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4月に行われた「キックオフミーティング」を経て、プロジェクトが始動。デザイナーの描いたフロートのイメージデザインをもとに、前・後・左・右・上から見た「5(ファイブ)ビュー」の図面を作成し、現実的に製作できるデザインへと落とし込む。 |
「ゲストはスケールの大きいパレードを求めていますから、それに合わせフロートは年々大きくなっています。今回の『ジュビレーション!』に向けてフロートを14台作りましたが、非常にチャレンジングなプロジェクトになりました」。安永氏の言葉に力が入る。 「ジュビレーション!」のフロートは、25周年を記念したパレードで走らせるものだけに、他の追随を許さないスケールに仕上がっている。たとえば、「ティンカーベル」の乗るフロートはその高さが9メートルに達し、 ![]() 「当然ながらただ大きくすれば良いというものではなく、大きくなればなるほど重心点が高くなります。しかも、複雑な造形の先にぶら下がったゴンドラが揺れながら、その土台となるフロートは常に前進するわけですから、常に重心が移動し続けているような状態です。いかにして挙動を安定させるか、強度を維持するかという点、つまりテーマパーク運営に最も大切な“安全性”の実現には相当苦労しました」。 |

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強度計算や構造解析を行いながら、デザイナーとの折衝を行う。また、CAD上でパーク内の走行シミュレーションを行い、既存の建造物や植栽に干渉しないかなど、動線のチェックまでを行う。9月に入り、仕様書の作成に取りかかる。 |
「日によっては風が強いこともあるし、万一の場合にはパレード中に地震があるかもしれない。いろいろな要素を考慮し、安全性をクリアしなくてはなりません」――巨大なフロートを安定させること、そのためには「強度的には柱をあとひと回り太くできれば」というケースも多いのだと安永氏は言う。ただ、ここで課題となるのがデザイン性との両立だ。 「安全性を維持しつつデザイン性の要求も満たす」。デザイナーとの折衝には細心の注意をはらうとのこと。当然ながらデザイナーが望むイメージがあり、前述のフロートの柱の太さひとつとっても、デザイナーのこだわりがある。「これを太くしてはデザイン上のバランスが崩れる」といった美的観点や世界観に基づく主張も、強度を見ながら設計するエンジニアの目からみ見ると、高度な要望となる。「当然、すばらしいパレードにしよう、ゲストの期待を超えるフロートを走らせよう、という想いは私たちにもあります。デザイナーの要望は極めて高度なものですから、それを実現するために、エンジニア側にはその要望を現実のものとするスキルがないといけない」と岡氏はいう。 デザイナーはデザインのプロであり、技術に関しては素人。いくら強度解析のデータを見せたからといって納得できない部分は多い。そこで安永氏にとって役立ったのが、 ![]() |

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フロート作成を業者に発注。その後、具体的な図面をもとに発泡スチロールで原型をつくり、デザイナーに見てもらい改良すべきところをさらに細かく検査する。 |
精緻な強度計算や幾度とないシミュレーションを踏まえたフロートそのものの設計もさることながら、高さ数メートルもの巨大なフロートゆえに、実際に園内を走行した際に植栽や建物と干渉しないか、などといったシミュレーションまでがCAD上で行われる。
さまざまな解析を経て設計されたフロートの原型を作り、デザイナーとの確認、検証という行程を経て、ようやく製作に入ることができる。「でも、立体化された原型を目の前にして、ここでまたデザイナーとの議論が始まることも少なくありません(笑)」と岡氏。 技術的な機構の複雑さが加わったことで、エンジニアに求められるものも幅広くなった。 ![]() |

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フロート内の鉄骨を組む作業を3月にかけて行う。その後、運営スタッフも参加しての走行と動作テストを行い、使用上の問題を洗い出し、改良。いよいよ迎える4月からのスタートに向けて、最終準備を進める。
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約1年間のプロジェクトを経て、ついに「ジュビレーション!」がスタート。紆余曲折を経て完成したフロートがパーク内を走る。ゲストの笑顔と歓声に「すべてが報われる」。 |
コンピュータで制御されるようになり、フロートは進化し、より高度な演出が可能となった。フロートのオーディオ・アニマトロニクス(コンピュータ制御により、音楽と人形や動物たちがシンクロナイズされて動くショーシステム)が技術の進歩により、それぞれのテーマ曲に完全にシンクロして動き、言葉を発する。「10年前では考えられなかったようなことが実現できているのです」と安永氏。 だが、機構的に完成したから終わりではなく、その後はフロートを運用するスタッフとリハーサルを通じた協議が始まる。ここになって出てくるのが、使い勝手の問題だという。「実際に乗ってみたら思いのほか揺れが大きい、この上で踊れるのか、という声がショーのダンサーから出てきたりします。“しっかり強度計算しているから大丈夫だ”と説明しますが、 ![]() 技術はあくまで人の喜びに役立つためにあると二人は言う。「ゲストの喜ぶ姿を間近に見られること。それが何よりの喜びですね」 |


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株式会社オリエンタルランド | ||||||||
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