うつ病からの復職が怖い人必見!仕事復帰までの道のりと不安を乗り越えるコツ
うつ病で休職したのち、仕事復帰に恐怖心を抱いていませんか。また休職期間が長くなればなるほど、強い不安感に苛まれることでしょう。うつ病に対する偏見もある中、仕事復帰が怖いと感じるのも無理はありません。
とはいえ、過剰な心配は無用です。また、先の見通しが立っていれば、安心して治療に専念できるでしょう。
この記事では、うつ病から復職までの流れと、復帰への恐怖心を感じにくくなるコツを紹介します。復職以外の選択肢もお伝えしますので、うつ病で休職している方や、休養中で仕事復帰を検討している方はぜひ参考にしてください。
うつ病発症から復職までのプロセス
はじめに、うつ病の発症から復職するまでの流れを確認します。
うつ病の発症〜休職
うつ病で休職を決めたら、職場へ休職届を提出しなければなりません。なお休職の申請には、原則として医師の診断書が必要です。
休職期間が始まったら、仕事のことは考えず治療に専念してください。休養中、今後のことを考えると不安になったり、逆に何の意欲も湧かなくなったりするかもしれませんが、その気持ち自体がうつ病の症状の一つです。
うつ病は身体と心からのSOSサインなので、これからの自分に必要な時間なのだと割り切り、無理に何かをしようとせずしっかりと休みましょう。
仕事復帰の準備
休職期間も終わりに近づき「またはたらきたい」という気持ちが芽生えたら、仕事復帰の準備を始めるタイミングです。事前に、以下のポイントをチェックしてみてください。
- 通院治療をきちんと受けている
- はたらく意欲と体力がある
- 体調や気分が継続的に落ち着いている
- 適度な睡眠と食事が取れている
- 読書や簡単なパソコン・モバイル操作など日常の動作が問題なくできる
- 自宅から会社まで問題なく通勤できる
- 新聞などの文章を集中して読了できる
上記に概ね該当していれば、主治医に復職希望を伝え、判断を仰いでもよいサインです。そして診断に問題なければ、医師から復職診断書を出してもらい、仕事復帰の準備を本格的に始めていきましょう。職場へ復職診断書を提出して仕事復帰の意思を伝えたうえ、産業医の許可が下りれば復帰の手続きを進めます。
復職スケジュールの調整
復職が決まったら、実際の職場復帰のスケジュールを立てます。自らの希望や職場の上司・人事担当者の要望、産業医の意見を総合的に勘案しつつ、予定を調整してください。
うつ病からの復職が怖い気持ちが和らぐ7つのポイント
うつ病で休職すると「復職が怖い」と感じることもあるでしょう。不安はもっともですが、過剰な心配は無用です。復職への恐怖心を和らげるためには、次の7点を意識してみてください。
- 焦らない
- 定期的に受診する
- 生活習慣を整える
- 軽い運動習慣を取り入れる
- 相談相手を見つける
- ストレスコーピングを実践する
- 今の働き方を見直す
焦らない
うつ病からの復職に焦りは禁物です。うつ病になる方は真面目で責任感が強い傾向にあるため、焦燥感を感じるかもしれません。しかし、焦って復職しようとするのは逆効果です。
うつ病にかかると、集中できなくなったり正しい判断ができなくなったりしやすく、業務効率が以前より下がりかねません。そのため休職前と同じ感覚でいると、できない自分に焦りや苛立ちを感じ、余計につらくなってしまうでしょう。
また焦ること自体が新たなストレスとなり、また元の状態に逆戻りしてしまう恐れがあります。以前と同じようにできなくて当然なので、信頼できる人に相談しながら、ゆっくりと復職のタイミングを見極めることが大切です。
定期的に受診する
休職中は、必ず主治医の指示に従って定期的に受診してください。うつ病は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に寛解へ向かう病気です。良くなったと思っても、また状態が悪くなることも珍しくありません。
したがって、自己判断で通院や服薬を止めるのは厳禁です。継続してうつ病の通院治療を受け、復職してからもしばらくは主治医の指示の下で受診をおすすめします。
生活習慣を整える
休職中も、できる限り生活習慣を整えるよう心がけてください。うつ病の発症前後に、以下に該当する行動を取っていませんか。
- 就寝・起床の時間がいつもバラバラ
- いつも昼過ぎまで寝ている
- 就寝時間が極端に遅い
- 食事をきちんと取らない
- 1日中寝巻きのまま着替えない
上記のように不規則な生活を続けると、うつ病の悪化・重症化を招きます。症状がひどいときは難しいかもしれませんが、少しずつでも改善を試みてみるとよいでしょう。またスムーズに復職するためにも、調子の良いときは仕事をしていたときと同じ生活リズムで過ごしてみるのもおすすめです。
軽い運動習慣を取り入れる
気分が良いときは、軽めの運動を適度に取り入れてください。気分がリフレッシュし、ストレス解消に効果的です。また運動量を記録しておくと、主治医への相談に役立つほか、達成感を覚えて自己肯定感が上がる効果も期待できます。
うつ病の方にうってつけの運動は、ストレッチや軽い散歩です。散歩するなら、本来の通勤時間帯で、自宅周辺を歩いてみてください。体調・気分的に厳しい場合は、ベランダや庭に出てみるだけでもOKです。「楽しむこと」を重視して、運動を習慣付けましょう。
相談相手を見つける
気軽に話せる相談相手を見つけておくと、うつ病の回復がぐっと早まります。恐怖や不安などの感情は、誰かに話すことで落ち着く傾向にあるためです。
相談相手は、家族・友人や職場の同僚など、どんな人でも構いません。良い相談相手が見つからないときは、主治医・産業医やカウンセラー、相談窓口に話してみてください。
例えば、厚生労働省では以下のような相談窓口を設けています。
相談窓口 | サービス概要 |
---|---|
働く人のこころの耳相談 | 電話・SNS・メールおよび悩みごとの窓口で、仕事に関する相談受付 |
労働条件相談ほっとライン | 勤務時間や賃金、職場環境などの労働条件に関する専門の相談窓口 |
自分の悩みがどちらに該当するか分からなくても、適切な窓口に回してもらえるため、心配せず気軽に相談してみるとよいでしょう。
ストレスコーピングを実践する
ストレスコーピングの具体的なやり方は、以下の手順です。
1. 自分のストレッサーだと考えられるものを思いつく限り書き出す
2. そのストレッサーのどんなところがストレスに感じるのかを明確化する
3. それぞれのストレスにどのように向き合えば気持ちが楽になるかを考える
同じストレスでも、適切な対応は人によって異なります。自分にはどのような対処法が合っているのかを考えれば、ぐっと楽に過ごせるようになるはずです。
今の働き方を見直す
うつ病になる原因のストレスの内容は人それぞれですが、復職に強い不安感を覚える場合、現在のワークスタイルに問題があるのかもしれません。
職場と相談しながら、合理的配慮や業務量の調整、配置転換なども含め、今の状態に最適な働き方を模索してみてください。またリモート勤務や時短勤務など、職場と一定の距離を置いた働き方も考えてみるのも一つの方法です。
うつ病で休職したあとすぐ復職する以外の選択肢
うつ病で休職した後の道は、復職だけではありません。次のような選択肢もあるので、これからどんな働き方がしたいのかを踏まえ、自分にとっての最善策を見つけてください。
試し出勤制度を利用する
「試し出勤制度」とは、本格的な復職の前の仕事復帰の準備制度です。利用すれば、本人や職場の状況を確認しながら、自分のペースで徐々に復職できます。なお試し出勤制度の具体例は、以下のとおりです。
- デイケアでの模擬作業
- 図書館で就業時間と同じ時間を過ごす
- 家から職場までの通勤経路を行き来する
- 一定期間を定めて試験的に勤務する
試し出勤制度は、仕事に復帰できるかどうかの判断基準にもなります。社内に試し出勤制度が設けられている場合は、必要に応じて利用を検討してみるとよいでしょう。
復職支援プログラム(リワーク)で仕事復帰を目指す
「職場復帰支援プログラム(リワーク)」とは、復職前に医療機関や地域障害者職業センター、実際の職場などで仕事上および生活面のリハビリが受けられる制度です。個々の状態に応じ、産業医の意見も踏まえた柔軟なプログラムが組まれ、少しずつ職場復帰が目指せます。本格復帰後のフォローアップも期待できるため、安心して復職できるはずです。
復職支援プログラムを希望する場合は、医師による診断書の提出が必要です。まずは主治医と職場に相談のうえ、診断書を添えて職場へ申請しましょう。
転職・再就職する
復職自体は可能でも、現在の職場に戻りたくないなら、転職をおすすめします。体調が優れないときは、退職後すぐ転職する必要はありません。離職後しばらく自宅療養し、はたらけるようになってから再就職を目指しましょう。
転職・再就職活動の際は、支援機関を活用することで、適性や特性に合わせてより良くはたらける仕事が見つかるはずです。うつ病をはじめとする精神疾患がある方の転職・再就職活動の際は、障害者専門のエージェントの利用をおすすめします。
障害者の転職・就職エージェントとは、障害者手帳の取得を条件に、転職・就職活動のトータルサポートが受けられるサービスです。専門的な知識・ノウハウを有するキャリアアドバイザーと一緒に、自分に合った働き方が探せます。また、障害者雇用枠や一般には公開されていない非公開求人の紹介も可能です。障害者手帳を取得もしくは申請しているなら、利用しない手はありません。
自分のペースでうつ病から復職の第一歩を踏み出そう!
休職からの復職が怖いと感じるのは自然な感情であり、うつ病の方によくある悩みだといえます。社会復帰の成功のポイントは、まずは治療に専念したうえ、焦らずゆっくりと復職のタイミングを見極めることです。復職だけが休職後の道ではありませんので、うつ病が回復したあと、より良くはたらける方法を自分のペースで模索してみましょう。
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転職について不安なことも
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キャリアドバイザーが親身にお話をうかがいます
公開日:2024/9/25
- 監修者:木田 正輝(きだ まさき)
- パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 キャリア支援事業部 担当総責任者
- 旧インテリジェンス(現パーソルキャリア)に入社後、特例子会社・旧インテリジェンス・ベネフィクス(現パーソルダイバース)に出向。採用・定着支援・労務・職域開拓などに従事しながら、心理カウンセラーとしても社員の就労を支援。その後、dodaチャレンジに異動し、キャリアアドバイザー・臨床心理カウンセラーとして個人のお客様の就職・転職支援に従事。キャリアアドバイザー個人としても、200名以上の精神障害者の就職転職支援の実績を有し、精神障害者の採用や雇用をテーマにした講演・研修・大学講義など多数。
- ■国家資格キャリアコンサルタント
- ■日本臨床心理カウンセリング協会認定臨床心理カウンセラー/臨床心理療法士