当社が、障害のある方の採用に取り組み始めたのは、2016年春のことです。人事である私が中心となりましたが、障害者雇用の見識もなく、制度もない中、手探りで始めた取り組みでした。戸惑いもある中で推進していけたのは信念があったからです。私たちは、看護師専門の人材会社ですが、人が持つ能力やスキルを発揮できる環境づくりを目指す会社として、多様性のあるはたらき方を実現すべく、障害のある方を受け入れることは、社会的責任として必要ではないか、その一心でした。
従業員数100名強、全社員が見渡せる規模で、一人ひとりが担当する業務は多岐にわたり属人化していく傾向がありました。つまり、「その人にしかわからない業務」が多い、業務が標準化できていないことが課題として見えてきました。障害のある方を受け入れる際、障害の状況に応じ個に合わせた業務を配分できるかが重要であると考えたため、まず業務の棚卸しを行いました。
いきなり全社的に行うことは難しいと判断し、私が所属する人事・業務部から始めました。一から筋道を立てて仕事を組み立てていくわけですが、棚卸しをしていく中で、私自身が担当する業務においても、「ふわっと判断していることが多い」と実感しました。誰がやっても、同じクオリティの成果が出るようにするためには、この「ふわっと判断する」ことがないようにしなければなりません。自分のやり方を見直す良いきっかけにもなり、業務の棚卸しの結果、フローチャートが完成しました。