転職活動における攻め時・守り時

こんにちは。dodaキャリアアドバイザーの川西 美穂です。私は、経理・経営企画・財務など、会計関連の専門職の方の転職支援を担当しております。

今回は転職活動における攻め時と守り時についてお話しします。皆さんもご存知かもしれませんが、転職のタイミングには、「攻め時（転職に適したタイミング）」、「守り時（転職には向いていないタイミング）」があります。私は今まで2000名以上の転職希望者にお会いしてきましたが、人生にもキャリアを築くための転職にも攻めるべき時と守るべき時があると実感しています。一度きりの人生ですから、できることなら最適なタイミングでベストなチャンスをつかみたいものですね。

例えば、勤務先企業の業績が著しく悪化してリストラの声が聞こえてきそうな状態の時。この場合は、早めに「攻め時」と見極めて行動を起こすべきです。勤務先が早期退職制度の実施に踏み切る可能性があるなら、その実施前に動きたいものです。実施後は同じ会社から同じ職種の人材が一気に転職マーケットに流れ込むことになるため、転職活動を始めるのが遅いほどライバルが多くなります。また対応を始めるのが遅いと、応募先企業から「危機感が薄い人」という印象を持たれる可能性もあります。

新卒で入社して就いた仕事が自分に合わないと感じ、異職種への転職を目指す場合はどうでしょうか。この場合は、転職に向けて動くのが早ければ早いほど「攻め時」と言えるでしょう。同じ職種へ転職するなら、少なくとも3年程度までは「守り時」です。3年を切る程度の経験だと、応募先企業から「経験が浅いのでスキルが身についていない」と判断されるからです。しかし現職とは違う職種にチャレンジしたいなら、逆に社会人経験が浅いほど「攻め時」となります。そのほうが柔軟に物事に対応できるとして、企業からポテンシャルを評価されることが多いからです。

また、一度転職した後しばらくは「守り時」と言えそうです。「転職後、何年経過すればまた転職してもOK」という明確なラインはありませんが、仮に入社から半年程度でさらに別の企業へ転職をしようとした場合、応募先企業からは良い印象は持たれません。このような場合は、何か早く退職したい理由があったとしても、現職に留まるほうが後のキャリアのためにはプラスになるでしょう。

では、あなたにとって今が攻め時なのか守り時なのかを知るためには、どのようにすればよいのでしょうか。1つの考え方として「市場」×「スキル・経験」で判断するのがよいでしょう。「市場」というのは、政策や経済状況にも大きく影響を受けるもので、求人数、企業の採用意欲、転職希望者の数、企業が中途採用に求める採用要件、人物像などを包括したものです。「スキル・経験」というのは、ご自身の英語力、PCスキル、取得資格、職務内容や経験年数、マネジメント経験の有無などです。

しかし「市場」×「スキル・経験」といっても包含される内容は幅広いため、個人で攻め時や守り時を判断するのは難しいでしょう。また、どんな業界でどんな職種に就くことを想定しているのか、そしてご自身の経験内容やスキルによって、攻め時や守り時は違います。そのため、単に同職種の人や、同年齢の人が転職に成功したと聞いて、それだけの情報から正しいタイミングを判断することは極めて難しいでしょう。多くの転職者のサポート経験があり、さまざまな市場とその動向に精通し、現在転職活動をしている転職希望者の状況も把握しているキャリアアドバイザーからの客観的なアドバイスは、攻め時と守り時を判断するには有効な情報ではないでしょうか。万が一、今が守り時だとわかった際にも、攻め時に備えて、英語力の向上などスキルや経験を磨く前向きな原動力へとつながりやすいのではないかと思います。

リーマン・ショック以降、求人数はほぼ右肩上がりですが、実は、2012年9月半ばから、経理・財務・経営企画などの会計関連の案件は前月比1割程度ずつ減少してきています。さらに不況時には、一番早く求人数が減少し、景気が回復してもすぐには求人が出てこないのが管理部門の特徴です。いつ転職をすべきかで迷っている間に、攻め時を逃すことは本当に残念なことです。お早めにあなたのためだけのアドバイスを一度受けてみませんか。

資格取得など、計画性と努力でキャリアを築き上げてきた会計専門職に就いている方々に対して、これからも計画的なキャリアを築けるようにお力添えができればと思います。

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