会社に育ててはもらえない。これは多くのスタートアップ企業に当てはまります。特に創業から数年、社員数が数人から十数人規模の「シード」や「アーリー」と呼ばれるフェーズの企業では、多くの場合研修制度や育成体制は整っていません。事業内容の独自性が高く、業務フローやルールが固まっていないことも多いです。

しかし見方を変えると、これまでの実務経験よりも新しいことを吸収していく柔軟性が評価されるとも言えます。むしろまだない仕組みは自分で提案し、つくっていくという自発的な行動力が評価されるでしょう。面接では自ら率先して仕組みを改善したり、新しいことに挑戦した経験を伝えていくことが評価につながるのではないでしょうか。 スタートアップ企業での仕事は非常に変化が速く、事業の方向性が1カ月単位で変わることも、リリースしたプロダクトの方向性が大きく変わることも日常茶飯事です。そんななかで日々変化を柔軟に受け入れ、楽しむ気持ちを持って働ける方であれば活躍できるはずです。

スタートアップ企業ではたらくもう一つの特徴は、事業や経営との距離が非常に近いことです。規模の小さいスタートアップ企業であれば、社長や役員ともデスクを並べ、意見を交わしながら仕事をしていくことになるでしょう。スタートアップ企業に入社する以上は、経営陣と一緒になってプロダクトやサービスをより良くしていくことも期待されるはずです。

しかし、若くして経営陣と直接意見を交わし、事業を推進する経験はスタートアップ企業だからこそできると言えます。大手企業であれば40代、50代にならないと関われないような意思決定に、20代のうちから関われるチャンスがあるかもしれません。 その経験は、今後のキャリアアップを目指す方にとっても、自ら起業を目指す方にとっても大きな糧となるはずです。

スタートアップ企業に転職するにあたり、上記の点をしっかりと意識しておきましょう。また、これらに加えて重要となるのが、入社したいスタートアップ企業が目指す未来にどれほど深く共感できているかです。互いに同じ方向を向いて事業を一緒につくっていける。そう思ってもらうことができれば、きっと良い結果につながることでしょう。