業界専任キャリアアドバイザーが語る 金融プロフェッショナルの転職最前線

【金融業界編】2012年下期 採用マーケット

2012.11.12

こんにちは。dodaキャリアアドバイザーの梅原 孝浩です。銀行、証券、運用会社を中心に金融業界の方の転職支援を担当しております。特に、投資銀行部門や運用会社のフロントからバック、銀行の法人営業ご経験者の方にお会いする機会が多く、今後のキャリア形成に関して外資系・日系問わずご提案しております。

今回は2012年上期(4~9月)の動向を振り返りつつ、下期(10~3月)の採用状況を予想していきたいと思います。

【銀行編】
昨年度と比較して、2012年上期は経験者採用を中心に金融業界全体の求人数は増加しました。その中でまずは、銀行です。2012年上期は、もっとも動きがあった業種でしょう。フロント、ミドル、バックの幅広いポジションで求人数が増加しました。現在は採用が終了したポジションもあり、各行において採用熱が高い領域は異なっています。その中でも、法人営業、システム部門職は採用熱が高く、政府系金融機関を初めとする多くの銀行が門戸を開けています。
中でも、法人営業のポジションは需給のミスマッチが生じています。求人数に対して、法人営業経験者の転職希望者が少ないため、今、転職活動を行う場合は好条件で他行に移れる可能性があります。また、システム部門職に関してはインフラ構築、アプリ開発に関わらず採用ニーズがあります。金融案件の経験を問わず、社内SEに興味があるSIerの方などは求人数が増加しているので今はチャンスです。職種毎に採用ニーズは違えど、総じて銀行では下期も即戦力に限定した採用は継続されるでしょう。

【証券会社編】
次に、証券会社です。リーマンショック以前のような採用熱はありませんが、リテール営業の採用は堅調です。経験者であれば広く大手から地場までの採用対象となります。一方、投資銀行業務は、プロダクトごとで採用ニーズに温度差がみられます。外資系証券会社のミドル・バックに関しては、フロント業務が香港を中心に海外に移管または縮小されたことから、エクイティ中心に(特にエクイティデリバティブ)関連のミドルオフィス、決済関連のオペレーション業務も日本での業務が大幅に減少しました。また、外資系を中心に日次・月次の作業を行うプロセスのみを担当していたポジションをインド・中国・東南アジアなどのコストの安価な海外へ業務移管を行うケースも見られ、日本に残っているポジションへの求められるスキルが上がっている状況です。
財務・経理・会計関連での職種では採用案件数が昨年に比べ減少していますが、プロダクトコントロールや管理会計の分野では、商品知識、会計知識および業務改善に対する積極的な姿勢や経験を備えた人材への採用ニーズが下期も継続していくと思われます。ミドル・バックの中でも比較的採用ニーズが高かったのが、規制対応等の影響を受けてのコンプライアンス職・リスク管理職、また流動性管理・資本政策を含むトレジャリー関連のポジションでした。この分野は規制上、海外移管も難しいため、下期も採用ニーズが比較的高い状況が継続するでしょう。
また、下期に関しては、リテール営業の採用は継続、投資銀行部門もアソシエイトクラス前後を中心に語学力とファイナンス・スキルに強みを持つ方を対象に若干の採用ニーズが発生する見込みです。

【保険会社編】
保険会社では、代理店営業、フルコミッション営業の求人数はほぼ横ばいで、営業経験者を中心に下期も採用継続が予想されます。ミドル・バックの職種に関しては、主に外資系でアカウンティング、システム部門職で募集を行うケースが見受けられました。ただ、本国対応が発生する関係上、英語力は必須で、求められるスキルセットも高い傾向が続きました。
アンダーライターやアクチュアリーに関しては、専門性が高いポジションがゆえに各社ともに採用を閉ざすことはないでしょう。一方で、損害サービスは上期に採用ニーズが先細り、現在も今後の動向が見えないことから、未経験者を対象とした採用が鈍化する可能性が出てきています。法律の知識や折衝力などを磨きたい方で損害サービスを希望される場合は、未経験OKのポジションがあればまずは応募することをお勧めします。

【ブティック系ファーム、アセットマネジメント編】
最後にブティック系ファーム、アセットマネジメントです。 ブティック系ファームは、事業承継関連のM&Aアドバイザリーファームを中心に積極採用を行っています。実績を上げている方であれば、リテール営業経験のみでも転職は可能で、下期もこの流れは継続される見込みです。 アセットマネジメントに関しては、目立った動きは出ておらず、基本的には社内異動で人繰りをしているようです。一部のバイサイドでは欠員採用を行っていますが、競争倍率は非常に高く難関といってよいでしょう。一方で、ミドルバックでは日系ブティックを中心にジュニアの未経験採用もあり、良縁にめぐり合えればキャリアアップできるチャンスもあります。また、フロントの厳選採用は下期も継続見込みで、転職を検討される方は多方面からの情報収集が転職成功の鍵になると考えられます。

リーマンショック以降は、各金融機関ともに明確な年間採用計画を立てない傾向があります。刻一刻と求人状況は変化していますので、転職を検討されている場合、まずは私たちのようなキャリアアドバイザーを活用いただくとよいのではないでしょうか。

梅原 孝浩

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