知的障害とは?知的障害がある大人の特徴やはたらき方、就労支援サービスをご紹介

チームワーク良くはたらく人たち

知的障害とひと口に言ってもその障害の程度はさまざまです。
この記事では、知的障害とはどのような障害で、程度によりどのような特徴があるかを解説します。その上で、知的障害者の方の主なはたらき方や、利用できる就労支援サービスなどもご紹介します。

知的障害とは

知的障害とは、18歳ごろまでの発達期において知的機能に問題が出て、日常での頭脳を使った活動に支障があり、認知能力や適応に遅れがみられる状態を指します。神経発達障害の一種で、知的能力障害とも呼ばれます。知的障害が生じる原因には、幼少期の中枢神経系疾患や遺伝などがかかわっていると考えられています。
知的障害の基準は、知能指数がIQ70以下である場合に知的障害の可能性があると判断され、知的機能と適応機能の2つによる判断がなされています。

知的障害の症状

知的障害のある方が社会生活上困難を感じる可能性のある症状としては、以下のようなものがあげられます。

  • 読み書きが適切に行えず、自身の状況把握や他人とのコミュニケーションが難しい
  • 複雑な会話の内容を理解したり、金銭を計算して自力で管理したりすることなどが難しい
  • 自身の行動や感情のコントロールができなくなることがある
  • 身の回りの支度や、行動のための準備に時間がかかる など

知的障害の程度別の特徴

知的障害の程度は、知能指数(IQ)と適応機能の基準(日常生活能力水準)の2つの指標の組み合わせで程度判定が行われ、4つの段階が設けられています。

軽度知的障害(IQ50~70が目安)

日常的な生活を自身で行うことや対人コミュニケーション、基本的な自己管理などがほぼ通常どおり行える状態です。このため、社会生活も健常者の方と変わらずできている場合も少なくありません。
ただし、周囲の人に知的障害であると気付かれにくいため、細かな困りごとに直面する機会が非常に多く、ご自身が生きづらさを感じがちな状況になっている場合もあります。

中等度知的障害(IQ36~49が目安)

人の言葉を正しく理解したり、身の回りの支度を自分で行ったりすることに時間がかかってしまいます。このため、支援が必要となるケースもあります。

重度知的障害(IQ20~35が目安)

文字を読んだり、時間や金銭の概念を理解したりすることが困難な状態です。簡単な会話による意思疎通はできますが、日常生活における身の回りのことをすべて自分で行うのが難しく、何らかの支援を必要とします。

最重度知的障害(IQ19以下が目安)

身の回りのことを自分の力では行えず、会話による意思疎通も困難な状況です。このため日常生活において、全般的な支援が必要になります。

知的障害者の雇用状況

人事担当者

知的障害者も、身体障害者などと同様に一般社会で活躍する機会が増えてきています。これは障害者雇用の広まりによるもので、厚生労働省「令和3年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における知的障害者の雇用者は140,665人で前年比4.8%増となりました。
障害者全般の雇用率は年々上昇傾向となっており、知的障害のある方も今後社会で活躍できる機会が増えていくと考えられるでしょう。

知的障害がある方のはたらき方

障害者雇用が一般的になりつつあることを背景に、社会で仕事に就いて活躍している知的障害のある方も増えています。ここでは、知的障害のある方のさまざまなはたらき方について、それぞれの概要やメリットなどをご紹介します。

障害者採用枠ではない「一般枠」で一般就労するケース

一般枠ではたらく知的障害者の方とは、簡単に言うと「健常者と同等の業務内容や勤務時間、待遇ではたらいている人」です。選べる職種の幅が広く、待遇などの条件も障害者雇用枠と比較して良い場合が多いですが、知的障害のある方に対して業務面・条件面での配慮は行われません。

「障害者採用枠」で一般就労するケース

ご存じの方も多いと思いますが、障害者採用枠とは障害者手帳を持つ方が求人に応募できる雇用枠です。障害があることを前提とした雇用となるため、就労後に特性に対して見合った配慮やサポートがなされます。

「福祉的就労」の形ではたらくケース

知的障害の程度によっては、一般就労の形ではたらくことが困難な場合があります。その場合、福祉的就労というはたらき方を選ぶことが可能です。福祉的就労をする場合は「就労継続支援事業所」と呼ばれる職場ではたらきます。
福祉的就労とは、一般企業などの一般就労の形ではたらくことが困難な方が受けられる支援サービスの1つで、A型とB型の2種類があります。

A型:就労継続支援A型事業所ではたらきます。原則18歳から65歳未満の障害者の方が対象で、事業所と雇用契約を結びます。A型では労働基準法に準じた賃金が支払われ、また職業技能の訓練を兼ねているため、ゆくゆくは一般企業へ就労することを目指してはたらくこととなります。

B型:就労継続支援B型事業所ではたらきます。雇用契約の下で労働することに年齢や体力などの都合で支障がある方が、雇用契約を結ばずにご自身の体調や状況に合わせてはたらけます。対価は、その都度はたらいた分を工賃として支給してもらえます。

知的障害がある方が仕事選びで注意すること

虫眼鏡

知的障害のある方が、健常者の方といっしょに活き活きとはたらいている職場も数多くあります。しかし、知的障害の特性上、仕事を長く続けられなくなるケースもあることは事実です。ここでは、知的障害の方が仕事を探す際に注意したい点をご紹介します。

知的障害の方が仕事を長く続けられない理由は?

知的障害者の方が仕事を長く続けられない理由として、下記のような特性を持っていることが挙げられます。

  • 複雑な作業が求められるとパニックを起こしやすい
  • 持続的な作業はすぐに飽きてしまうことがある
  • 賃金が相対的に安い場合、自立が困難になりがち
  • 環境面で障害に対し配慮がされていないとはたらきにくい

上記のような状況でも、我慢をしてはたらき続けようとする方もいると思います。しかし、はたらきにくい状況や環境が続くと、不安障害やうつ病などの精神疾患を併発する可能性があるため、十分な注意が必要です。

仕事選びで失敗しないためには

知的障害の方も性格や趣向は人それぞれですから、向いている仕事や向かない仕事に個人差があります。「がんばってはたらき続けたい」と思える高いモチベーションを維持するには、自分が好きなことや続けられそうなこと、興味のあることにかかわる仕事を選ぶのがおすすめです。
また、仕事内容に加えて、その職場に障害への理解やサポートがあるかどうかも必要不可欠な要素となります。ご自身に適した仕事や職場が見つかれば何よりですが、それは簡単なことではありません。ご自身の障害特性に合った職場を見つけ長くはたらき続けるためには、各種支援機関の利用もおすすめです。

知的障害がある方が利用できるおすすめの就労支援サービス

知的障害のある方が仕事へ就くにあたって、利用できる就労支援に関する各種サービスがあります。ここでは、それぞれの支援機関のサービス内容や利用のメリットをご紹介します。

・ハローワーク

ハローワークは各地にある職業紹介機関で、国によって運営されています。一般就労に関する窓口のほか、障害者専門窓口があるため知的障害の方も就労の相談ができます。

・障害者就労・生活支援センター

障害者が仕事に就く機会を広げ、就労後も安心してはたらけるよう、障害者雇用促進法に基づき就労と生活を一体的に支援する機関です。

・就労移行支援事業

就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づき設けられている福祉サービスです。安定してはたらきたい障害者の方に向け、就労に必要な知識や能力の習得機会を提供し、就労支援を行っています。原則として2年間(24ヶ月)利用ができます。

・dodaチャレンジ

dodaチャレンジは、障害者の方に向けた転職支援サービス(転職エージェント)です。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかをお持ちの障害者の方なら、どなたでも無料で利用できます。
障害者の就職に関する知識とノウハウを持つ専任アドバイザーが1人ひとりのご要望やお悩みを丁寧にヒアリングし、得意分野や生活上の困りごとに対応した最適な求人をご紹介します。
非公開求人のご紹介をはじめ、応募書類の作り方、面接対策まで総合的にサポートし、就労後も安定してはたらけるよう、全面的にサポートを行っています。

まとめ

知的障害は、障害の程度によって感じる困りごとの差が大きいため、はたらく上でどのくらいの配慮が得られるか不安という方も多いでしょう。特に軽度知的障害の方の場合、障害に対する理解をなかなか得られずお悩みの方もいると思います。
dodaチャレンジでは個別のヒアリングに力を入れており、みなさんの障害に関するお悩みやご希望をしっかりおうかがいします。その上で、求人サイトには載らない非公開求人を中心に幅広い業種や職種をご紹介していますので、安心してはたらける職場を見つけたい方はぜひお気軽にご相談ください。

公開日:2022/6/29

監修者:木田 正輝(きだ まさき)
パーソルチャレンジ株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルチャレンジ)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
  • ■国家資格キャリアコンサルタント
  • ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士
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