統合失調症/30代/人事総務への転職ストーリー

統合失調症の方の転職体験談統合失調症の方の転職体験談

障害者雇用枠ではたらきながら、徐々にキャリアアップ。自分に合ったはたらき方を選択してきました

N.S.さん 30代 統合失調症

転職活動期間
1年
前職
IT業界 事務
現職
IT業界 人事総務

通信制高校の在学中に就労移行支援事業所に通所し、就職

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私が統合失調症を発症したのは10代の頃で、中学2年生から通院をしはじめ、しばらくは療養をしていました。障害者手帳を取得したのもその頃です。その後、家庭の事情もあり20歳で一人暮らしを始めたのですが、生活に慣れ、いざ「はたらこう」と思ったときに学歴の必要性に直面しました。通信制の高校に通いはじめ、並行して就労移行支援事業所を紹介され、2度通所しています。その時の事業所の支援で医療業界の会社ではたらくことが決まり、経理部に配属されました。主な仕事内容は、資料整理やファイリングです。仕事にはすぐ慣れることができたものの、はたらき始めて2年くらいすると、仕事の幅をもっと広げたいという意欲が出てきました。また、その時はパートタイム雇用だったので、正社員や契約社員を目指したいと考え始め、転職することにしました。

当時は、障害者雇用の求人情報が少なく、とりわけ、精神障害のある求職者は書類通過も非常に難しい頃でした。自分の希望にあった企業や職種を探すのではなく、紹介された求人に興味があれば応募する、そのような転職活動を行い、選択肢は少なかったのですが、タイミングが良く、すぐにIT企業の契約社員として内定をもらうことができました。

2社目は社風に馴染めず、会社の業績悪化もあり1年で退職

このときはハローワーク経由でIT系のベンチャー企業に転職しました。総務部に配属され、契約書の入力業務や書類管理、仮払い精算など担当業務の幅が広がり、やりがいはアップしました。ただ、どうしても社風に馴染むことができず、この会社には長くは続けられないかもしれないと感じながら仕事をしていました。入社して1年で業績が悪化し、会社の将来性への不安から2度目の転職に踏み切りました。

dodaチャレンジに登録し、成長を実感できる職場に転職

このときに、dodaチャレンジに登録し、キャリアアドバイザーに支援してもらって都内のIT企業に転職しました。この会社には6~7年勤務しています。配属された総務部では、業務で社内外の方と接する機会がありました。これまで仕事で人と話す業務はあまりなかったので、最初は緊張しましたが、少しずつ慣れて、コミュニケーションスキルも向上していきました。例えば、社長のお客様を応接室にご案内したり、お客様と会話することで、自分に自信が持てるようになり、仕事によって成長している実感がありました。

仕事も、勉強も、頑張りたい。それに伴い体調に変化がー

総務部の中には法務のチームがあり、徐々に法務に関する業務も任せてもらえるようになっていきました。個人情報保護に関することや内部監査の立ち会いなど、専門的な業務にも携わることができ、法務分野の知識が増えていくことが楽しく、やりがいも大きかったです。しかし、仕事を頑張った分、知らず知らずのうちに心身に負荷があったのか、体調を崩すようになりました。夜は眠れず、朝に起きられなくなる睡眠障害です。
ちょうどその頃、通信制の短大に入学したのですが、その影響もあったかもしれません。職場でのストレスは増え始めたものの、仕事内容は好きでしたし、短大での勉強も楽しく息抜きになっていたため、私は両方頑張りたかったんですよね。しかし、その後も体調の悪化が続き、一度休職することになってしまいました。1ヶ月後に復職したものの、睡眠障害は改善されないまま、朝起きられないことから始業時間に出社することができませんでした。遅刻が続き、月給制の契約社員から、時給制のアルバイトに切り替わるなど悪循環が続き、ストレスで24時間常に心の糸がピンと張っている状態でした。

もう1度転職を。自分に合ったはたらき方ができる仕事を条件に

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この時の病院での検査では、睡眠障害から起床の不安定さがあることに加え、特定の場面でのコミュニケーションの苦手さがあることが分かりました。今のはたらき方で仕事を続けることは難しいので、ストレスの少ないはたらき方ができる職場へもう一度転職活動しようと考えました。再度dodaチャレンジに連絡をとり、もう1度、転職支援をしてもらいたいと相談しました。キャリアアドバイザーは私の状況を理解してくれ、私はフレックス制度と在宅勤務を第一条件にあげ、さらに年収維持かそれ以上、都内勤務であることなどを希望しました。

キャリアアドバイザーはさっそく、希望条件に合った求人を数十社紹介してくれましたが、その中から絞ってエントリーしていたこともあり、書類選考の通過はよくありませんでした。直近で私が体調を崩していることに対する不安も、採用を見送る企業判断につながったと思います。

現職を辞めないで転職活動を。根気よく支えてくれたdodaチャレンジ

dodaチャレンジ以外のエージェントにも登録していましたが、転職活動は長期化しました。先の見えない転職活動に不安はありましたが、「どんなに辛くても、転職が決まるまで現職を辞めない」と決めていました。離職期間がない方が転職に有利であることや、仕事を辞めることにより金銭面で転職に焦りがでてしまうことで、自分に合わない会社を選択してしまう可能性が上がるから、できる限り続けたほうがいいという考えは、どのエージェントでも共通見解でした。

私の転職活動を最後まで根気強く伴走してくれたのは、dodaチャレンジだけでした。度々連絡をくれて「Nさんはありのままでいいんですよ。Nさんを必要としてくれる会社を探せばいいだけですから」と言ってくれたことは、その後も心の支えになりました。私自身も仕事や転職活動に張り詰めすぎないよう、短大で専攻する経営学の勉強や読書など、好きな時間を過ごすことも大切にしていました。

1年の転職活動で得られた「自分のことを自分で決められる自由な職場」

こうして1年という長い時間がかかった転職活動でしたが、私のすべての希望が叶う会社と出会うことができました。フレックス制度もあり、リモートワークも可能で、年収も大きく上げることができました。現在は週4日在宅勤務をすることができています。試用期間も終わり、会社環境にもなれてきたため、現在は社食で好きなメニューの日に出社したりしています。チームの方は優しい人が多く、自分のことを自分で決められる裁量的なところが私には合っていると思います。

現在の私の担当業務は、人事の事務職で、契約書作成や有給管理、残業管理等です。はたらきながら、短大も無事卒業することができ、大学に進学しました。今は従業員のエンゲージメントについて研究することを目標に、日々幅広い分野を楽しく学んでいます。今後は、従業員のエンゲージメント向上に貢献する仕事にもチャレンジしたいと思っています。

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メッセージ

ネットで情報収集していると、中には、「精神障害があるとどこの会社も採用してくれない」といったコメントを見つけたりもしますが、もし不安に感じている方がこの記事を読んでくれていたら、「そんなことはないよ」とお伝えしたいです。
そして、転職活動はひとりで活動するのではなく、転職のプロフェッショナルと一緒に進めることをおすすめします。体調の不安定さがあると困難なこともありますが、dodaチャレンジのキャリアアドバイザーは、諦めず親身になって長い転職活動を支えてくれました。「Nさんはありのままでいい。Nさんを必要とする会社を探せばいいだけですから」というキャリアアドバイザーの言葉にどれだけ励まされたか、きっとこれからも忘れることはないと思います。

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