障害者雇用枠での就職とは?はたらく条件と新卒就活に役立つ知識を紹介
障害のある方が新卒で就活するにあたって、障害者雇用枠を検討しているものの「どうやって応募するのか」「自分に合っているのか」が分からず悩んでいませんか。この記事では、障害者雇用枠で就職するための条件と一般枠と比べたメリット・デメリット、新卒就活の事例に基づく成功のポイントを紹介します。
目次
障害者の就職先には「一般枠」と「障害者雇用枠」の2つの選択肢がある
障害のある方が新卒で就活する際の応募先として、大きく分けて「一般枠」と「障害者雇用枠」の2つがあります。まず、それぞれの求人枠の定義と特徴を確認していきましょう。
一般枠とは
「一般枠」とは、企業が提示する条件に当てはまれば、誰でも応募できる求人の募集枠です。特別な定義があるわけではなく、障害者雇用枠の対比として使われることの多い表現だといえます。
一般枠における障害者の就職活動・就労の選択肢は、障害の「開示」「非開示」の2通りです。いずれも基本的には健常者と同じ労働条件となり、応募先の選択肢が広がります。ただし、障害を開示しても、企業の経営状況や労働環境によっては、個々の特性に応じた配慮の徹底が難しい場合もあります。
障害者雇用枠とは
「障害者雇用枠」とは、障害のある方を対象とする求人の応募枠です。基本的には、一般枠と同様に企業のコーポレートサイトや採用ページで募集していますが、ハローワークの障害者窓口や、障害者専門の就職支援サービスで紹介が受けられることもあります。
障害者雇用枠は、個々の特性に応じた合理的配慮の提供を前提とし、通院や体調面などの事情も踏まえ、無理なくはたらける労働条件が提示されます。厚生労働省の調べによると、2024年時点で障害者雇用枠で就職している方の人数は約67万7,000名です。障害者の雇用人数は年々増加しており、今後も拡大していくことが予想されます(出典:令和6年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省)。
障害者雇用枠に応募・就職するための条件
障害者雇用枠に応募・就職するための2つの条件について説明します。
障害者手帳を取得していること
障害者雇用枠の求人に応募する必須条件となるのが「障害者手帳」を取得していることです。障害者手帳には、次の3種類があります。
| 障害者手帳の種別 | 等級 | 交付対象 |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 1〜7級 | 一定の要件を満たす身体的な障害がある方 |
| 療育手帳 | 重度(A)とそれ以外(B) | 一定の要件を満たす知的障害のある方 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 1〜3級 | 一定の要件を満たす精神障害・疾患や発達障害のある方 |
なお上記のうち、療育手帳は自治体によっては「愛の手帳」「みどりの手帳」などと呼ばれることもあります。また、自治体ごとに各制度の等級がさらに細分化されていることもありますが、いずれも障害者雇用枠の対象です。
障害を開示すること
障害者雇用枠は、障害があることを前提とした求人のため、完全非開示での応募・就労はできません。障害があることを伝える範囲は人事や直属の上司、同じ部署の同僚までなど制限できますが、開示自体は必須です。
また、障害者手帳を取得していることや、障害をただ開示するだけでは、適切な配慮が得られるとは限りません。個々に応じた配慮を受けるためには、障害特性を明確にし、それを職場や人事担当者へ分かりやすく伝えることが求められます。
障害者雇用枠での就職を目指すメリット
障害のある方が障害者雇用枠での就職を目指す3つのメリットを紹介します。
自分の特性に合わせてはたらける
障害者雇用枠で就職する場合、入社前に障害について認識のすり合わせができるため、配置や業務内容、補助ツールの導入、通院・体調不良による休暇取得などへの理解が得やすくなります。本来、合理的配慮の提供義務はすべての企業・事業に課せられていますが、障害者雇用枠のほうが実績と経験が豊富なことが多いので安心です。
また、障害への理解がある職場は、定期的な面談や個別のフォローアップ体制など相談しやすい条件が整っていることが多く、ストレスが少ない環境ではたらける可能性が高いといえます。正当な評価や労い、フィードバックといったマネジメントも多く行われている傾向にあり、無理なく活躍できる環境が整っているため、長期的に安定した就労が実現する可能性が高まるでしょう。
応募しやすい
一般枠がすべての方に開かれた採用枠であるのに対し、障害者雇用枠は原則として障害者手帳を取得している方が対象です。一般枠と比べ、障害に配慮した条件や、比較的取り組みやすい職務内容になっている求人も多く、応募のハードルが低い傾向にあります。また、求人数自体は一般枠より少ないものの、応募できるのは障害者のみなので、相対的に競争率が低くなりやすい点もメリットです。
特に、大企業や有名企業と称される会社は従業員数も多い傾向にある分、法定雇用率により多くの障害者を雇用しなければなりません。そのため、一般枠では競争率の高い企業でも応募しやすいといえます。
専門的な就労支援が受けられる
障害者雇用の仕事探しでは、ハローワークの障害者専門窓口や障害者専門の転職・就職エージェントなど、専門の就職支援サービスが利用できます。
例えば、障害者専門の就職エージェントでは、障害者雇用の専門知識を持つキャリアアドバイザーから、自己分析・企業分析や応募書類の作成のサポートおよびアドバイスが得られます。また、一般公開されない非公開求人を含む障害者雇用枠の求人紹介や、応募先や就職先との条件のすり合わせなどのサポートを受けることも可能です。
個性や特性に合わせたサポートを得て就活を進めることで、自分にとって理想的な仕事や働き方がきっと見つかるでしょう。
障害者雇用枠で就職するデメリットと解決策
障害者雇用枠での就職は、障害のある方にとってたくさんのメリットがある一方で、デメリットといえる面も存在します。
一般枠と比べ給料が上がりにくい
パーソル総合研究所が実施した調査では、障害者雇用枠は非正規雇用ではたらく方の割合が一般枠より多く、給与が上がりにくい傾向にあることが分かりました。障害者雇用枠での待遇が一概に悪いというわけではありませんが、特に精神障害のある方の給与が上がりにくい傾向が強く、年収200万〜350万円の層が中心です(出典:精神障害者の就労における障害者枠と一般枠の違い|パーソル総合研究所)。
障害者雇用枠での給与アップのためには、待遇の良い企業や正社員登用制度のある就職・転職先を探す、新たな資格・スキルを取得するなどの工夫が必要だといえます。
職務内容やキャリアアップの選択肢が制限されることがある
障害者雇用の仕事は、合理的配慮の提供に基づき、個々の特性に合わせて業務内容が調整されます。こうした配慮があることで、障害のある方にとってはたらきやすくなる反面、仕事の幅や働き方、キャリアアップの選択肢が狭められてしまうことがあります。
また、障害者雇用では、契約社員やアルバイトなど、非正規雇用からのスタートとなっているケースも少なくありません。障害のある方がスキルや経験を活かして活躍するには、キャリアパスを明確に示し、そのサポートを惜しまない企業を見つけることが大切です。
障害者雇用枠での新卒就職の事例を紹介!
以下では、障害者のための就職支援サービス「dodaチャレンジ」の支援実績の中から、障害者雇用での新卒就活における成功のポイントを探っていきましょう。
就職エージェントへの登録が選択肢を広げる転機に
先天性の下肢障害のあるAさん。周囲と同じようにはたらけて、自分の「好き」が活かせる仕事を希望していましたが、学校の就職課では車いすではたらける仕事に出会えませんでした。しかし「dodaチャレンジ」への相談が転機となり、就職活動がぐっとスムーズに。希望条件に合った20社以上の企業の紹介や、マンツーマンの面接対策などを通し、安心してはたらける仕事に内定が決まりました。
ITスキルを身につけ希望条件に合った仕事に就職
感音性難聴のあるFさんは、高校卒業後、興味のある美容分野が学べる海外の専門学校へ留学していました。ところが、インターンシップを通して自分には向いていないと気づき、帰国後に新たなスキルを身につけることを決意。障害者職業能力開発校でIT分野のスキルアップを図った後「dodaチャレンジ」を利用して就活を始めた結果、強みが活かせて在宅勤務が可能な仕事への新卒採用が決まり、ワーク・ライフ・バランスの充実した毎日を送っているそうです。
就労移行支援事業所へ通所しながら障害理解を深めた就活
大学3年生のときに双極性障害を発症したTさん。復学・休学を繰り返す中、就労移行支援事業所の存在を知り、就活へ向けて通所することを決めました。通所する中で自分の障害への理解が深まり、体調も上向きに。さらに障害者手帳を取得し、障害者雇用枠での就活を始めました。「dodaチャレンジ」のサポートを受けながら自分のペースで就活を進めたことで、学んだ知識が活かせる第一希望の研究職で新卒採用され、充実した働き方が実現しました。
障害者雇用枠での就職は「dodaチャレンジ」が二人三脚でサポート
障害者雇用枠は、障害のある方が応募できる求人のうち、より合理的配慮を受けやすい環境ではたらくための選択肢です。障害のある方にとって一般枠より応募しやすいほか、通院・治療との両立や就職・就労にあたっての配慮を受けながら、仕事で活躍できる可能性が高いといえます。障害者雇用に特化した就労支援サービスも活用して、自分に合った就職先を見つけましょう。
障害のある新卒学生のための就活エージェント「dodaチャレンジ」では、プロのキャリアアドバイザーが専任となり、二人三脚で伴走するように寄り添ってサポートします。非公開求人を含む障害者雇用求人の紹介や応募書類の添削、面接対策など、納得のいく就職先が決まるまで丁寧にフォローします。金融、ゼネコン、メーカー、商社など大手・有名企業への支援実績も豊富です。個別相談会や企業人事担当者とのオンライン座談会、模擬面接会などさまざまな就活対策を実施していますので、ぜひお気軽にお申し込みください。
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公開日:2025/12/24
- 監修者:戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネジャー
- 上智大学総合人間科学部社会学科卒業後、損害保険会社にて法人営業、官公庁向け営業に従事。2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。
【保有資格】- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■障害者職業生活相談員
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