私が統合失調症を発症したのは10代の頃で、中学2年生から通院をしはじめ、しばらくは療養をしていました。障害者手帳を取得したのもその頃です。その後、家庭の事情もあり20歳で一人暮らしを始めたのですが、生活に慣れ、いざ「はたらこう」と思ったときに学歴の必要性に直面しました。通信制の高校に通いはじめ、並行して就労移行支援事業所を紹介され、2度通所しています。その時の事業所の支援で医療業界の会社ではたらくことが決まり、経理部に配属されました。主な仕事内容は、資料整理やファイリングです。仕事にはすぐ慣れることができたものの、はたらき始めて2年くらいすると、仕事の幅をもっと広げたいという意欲が出てきました。また、その時はパートタイム雇用だったので、正社員や契約社員を目指したいと考え始め、転職することにしました。
当時は、障害者雇用の求人情報が少なく、とりわけ、精神障害のある求職者は書類通過も非常に難しい頃でした。自分の希望にあった企業や職種を探すのではなく、紹介された求人に興味があれば応募する、そのような転職活動を行い、選択肢は少なかったのですが、タイミングが良く、すぐにIT企業の契約社員として内定をもらうことができました。
2社目は社風に馴染めず、会社の業績悪化もあり1年で退職
このときはハローワーク経由でIT系のベンチャー企業に転職しました。総務部に配属され、契約書の入力業務や書類管理、仮払い精算など担当業務の幅が広がり、やりがいはアップしました。ただ、どうしても社風に馴染むことができず、この会社には長くは続けられないかもしれないと感じながら仕事をしていました。入社して1年で業績が悪化し、会社の将来性への不安から2度目の転職に踏み切りました。
dodaチャレンジに登録し、成長を実感できる職場に転職
このときに、dodaチャレンジに登録し、キャリアアドバイザーに支援してもらって都内のIT企業に転職しました。この会社には6~7年勤務しています。配属された総務部では、業務で社内外の方と接する機会がありました。これまで仕事で人と話す業務はあまりなかったので、最初は緊張しましたが、少しずつ慣れて、コミュニケーションスキルも向上していきました。例えば、社長のお客様を応接室にご案内したり、お客様と会話することで、自分に自信が持てるようになり、仕事によって成長している実感がありました。
仕事も、勉強も、頑張りたい。それに伴い体調に変化がー
総務部の中には法務のチームがあり、徐々に法務に関する業務も任せてもらえるようになっていきました。個人情報保護に関することや内部監査の立ち会いなど、専門的な業務にも携わることができ、法務分野の知識が増えていくことが楽しく、やりがいも大きかったです。しかし、仕事を頑張った分、知らず知らずのうちに心身に負荷があったのか、体調を崩すようになりました。夜は眠れず、朝に起きられなくなる睡眠障害です。
ちょうどその頃、通信制の短大に入学したのですが、その影響もあったかもしれません。職場でのストレスは増え始めたものの、仕事内容は好きでしたし、短大での勉強も楽しく息抜きになっていたため、私は両方頑張りたかったんですよね。しかし、その後も体調の悪化が続き、一度休職することになってしまいました。1ヶ月後に復職したものの、睡眠障害は改善されないまま、朝起きられないことから始業時間に出社することができませんでした。遅刻が続き、月給制の契約社員から、時給制のアルバイトに切り替わるなど悪循環が続き、ストレスで24時間常に心の糸がピンと張っている状態でした。