クリエイター Tehu(てふ)
1995年生まれ、兵庫県出身。18歳。2009年、中学2年生のときにiPhoneアプリ「健康計算機」を開発、日本語の無料アプリとして3位にランクイン。2010年、インターネット番組「Tehuのオールナイトニホン」配信スタート。現在は「東洋経済オンライン」「日経ソフトウエア」にてコラムを連載。元Google日本法人会長の村上憲郎との共著『スーパーIT高校生“Tehu”と考える 創造力の作り方』(角川書店)が発売中。
- 「さぁ始まりました、Tehuのオールナイトニホン!今日は新型iPhoneの発表が期待されているアップルの発表会を、私Tehuが解説を交えながら翻訳をしていきます…」
- Ustreamで定期的に配信されている人気のライブ番組、『Tehuのオールナイトニホン』。世間から注目の的であったアップルの新製品の発表会を、ほぼオンタイムで翻訳。さらにわかりやすく解説を加えるという内容で、この日の最終視聴者数は深夜にもかかわらず1万人を突破。累計視聴者数は6万人を超えた。
- 慣れた語り口で番組を進めていく、このTehuは将来日本を動かすといわれている、スーパー高校生だ。現在、日本屈指の難関校である私立灘高校の3年生である。しかし彼が何者かを一言で表すのは難しい。
- ・中学2年のときに独学で開発したiPhoneアプリが大ヒット。中学生プログラマーとして脚光を浴びる
・日本語、英語、中国語を操るマルチリンガル
・196cmという高身長
・有名人から同世代の若者まで、幅広い人脈の持ち主
・同級生によるももいろクローバーZのパロディ、「なだいろクローバー」をプロデュース。今では固定ファンがつくほどに - 番組パーソナリティ、プログラマー、プロデューサー。すでに将来の職業候補が3つあるが、彼はどれかひとつを選ぶことはしないという。
- 「楽しくモノづくりをしてるだけですよ。僕がやっていることはシンプルです」
- Tehuは中国人の両親のもと、日本で生まれた。父は中国でトップクラスのテノール歌手。母は、中国で名高い歌劇団の人気女優だった。「僕は両親が日本に来た理由も知らないし、両親の歌声を聞いたこともない。でも今にして思えば、両親がエンターテインメントの出身だということからは影響を受けているかもしれないですね」
- 彼の父と母は日本に移住し、日本での生活をスタートさせた。苦労を重ね、やっと安定した収入を得られるようになったところで、Tehuが誕生。自立した人間になってほしいと、Tehuは幼少時から英才教育を施された。特に英語は、ネイティブのように話せるよう訓練されたという。「でもやらされている感覚はありませんでした。勉強自体が好きだったんでしょうね」。小学校は中華学校(中国系インターナショナルスクール)に通い、中国語も身につける。
- 小学校5年のとき、学年旅行での出し物としてクラスでコントをやることになった。一番成績がいいという理由で、Tehuが脚本を任される。初めての経験だったが、人気のお笑いの要素を切り貼りしたコラージュのような構成を考え、結果、生徒たちに受けた。「自分が考えたもので、みんなが笑ってくれた。ただ勉強していい成績を取るよりもずっと楽しいなって思えたんです」
- しかしその後、Tehuにとって人生初の関門がやってきた。名門私立、灘中学の受験である。「合格はしましたが、僕の点数は最下位でした。それまでどこに行ってもトップの成績だったのに、最下位。僕の人生で最大の挫折でしたね。学校生活がうまくいかないことが事前に予告されたようなものですから」
- 12歳でやってきた挫折。しかしTehuは、そこで生き方を180度変える。あっさりと 「プライドを捨てた」のだ。俺は一番下なんだと自分に言い聞かせる。敬語を使い、わざと自虐的な態度もとってみた。そんなふうに始まった中学生活だったが、「何かできることを見つけたい」という思いはあったという。そんな頃、あのiPhoneが日本でも発売されることに。TehuもiPhone3Gを入手し、アップル社の製品の虜になっていく。しかし彼の人生に変化が訪れたのは、この後だ。
- 2009年2月、「シンガポールの9歳の少年がiPhoneアプリを開発した」というニュースが伝えられた。幼い頃からコンピューターに触れていた少年による偉業だったが、この海外のニュースに、当時中学1年のTehuは感化された。「僕の魂に完全に火をつけましたね。僕、プライドはないけど負けず嫌いなんです。プライドがないのと負けず嫌いは、実は同じだと思っています。だって、9歳の子がアプリを作ったと聞いて自分もアプリを作ってみよう、なんてプライドないじゃないですか。できなかったら年下の彼に負けたことになるんだし」
- プログラムの勉強を半年ほど独学で行い、性別、年齢、身長、体重などを入力するだけで、BMI、理想体重、推奨摂取カロリーが瞬時に表示されるアプリ「健康計算機」を公開したのが中学2年のとき。「今思えばなんであんな簡単にしてしまったんだろう」と悔やむほど簡単なアプリだそうだが、日本語版の無料アプリランキング3位に。“天才中学生プログラマー”と讃えられたTehuだったが、その後いくつかのアプリを開発、公開した後、プログラムをやめてしまう。
- 「自分にはプログラマーとしての才能はないと分かってしまったんです」
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