業界専任キャリアアドバイザーが語る 金融プロフェッショナルの転職最前線

【銀行編】2012年下期 採用マーケット

2012.11.19

こんにちは。dodaキャリアアドバイザーの梅原 孝浩です。銀行、証券、運用会社を中心に金融業界の方の転職支援を担当しております。特に、投資銀行部門や運用会社のフロントからバック、銀行の法人営業ご経験者の方にお会いする機会が多く、今後のキャリア形成に関して外資系・日系問わずご提案しております。

2012年上期(4~9月)、銀行業界は都市銀行、地方銀行、政府系金融機関、ネット銀行など幅広い業態の企業が採用を行いました。一部の金融機関では業界未経験者でも法人営業にチャレンジできるなど、昨年度と比較しても採用のバリエーションが広がりました。しかしながら、銀行業界全体的でみれば採用要件自体は高く、経験者採用が多かったことも事実です。

今回は、銀行業界における上期の状況を職種別に振り返ると共に、下期の採用マーケットを予想していきます。

【リテール営業】
まずはリテール営業です。各行ともに重点領域に掲げているリテール分野は、2006年に未経験者を大量に受け入れて以降、徐々に経験者採用にシフトし、リーマンショックからは基本的に経験者に限定した採用を行っています。採用要件として、銀行、証券のリテール営業経験者を求める傾向が強く、上期もこの流れを踏襲した格好です。
2012年上期では、地方銀行、外資系銀行、信託銀行で採用活動が行われ、3年以上のリテール営業経験を目安として銀行、証券出身者が採用されました。一方、一部の地方銀行では若手のポテンシャル採用で業界未経験者の受け入れも行われていました。
下期に関しても採用は継続見込みで、外資系PBではヘッドカウントを確保した上での採用になるため、ご自身の実力を試したい方や年収を上げたい方は是非ともチャレンジしてください。

【投資銀行業務】
一方、投資銀行部門に関しては、動きはあるものの、各行ともに経験者に限定しての厳選採用が主流です。日系に関しては、M&A、プロジェクトファイナンス、レバレッジドファイナンス、アセットファイナンスなど幅広いプロダクトでポジションがありますが、各種プロダクトに対してのニーズが低調なこともあり、ジュニアであっても英語力と高度な財務分析力を求められることが多く、特に大手に関しては競争率が高い状況が続いています。
下期の採用も経験者重視が継続されると見られますので、未経験者で投資銀行業務を希望される方はブティック系の投資銀行でキャリアを積みチャンスを伺うという方法もよいでしょう。

【法人融資営業】
次いで、法人融資営業のポジションです。法人融資営業のポジションは、ごく一部の企業においてポテンシャル採用がありましたが、それを除くと経験者採用が主流を占めました。業容拡大や退職者の補充を目的に企業側の採用意欲は高く、20代から30代の方を対象に年間で10名程度の採用計画を立てる銀行もありますが、法人融資営業経験者の転職希望者が少なく、上期の計画を割り込む企業も出ています。
下期も経験者を対象にして、政府系金融機関含め大手銀行の採用が継続されますので、これまでの経験を活かして新しいフェーズに移りたい方は、新卒採用活動によって企業の中途採用の動きが鈍る年内に応募することをお勧めします。

【システム系職種】
次に、システム系職種です。システム部門では昨年度よりインフラ構築、アプリ開発で活発に採用が行われていました。
今年度上期もシステム系職種の採用は横ばい傾向ではありましたが、都市銀行をはじめ、政府系金融機関でもSIerやシステム系コンサルの方を対象に社内SEの採用が活発でした。
下期は、4月入社を見据えて一部の大手金融機関でシステム系職種の採用が行われる見込みです。金融案件の経験がなくても、PM経験者や上流工程の経験者の応募を受け付ける金融機関も出てくる見込みですので、社内SEとしてミッションクリティカルなシステム開発に携わりたい方はこの機会を逃さないようにしてください。

【ミドル、バックオフィス】
最後に、ミドル、バックオフィスです。メガバンクや信託銀行などで語学力のある人材をオペレーションや、ガバナンス領域(監査、コンプライアンス領域)で数人程度採用する傾向や、会計・経理・税務の若手経験者を採用する傾向が見られました。外資系銀行・外資系信託銀行に関しては、もともと日本での規模が小さいことが多く、またコスト削減のため、バックオフィスの海外拠点やBPOファーム(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)へ業務移管を行っている企業も多いため、採用が非常に限られた状況でした。外資系銀行・外資系信託銀行は投資銀行などに比べると、外資系金融機関の中でも比較的人材の流動性が低く安定している傾向にあるため、下期の採用はリプレースメントや、サクセッション・プラン(後継者確保)の一環における採用に限られてくると予想されます。

銀行業界全体としては、即戦力を求める傾向は継続する見込みです。しかし、一部スポット的に未経験者を対象とした採用が動き始める可能性もあります。
特に複数名採用ではないポジションは動きが速いため、マーケットの動向には常に注意を払い、チャンスを逃さないことが重要です。

梅原 孝浩

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