仕事が見つからないと悩む障害者の方必見!活き活きとはたらける職場の探し方
はたらきたい気持ちがあっても、障害があることで自分に合う仕事がなかなか見つからないと悩んでいる方はいませんか。ハローワークや一般的な求人サイトをチェックしても、希望の条件に合う仕事がなかったり、経験・スキルが足りなくて応募できなかったりすることもあるでしょう。やる気があっても結果が伴わないと、就労のモチベーションも下がってしまいますよね。
そこでこの記事では、障害のある方に仕事が見つからない方が多い理由を解説します。障害者でもより良くはたらける仕事・職場の探し方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
障害者雇用の現状は甘くない
「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、障害のある雇用者の数は、2018年から着実に増加しています。調査時点で、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者は110万7,000人、法定雇用率や勤続年数もすべての障害種別で前回調査より増加傾向です。
障害者雇用の増加は、障害者雇用促進法の推進により、社会にノーマライゼーションの意識が浸透しているものだと考えられます。
しかし、法定雇用率を上回っているのは大企業が中心であり、中小企業はいまだに厳しい状況です。また、障害者の方が就いている職種は事務職やサービス業が中心と限定的になっています。
さらに平均賃金は、身体障害者だと23万5,000円、精神障害者や発達障害者の場合は約13万〜14万円です。前回よりは上回っているとはいえ、一般水準と比べると、決して高くありません。
こうした現状と、実際に「仕事が見つからない」と悩んでいる方がいることを踏まえると、障害者雇用の現状は甘くないといわざるを得ないでしょう。
出典:厚生労働省 「令和5年度障害者雇用実態調査結果報告書」
障害者の方のいう「仕事が見つからない」の真意とは?
次に、障害者の方が「仕事が見つからない」という真意を探っていきましょう。
経験やスキルに合う仕事が見つからない
障害があると、その特性や治療のためにはたらいたことのない方や、採用されても長続きしない方も少なくありません。また、はたらいた経験はあっても、正社員ではなくアルバイトやパートだと、実務経験と見なされないケースも多いでしょう。
しかし転職市場で優遇されるのは、実務経験が豊富だったり、仕事に役立つスキルを身につけていたりする人です。特に実務経験は、最低3年以上ないと印象アップにつながりません。
未経験や、障害への配慮に対応できる業務となると、選択の幅が狭くなり、なかなかよい仕事が見つからないという結果になってしまいます。
特性に応じた配慮の得られる職場が見つからない
原則として合理的配慮は雇用主の義務ですが、周知徹底されていない職場も存在するため、実際にはたらいてみないと分からない場合もあるのが実情です。
そもそも、一般的な転職エージェントや求人サイトでは、障害者向けの求人の掲載数が少ない傾向にあります。また、いざ就職してみると、職場で特性に応じた配慮が得られないこともあるでしょう。
障害によってできない仕事や不得意な業務、特性に合わない環境での就労では、思うように実力が発揮できません。ストレスや疎外感、無気力感から、うつ病などの二次障害を発症する恐れもあります。
通勤しやすい仕事が見つからない
仕事内容や環境は良くても、障害のある方にとって通勤に支障がある職場に通い続けるのは容易ではありません。例えば、自宅から遠過ぎる、混雑が避けられないルートを通らざるを得ないなど、通勤上の問題は想像以上に長期就労の妨げとなります。
適性と障害への配慮を前提とし、さらに自宅からスムーズに通勤できる仕事となると、選択肢の幅は大きく狭められてしまうでしょう。
職場内でやりがいのある仕事が見つからない
障害があるからという理由で幅広い仕事へのチャレンジが妨げられると、やりがいが感じられず、離職のきっかけになります。企業によっては、決められた仕事しか与えられなかったり、適性に応じた業務を任せてもらえなかったりすることもあるでしょう。
また、成果にかかわらず評価が一律で、給与アップにつながらない仕事だと、モチベーションの維持が困難だと感じる方もいます。
希望の条件に合う仕事が見つからない
仕事が見つからないと思っている方の中には、自らの障害特性を理由に、仕事に求める条件を限定し過ぎてしまっているケースもあるようです。条件にこだわり過ぎたり、自分にはできないと思い込んでいたりすると、職業選択の幅も狭まってしまいます。
しかし、現代はワークスタイルが多様化している時代です。社会にはさまざまな仕事があふれているほか、在宅の仕事や時短勤務など働き方も豊富に存在します。職業や業界を分析するとともに、自分にはどのような働き方が合っているのかを改めて考え直してみることが大切です。
一般的な支援サービスでは非公開求人が見つからない
実は、ハローワークや、一部の転職・就職支援サービスなどには、すべての求人が公開されていません。このように、一部の障害者雇用専門の転職・就職支援サービスでしか紹介が受けられない求人を「非公開求人」といいます。
非公開求人に関する知識があるかどうかで、活き活きとはたらける仕事探しの実現や、就活が有利に進められるかどうかの可能性を大きく左右するでしょう。
障害者の方でも活躍できる仕事・会社の特徴
障害のある方でも、次のような仕事や職場なら、実力を十分に発揮して活躍したり、多様なワークスタイルではたらいたりしやすいでしょう。
- マニュアルに沿って進める仕事
- 在宅・時短勤務の仕事
- クリエイティブな仕事
- 障害者雇用枠の求人
- 特例子会社
マニュアルに沿って進める仕事
マニュアルが完備されており、それによって進めることが基本となる仕事は、障害のある方でもはたらきやすい傾向にあります。具体的には、事務職、コールセンター、工場作業員、清掃の仕事などです。
例えば、障害特性によりあいまいな指示が苦手な方には、業務の指針がマニュアルで明確に示されているほうがはたらきやすいと感じるでしょう。また、マニュアルが完備されている仕事はイレギュラーなことが起こりにくく、もしトラブルが発生しても対処法が決まっているため、臨機応変な対応が困難な障害特性のある方に向いています。
くわえて、マニュアルに沿って進める仕事は、業務量やペース配分が調整しやすい点も障害のある方にとって大きなメリットです。
在宅・時短勤務の仕事
オフィスに出社しない在宅勤務は、慣れた環境で落ち着いて業務にあたれるため、安心してはたらけるはずです。通院・治療の時間が調整しやすく、心身の大きな負荷となる通勤ラッシュも回避できます。
また、障害特性や体調の都合から長時間勤務が難しい場合は、時短勤務の仕事もおすすめです。就業時間が短い分給料も低くなるものの、理想のワーク・ライフ・バランスが実現しやすく、段階的にフルタイム勤務も目指せます。
クリエイティブな仕事
クリエイティブな仕事は、自分の特技や興味を活かしてはたらける、障害のある方にも人気の職業です。具体的には、SE(システムエンジニア)やデザイナー、ライターなどの仕事が挙げられます。
上記のようなクリエイティブな仕事は、勤務形態も多様で、在宅ではたらくことも可能です。特に発達障害のある方は、好きなことに対する抜群の集中力を活かし、クリエイティブな業界で活躍している方も大勢います。
障害者雇用枠の求人
障害者雇用枠とは、障害者手帳を取得している方が応募できる求人です。障害者雇用促進法を背景として定められた制度であり、企業には一定の法定雇用率を満たす義務が課せられています。
障害者雇用枠の求人は、オープン就労が前提です。一般雇用枠と比べ、必要な合理的配慮が得やすいため、定着率も高い傾向にあります。また大手・有名企業の求人も多く、職業選択の幅も広がるはずです。
特例子会社
特例子会社とは、障害者の雇用に特別な配慮を行うことを目的に設立された、厚生労働省認可の事業所です。障害者雇用に特化しているため、職場ではたらく障害者の方の数や、障害に対する理解が深い傾向にあり、特性に応じて柔軟にはたらける環境が整備されています。
サポート体制や支援制度、福利厚生も充実しているため、長期就労が実現しやすいでしょう。
障害者の方がはたらきやすい仕事を見つけるコツ
障害のある方の仕事探しにはコツがあります。はたらきやすい仕事を見つけたいなら、次の4つのポイントを意識してみてください。
- 自己理解を深める
- 就活の軸を見直す
- スキルアップを図る
- 障害者専門の転職・就職エージェントに相談する
自己理解を深める
自らの障害特性への理解を深めることで、どのような仕事が適しているのかが見えてきます。
まず自分の得意なことや苦手なこと、やりたいことなどを明確にしてみてください。また、特性によって何ができないのか、またどうすればできるようになるのかを具体的に考えておくとよいでしょう。
自己理解が深まれば、応募・面接時の説明や自己アピールもよりスムーズになるはずです。
就活の軸を見直す
自分に合う仕事がなかなか見つからないときは、「就活の軸」を見直す必要があるかもしれません。就活の軸とは、仕事探しの指針となる価値観のことです。
仕事探しにおいて自分にとって何が最も大切なのか、今後のキャリアをどうしたいのかを見つめ直し、就労条件の優先順位を付けてみてください。退職経験がある場合は、仕事を辞めた理由と、職場からどのような配慮があれば続けられたのかを考えてみると、求める就労条件の分析につながります。
仕事に求めるものが何なのかが決まっていれば、意思決定がスムーズになり、企業とのミスマッチも防げるでしょう。
スキルアップを図る
現時点であまり実務経験がない場合や、ポテンシャルに自信のない方は、スキルアップを図ってみるのも一つの方法です。
スキルアップといっても、難しく考える必要はありません。例えば、新卒や既卒の方なら、基本的なビジネスマナーを身につけておくだけでもぐっと印象がアップするはずです。
また、経験や資格などがなくて仕事が見つからない場合は、職業訓練に通いながらスキル習得およびキャリアアップを目指す道もあります。これまでの経験も踏まえ、今の自分にはどのようなスキルが不足しているのかを把握し、それを補足する方法を考えてみてください。
障害者専門の転職・就職エージェントを利用する
障害のある方がはたらきやすい求人情報を集める際は、障害者専門の転職・就職エージェントの利用をおすすめします。
障害者専門の転職・就職エージェントとは、障害がある方の就職活動の支援サービスです。一般には掲載されない、非公開求人を含む多くの障害者雇用求人の情報が寄せられています。
また、障害者雇用の知識が豊富な専任のキャリアアドバイザーから、自己分析やそれに基づく就活の軸のアドバイスなどが受けられるのも特徴です。応募書類の作成や面接の指導、企業との条件のすり合わせなど、幅広くサポートします。
障害者のための就職・転職エージェント「dodaチャレンジ」では、上記のような仕事探しのお手伝いに加え、豊富な実績と障害者雇用の知識・ノウハウを活かした独自の支援体制を展開しています。就労後も定着へ向けて丁寧にバックアップするので、長期就労が実現しやすくなるでしょう。
障害者の方の仕事探しは「dodaチャレンジ」
自らの障害特性に合わせ、活き活きとはたらける職場探しにはコツがあります。仕事が見つからない真意を明らかにし、自らの障害特性に合わせて活躍できる仕事・業務がどのようなものかをきちんと把握したうえで就活を進めることが大切です。
自分に合った仕事が見つからないと悩んでいる障害者の方は、ぜひ「dodaチャレンジ」へご相談ください。キャリアアドバイザーが非公開求人を含む豊富な求人から最適な仕事を紹介するほか、就活だけではなく就労後の定着まで徹底的にサポートします。サービス登録・利用はすべて無料ですので、キャリアアドバイザーまでお気軽にご相談ください。
まずは、キャリアアドバイザーに転職相談を

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転職について不安なことも
障害者雇用の知りたいことも
キャリアドバイザーが親身にお話をうかがいます
公開日:2025/1/30
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士