしょう。

最近、「女性の活躍推進」は国の重要なテーマにも挙がっていて、社会全体の流れとして、女性の活躍を後押しする動きが広がっていると感じます。企業が経営戦略として女性の活躍推進を前面に打ち出すケースも増えていて、この動きは今後さらに加速していくと考えられます。もしも今の上司が、女性の活躍推進や仕事と育児の両立支援に消極的だったとしても、悲観したりあきらめたりしないでください。社会は確実に変化していますし、すべての働く女性にとって追い風が吹いています。迷った時こそ「いったん仕事を続けよう」「いけるところまで積極的にキャリアを積もう」という発想をぜひ大切にしてほしいと思います。

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