うつ病・ADHD/40代/人事への転職ストーリー

うつ病・ADHDの方の転職体験談うつ病・ADHDの方の転職体験談

うつ病と就職退職を繰り返し20年。就労移行支援事業所へ通所後、2回目の転職では希望の人事採用職を目指しました

W.K.さん 40代 うつ病・ADHD

転職活動期間
5ヶ月
前職
イベント業 事務サポート
現職
メーカー 人事採用

新卒で入社した会社は1ヶ月で休職、その後20年うつ病を繰り返す

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大学卒業後、私はアパレル会社に就職したのですが、入社直前に家族が亡くなり、とても不安な気持ちで社会人生活をスタートさせました。販売員としてお客様にしっかりと対応しなければならないと、頭では分かっていても、心や体がついていきませんでした。精神的に辛い状態が続き、入社1ヶ月で出社できなくなってしまいました。人事からは落ち着くまで休職しても良いと言われたのですが、当時の私は、1ヶ月で仕事ができなくなってしまったことで会社に申し訳ない気持ちが強く、退職することにしました。

退職後も、心身の状態はあまり落ち着くことはありませんでした。その後はうつ病を繰り返し、また短期間の派遣社員として就業しては退職を繰り返すようになりました。当時の私は、正社員より派遣社員で仕事をする方が安心だと感じていました。職場に馴染めなければ別の会社ではたらけるので好都合だったんです。そんな生活を20年ほど続けていました。

ADHDと診断されて初めて自分が障害者だと認識し、障害者手帳を取得

3度目のうつ病を発症したとき、うつ病以外に、発達障害の可能性があると言われました。検査してもらったところ、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。これまで思い当たるような違和感もなかったため、最初はすぐに受け入れることはできなかったものの、軽度とのことだったので、私のようなケースもあるのかなと思いました。そして、発達障害と診断されたことで、これから先、私はどのように生きていけば良いのかという不安が大きくなりました。私には、頼れる家族がいなかったため、市の専門機関に相談に行くことにしました。

市の担当の方は、とても優しく話を聞いてくれて、そこでかなり気持ちが楽になりました。障害者手帳の取得や障害者年金の申請など懇切丁寧にサポートしてくれましたし、障害者雇用制度についても教えてくれました。就労移行支援事業所についても教えてもらい、当時離職中だった私は今後の就職準備のため通所することにしました。

就労移行支援事業所に1年半通所後、dodaチャレンジに登録

就労移行支援事業所には、会社に通うような気持ちで毎日通所しました。そこで出会う仲間も私と同じように悩んでいたり、不安に思っていたり、共感し合えることが多かったので、少しずつ私の心が落ち着いてきました。時には落ち込むこともありましたが、支援スタッフの方に支えられながら、仲間と励まし合いながら、1年半通うことができました。

就職活動は、dodaチャレンジを始め、いくつかの障害者専門の転職エージェントに登録しました。私にとって、一番信頼できるキャリアアドバイザーはdodaチャレンジの方で、前回も今回も、2回の転職はdodaチャレンジにサポートしてもらいました。

1回目の障害者雇用枠での転職は事務職。契約社員から正社員登用へ

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担当のキャリアアドバイザーは、ゆっくりしたペースで話し、私に寄り添ってくれる安心感がありました。面談後は報告書を作成して見せてくれましたが、私が話したことをプロの視点で整理してくれて、その内容を読んだ私自身も自己理解が深まっていくような内容でした。

障害者としての転職活動は初めてだったのと、1年半ぶりの社会復帰で、早く仕事に就きたい焦りもありましたが、キャリアアドバイザーのサポートのおかげで、事務職で就職が決まりました。担当業務はイベント事業部の営業サポートです。一番心配だったのは、これまで短期間での就業が多かったので、長く就労を続けられるかということでした。結果的には、安定した心持ちではたらくことができ、2年の契約満了後には正社員に登用されました。自信がついた私は、その後、キャリアアップのため転職することにしました。

1度目の転職から2年、キャリアアップのため人事採用職へ

うつ病と短期間就業を繰り返していた以前の状況を考えると、キャリアアップのために転職がしたいという自分の意欲に驚きました。契約社員から正社員に認められたことで自信になり、仕事へのモチベーションも出てきたのです。2回目の障害者雇用での転職では、キャリアアドバイザーに「人事や採用業務の仕事がしたい」と伝えることができました。

派遣社員時代、採用業務に関わった経験があり、目標の採用人数が達成できたり、入社後に活躍される方々を見て充実感とやりがいを感じていたからです。キャリアアドバイザーは、私の希望を考慮して、人事、採用業務を中心に複数の求人を紹介してくれました。

無理をしないはたらき方で、希望の仕事ができる喜び

現在私は、大手メーカーの人事部採用チームに所属しています。中途採用、新卒採用の両方に関わっており、採用イベントの管理や面接調整、入社後受け入れなどの担当をしています。所属する7名がチーム一丸となって業務を連携しながら仕事を進めていくことに達成感もあります。また障害への配慮にもきめ細かくて、安定した状態ではたらけています。

たまに私が終業チャイムが鳴ったあとも残っていると、10分ほどで、「早く帰ってね」と声をかけてくれます。そこまで気遣ってくれなくても大丈夫と思うほど。しかし、このような周囲の丁寧な配慮の積み重ねが、障害者枠においては大事なので、良い状態のときこそ自分に無理せずにいこうと思います。

将来は就労移行支援事業所のピアサポーターのパラレルキャリアもやってみたい

今回の希望は、人事採用職でキャリアアップでしたが、もう1つ良い点がありました。それは通勤時間が半分になったことです。加えて、就業時間が前職より30分早くなったことも障害の特性上、早寝早起きを習慣化している私には好都合でした。また在宅勤務も可能な職場ですが、私はあえて、週5日の出社を選択し、生活リズムを一定に保つようにしています。今後チャレンジしたいことは、パラレルキャリア(複業)ですね。地域や就労移行支援事業所のピアサポーターとして、障害がある方の支えになりたいと思っています。

うつ病・ADHDの方からのメッセージうつ病・ADHDの方からのメッセージ

メッセージ

いま、私のメッセージをお読みいただいている方は、誰かに話を聞いてもらいたい、必要な情報が欲しい、と思っていらっしゃるのではないでしょうか。私は、その気持ちがよく分かります。私自身、うつ病を繰り返しながら過ごした20年、頼れる家族もおらず、どこで話を聞いてもらえるのかも分らなくて、とても苦しい思いをしていました。
転機は発達障害と診断されたときです。私はうつ病を障害と思っていなくて、ADHDの診断を受けて初めて、「自分が障害者」と認知し、助けを求めに専門機関にたどり着きました。そのときの担当者との出会いで、人生が180度転換しました。どうか、このメッセージを読まれている方は、一人で不安や困りごとを抱えず、声を上げてください。dodaチャレンジでも良いし、自治体の専門機関でも良いと思います。

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