Sさんは経営の安定している大手企業子会社で店舗支援や売上管理などを任されていましたが、ジョブローテーションが多くひとつの経験がじっくり積めない環境において、コアスキルを身につけることの難しさを実感。自身のキャリアを考えた時にこれからは管理部門のスキルを磨いていきたいと、経理、人事、総務いずれかの職種での転職を希望していました。キャリアカウンセリングを始める以前から複数の企業に応募していたSさんですが、職種未経験で資格等も持っていないため、企業に対してどう自己アピールをしたらよいのか、つかみかねていたようです。

管理部門の求人は多いものの、大抵は1名採用。チャンスを引き寄せるためにも、Sさんはとにかくたくさんの企業に応募することにしました。今回は3つの職種で応募しているため、それぞれの職種ごとに志望動機や将来像の描き方などを書き分けて応募書類を作成したり、面接に向けて企業の下調べをしたり、「こんな質問にはどう答えるか」を想定して書き出し、キャリアアドバイザーに添削してもらうなどして準備しました。複数の企業の書類審査を通過し、10数社の面接に臨んだSさん。早めに内定が出た2社の中から、「面接を通じて先輩社員の魅力あふれる人柄に触れ、行きたい気持ちがさらに高まった」という成長企業への入社を決意しました。企業側も経験の有無よりも、「これから会社を大きくしていくにあたって頑張ってくれそうな人」として、Sさんの人柄や意欲の高さを評価してくれたようです。