化学業界では今、異業種にいるエンジニアを求めている
化学業界を担当するリクルーティングアドバイザーの高村光児です。
前回の当コラムでは、dodaキャリアアドバイザーの藤井が、「研究開発の経験を活かして、他業種・他職種へ転職した事例」をいくつかご紹介しました。今回は逆に、化学業界“以外”の企業から化学業界へ転職した事例をご紹介したいと思います。
■転職事例(1) 自動車メーカーから大手総合化学メーカーへ転職したAさん
・31歳/男性/転職経験0回/完成車メーカーで生産技術職に従事
完成車メーカーにいると、どうしても全体を見る仕事、管理の仕事になってしまい、もっと技術寄りの仕事をしたいとキャリアカウンセリングに来られた方でした。私が担当している総合化学メーカーで、生産技術のポジションを募集していたので、ご案内したところ、無事内定、入社の運びとなりました。
化学に関する知見は全くない方でしたが、現場の方から丁寧に教え込んでいただけたそうで、転職から1年経った今ではご活躍されているそうです。
■転職事例(2)大手電力会社から大手総合化学メーカーへ転職したBさん
・29歳/男性/転職経験0回/電力会社でプラントの施工管理・保守業務を担当
業績の悪化に伴い、やりたい仕事ができなくなったため、転職を決意したとのことでした。電力プラントは強電系であり、化学プラントも基本的には強電系のプラントが多いことから、実際に面接をしたところ、即戦力とまでは評価できないが、基本はできているので育てていきたいという現場からの要請により内定が出ました。Bさんも、自分の知識が活かせる環境であることから入社を決意しました。
しばらく経って人事担当者にBさんのことを聞いたところ、入社後すぐに現場に馴染み、今では現場を運営するのに欠かせない人物になっているということでした。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
上にご紹介した二人の事例に共通することは、転職前は化学業界とは縁もゆかりもなかったということです。化学業界以外の業界にいる方に化学系企業を紹介すると、「化学の知識が必要なのではないのか」という質問を受けることが多いです。しかし化学業界の企業と言っても、求められるのは化学系技術者だけではないのです。
例えば、化学メーカーも当然に生産活動を行いますし、販売量を確保するために材料を量産します。生産するには機械が必要となりますし、機械を動かすために電気設備も必要になります。また、機械の修繕などが必要になることもあるでしょう。ニーズに伴って、設備の工程改善をすることもあるのです。
「機械屋さん(機械系技術者)、電気屋さん(電気系技術者)は、弊社では実は花形」
これはある大手総合化学メーカーの方から聞いたことです。化学メーカーでは実は機械、電気の出身者は将来の幹部候補となることが多いのです。“花形”で将来の幹部候補と言われるのには理由があり、化学メーカーは新卒採用において、機械卒・電気卒の学生を採用するのに非常に苦戦します。なぜなら、「最終製品を作るメーカーに行きたい」「化学メーカーで自分が活躍できるイメージがわかない」といういかにも新卒らしい理由で、自動車メーカーや機械メーカー、電機メーカーなどへ就職してしまうケースが多いからです。したがって、どの化学メーカーも相対的に社内に技術者が少ない状況になっており、ベテランの技術者に頼っている現状なのです。
ある転職希望者の方が、こう話してくれたことがあります。
「自分の代わりになるエンジニアはいくらでもいる…というような環境で我慢するくらいなら、ほかの業界にチャレンジし、信頼され、やりたい仕事をできる方が幸せ」
当然ながら簡単な道ではありませんが、「自分は化学が苦手」といった思い込みで化学系企業を転職先の候補から外してしまうのはもったいないです。私たちは、業界を横断して情報を共有し、さまざまな転職の可能性を探ります。ぜひdodaエージェントサービスに登録して、キャリアアドバイザーにご相談ください。
化学業界担当リクルーティングアドバイザー 高村光児
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