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緊急レポート 金融系エンジニアの転職はどう変わるのか?

2008年9月の米リーマン・ブラザーズ破綻に端を発する金融危機、またそれに伴う業界の再編の動きの中で、金融業界を支えるITエンジニアの動向も先行き不透明な状況が続いている。証券を中心に業界そのものが収縮していく中、ITエンジニアに対する人材ニーズの在り処は今後どうなっていくのか。また、個人にとって将来的なキャリアをどのように考えていけばよいのか。キャリアアドバイザーに聞いた。

「安定」を企業に求めない時代へ

キャリアアドバイザー
藤田芳彦
キャリアカウンセリング事業部
ITグループ

金融系エンジニアの転職、ひいてはキャリア展望を考えるに当たって、2008年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻以降から現在(2008年末)までの業界の採用マーケットを大まかに把握しておきましょう。

強く影響を受けているのは証券業界です。IT投資ができない状況にあり、ITエンジニアのニーズも開発案件に関してはほぼない状況にあります。2008年末にかけて、メガバンクでは三菱東京UFJ銀行のシステム統合プロジェクトや、クレジットカード業界では、大手カード会社の基幹システム開発案件がカットオーバーを迎えるなど、いくつかの大規模なプロジェクトが終わると目されています。メガバンクの大型合併に伴う統合案件はこれでほぼ落ち着くものと考えられており、今後は海外支店などのシステム標準化の案件が多くなっていくと考えられます。

現在、金融業界の中でITエンジニアのニーズが比較的高いと言えるのは、クレジットカード業界と生命保険・損害保険業界でしょう。カード業界も2004年以降、再編・統合の流れの中にあり、大手同士のシステム統合案件が2009年に入っても引き続きある状況です。100人単位での募集をかけているような大手SI会社もあるほどです。また生損保業界のニーズの背景としては、2007年に発覚した大手生保の不払い問題があります。金融庁からの行政指導により、保険の契約周りや個人顧客とのフロントエンド周辺のシステム改修の必要性が生じ、今も関連のプロジェクトが継続中です。SI会社でも全体的に採用が縮小する傾向の中、生損保関連の募集は引き続き一定数ある状況です。

しかしながら全体として人材ニーズは縮小傾向にあり、特に2008年末~2009年1~2月頃までは各企業・金融機関ともに採用・人事計画を見直し、来期に向けてどこに投資していくかを見極めようとしているところだと考えられます。

転職活動を始めてみて、自分の立ち位置を知る

現在のような環境下で、個人は“安定志向”に向かう傾向があります。一方で、前述のように2008年末から2009年初頭にかけて、業界でも屈指の大規模案件がいくつか完了します。長期にわたる大きなプロジェクトを終えると、ある意味“燃え尽きた”ような状態になり、漠然と「どこか別の会社で別のことをやりたい」と考える方が出てきます。特に金融の世界における“システム”は公共性の高いインフラのような位置づけであるケースも多いので、プロジェクトの成功に対するプレッシャーも高く、終わったときにそのような気持ちになることは理解できます。しかし、本当にその“気分”のままに転職してしまってよいのでしょうか。

先行き不透明なマーケット環境の中、そして実力主義・成果主義が広がりを見せる中で、「この企業に入れば、将来にわたって安泰」と言えなくなってきていることは、今回、世界的な不況に陥っていく状況を見れば誰もが理解するところかと思います。変化の大きい時期には、“安定”を求めるのであれば、「安定した会社に転職する」という考えは捨てるべきでしょう。企業に安定を求めるのではなく、キャリアの継続性を意識しながら、自分自身のスキルを上げていくことが重要です。そうすると結果的にはさまざまな仕事に対応できるようになり、勤務先は一定ではなくても安定した収入を得られることに繋がっていくと考えられるからです。

でも、どのようなスキルを身につけていくべきなのか、自分の経験は今後どんな領域で活かしていけるのかわからないという方も多いと思います。そんな方に提案したいのが、転職活動の手始めとしてキャリアアドバイザーに相談してみること。相談に来たらすぐに転職しなければならないわけではありません。業界・職種に精通したキャリアアドバイザーによるカウンセリングを受けて、業界の最新動向やその中での自分の立ち位置・評価を肌で感じるところから始めてみましょう。自分のキャリアの強み・弱みを把握し、「今できること」と「自分がどうなりたいか」をすり合わせていくことで、進むべき方向性が見えてくるはずです。

編集部の注目したPOINT

世界同時不況と言われる現状ですが、当たり前のことながらニーズのあるところには変わらずあるのですね。社会全体のムードや気分に流されがちですが、この時期だからこそ、自分本位でキャリアを見直してみるべきなのでしょう。

エンジニアのニーズが比較的高いのはカード業界、生命保険・損害保険業界。

自分のスキルを上げて行くことで、安定感を持って働けるようになる。

キャリアカウンセリングで、業界動向や自分の立ち位置と方向性が見えてくる。

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