転職する際、たいていの場合、転職先の給料がいくらか、他社と比べて高いのか低いのか比較すると思います。DODAでも、職種別平均年収が確認できます。
生涯賃金とは何でしょうか。学校を卒業後、新卒で入社し、定年退職までに取得する給与と賞与の累積額に退職金を加えた総賃金収入です。1年という期間だけで見るのではなく、生涯にわたって稼ぐことのできるお金の総額を考えることも大切です。いくら稼ぐかによって、生活スタイルも違ってきます。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計−労働統計加工指標集−2005」 (定年まで・退職金を除く:2002年/引退まで・退職金を含む:1997年) |
学歴別で退職金を除いたデータで比較すると、男性は中卒1億8,780万円、高卒2億820万円、大卒が2億7,520万円、女性では中卒が1億1,141万円、高卒1億3,420万円、大卒2億2,470万円となっており、学歴が高くなるにつれ生涯賃金も高まっています。
学歴による差よりも、もっと大きな格差となって現れるのは企業規模による格差です。企業規模別では、例えば男性大卒の場合、企業規模1,000人以上では3億1,670万円にまで達するのに対し、企業規模10〜99人では2億1,690万円。単純にいえば、大企業と小企業とでは生涯賃金に1億円近い差がつくことになります。高学歴で、就業先企業が大規模になるほど、また女性よりも男性の方が生涯賃金は高くなっています。
ところで、フリーターの生涯賃金は5,200万円(UFJ総合研究所調べ、2004年)です。男性の大卒の生涯賃金(2億7,520万円)と比べると2億円以上の差がつくことになり、格差は約5倍に広がります。
生涯賃金を見てきましたが、それではこれからの人生にいったいいくらかかるのか、試算してみましょう。例えば夫婦と2人の子供の家庭。この場合、約3億1,000万円となります。生涯賃金と年金を合わせた総収入を生涯所得と言いますが、下記のケースでは4億3,360万円となり、生涯収支は1億2,360万円の黒字になります。

どんな人生が送りたいですか?夢をかなえるにはいくら必要なのでしょうか?月々の収支、日々のやりくりも大切ですが、将来を考えていくらお金が必要なのかという観点を持つことも、転職先を考える際の大きなポイントです。転職先を考えながら、この先どんな人生が送りたいのか、ライフプランを作りましょう。
まずは、転職する会社の給料は同業他社の平均より高いのか低いのかを確認しましょう。同じレベルの仕事をしても、もらえる給料は業種や勤める会社によってかなり違います。また、転職して年収が増えたとしても、生涯賃金が減ってしまうということもあります。転職によって本当に収入が増えているのかを考えるためにも、生涯賃金という概念は大切です。
生涯賃金を考える上では会社からの見えない手当、福利厚生もチェックしましょう。社員寮や社宅、福利厚生制度や待遇の充実などです。転職していくら年収が多くなったとしても出費が多くなれば同じことです。これまで家賃の安い社宅などに住めたのに転職先ではそのような施設がないというような場合は、それだけ出費が増えてしまいます。また、大きな違いとなるのが退職金です。最近は、退職金制度を改正している会社が多くあります。生涯賃金を考える上では退職金制度を確認することも大切です。
生涯賃金データも1997年ごろから減少傾向にあります。バブル崩壊以降、全体的な賃金水準は低下していると言えます。賃金制度も年功序列型から、年俸制に代表されるような毎年の成績で給与を決める会社も増えてきています。
また生涯賃金は、終身雇用を前提にしています。定年まで働くことができるのか、何歳まで働くことができるのかによって変わってきます。そう考えると、働き続ける力を持つことが何よりも大切です。もし、生涯現役で働いて収入を得られるなら、年金や貯蓄についてはそれほど心配しなくてよいということになります。
生涯賃金と言っても、30年後は社会状況もどうなっているかは誰にも分かりません。転職する際には、自分が本当にやりたい仕事を探すなど、人それぞれ理由があると思いますが、お金の面から見るときは生涯賃金も考えましょう。
執筆担当:株式会社FP相談センター、ファイナンシャルプランナー 小泉 朱希
転職ノウハウ・マーケット情報
著名人インタビュー
データで見る転職情報
事例に学ぶ転職お役立ち情報