私がうつ病を発症したのは、50代に入ってからでした。原因は過労・寝不足によるストレスです。大学卒業後は、金融業界の団体職員、家業の経営などを経て、インフラ関連の会社に15年勤めている間に、発症しました。異動に伴い通勤時間が片道2時間以上になり、さらに連日の残業で、朝起きられない、体が重い、頭痛とめまいなど体調不良を感じるようになったのが始まりです。そのうち、遅刻早退が増え、休日でも気力体力が沸いてこず、何もできなくなってしまいました。これは心身の限界ではないかと病院を受診すると、すぐに休職するよう医師に診断されました。
焦りから半年の休職後に転職、そして再発
休職してから1ヶ月半は、ひたすら寝ていました。相当、体が疲れていたのだと思います。徐々に回復してきて、半年経った頃、「そろそろ復職しなければ」と考えるようになりました。生活をしていくためにはたらかなければなりませんので、休んでばかりはいられないと、だんだんと気持ちは焦るものの、体がなかなかいうことを聞きませんでした。同じ会社に復職することには不安があったので、年齢的に葛藤はありましたが、転職することにしました。
インターネットで求人を検索して、未経験かつ50代でも受け入れてくれるという警備会社に入社しました。実際、年配の方も多かったので、続けられるのではないかと感じました。しかし、病気がまだ完全に回復していなかったようで、うつ病が再発してしまったんです。結局、警備会社も休職することになりました。
再発を繰り返したくない。デイケアと就労移行支援事業所に通所し、うつ病に向き合う
医師から、うつ病の再発を繰り返すのは良くないと言われていたので、しっかり治してから社会復帰しようと考えを改めました。調べると、障害者採用の雇用枠があることを知ったので、障害者手帳を取得し、自立支援のデイケアサービスに8ヶ月、それから就労移行支援事業所にも8ヶ月間通所しました。
デイケアサービスの心理講座で、うつ病の発症メカニズムから対処の仕方、認知行動療法まで学ぶことができ、再発しないためには、生活リズムを整えることの重要性を知り、土日の過ごし方が変わりました。それまでは、仕事で疲れた体を癒やすために土日は寝て過ごしたり、横になりながらスマートフォンを見る時間が多かったのですが、規則正しく起き、活動するようになりました。
ハローワークやdodaチャレンジを活用して転職活動
生活リズムも整ってきたころ、生活費のことも考え、就労移行支援事業所に通所しながら転職活動を始めました。最初はハローワークや東京しごとセンターに通い活動をしていましたが、なかなか50代を受け入れてくれる求人が見つかりません。
私は、絶対に再発したくないし年齢的にも無理な転職を繰り返したくないので、安定して長くはたらけること優先し、第1希望はデイケアで知った「特例子会社」であることと考えていました。そのため求人数自体ももともと少なかったのだと思います。
障害者専門窓口で相談したり会社見学をしたりして応募したほとんどの求人が書類選考を通過しませんでした。
障害者専門の転職エージェントにも数社登録しました。しばらく音沙汰なくあまり期待していなかったのですが、その中でdodaチャレンジから「新しく募集開始した求人の中にご紹介できる求人がありますよ」とメールを頂きました。5社ほどの会社を紹介してくれ、その中に現職の求人も含まれていました。
ハローワーク経由でも既に複数社に応募していたので、平行して応募することにしました。