それでも化学業界の研究開発職にこだわりたい人がアピールすべきこと
化学業界専任コンサルタントの藤井美希です。
これまで数回にわたって本コラムでは化学業界“以外”への転職成功事例や研究開発職“以外”への転職成功事例について書いてきました。今回は、「それでもやっぱり化学業界の研究開発職にこだわりたい」という方に、今何が求められているのかをキャリアアドバイザーの立場からお伝えできればと思います。
中途採用の場合、これまでに身につけたスキルがどれだけ採用するポジションにマッチしているかという点は一番のポイントになります。全く親和性のない商材を扱ってこられた方が「この技術に興味があるから」「この研究に携わってみたいから」という理由だけでは選ばれることはまずありません。
転職活動はあくまでも企業と交渉し、双方の希望の折り合いをつけることだと考えてください。そのため、求職者が自分の「希望」を主張するだけではなく相手が身を乗り出して聞きたくなるようなこと、つまり「◯◯の経験がある」「◯◯の実績がある」「◯◯の技術を御社の製品開発に転用できると考えている」といった話を基本に置くのは当然のことです。ただ、これについてはおそらくほとんどの方が理解されていることであり、転職を成功させるにはもう一歩足りません。
では、それに加えて必要となるものとは一体何でしょうか?
先日、半導体封止材の開発経験者を探している企業に採用要件についてのヒアリングに行きました。同社の開発リーダー(課長クラス)の方にお会いしたのですが、開口一番に「とにかく柔軟性があり、凝り固まった考え方をしない人がいい」と話していました。そのリーダー曰く、今、技術力以外で研究開発職に必要なのは、次の5つだそうです。
(1) 幅広く興味を持っていろいろな方面から検討・考察ができる
(2) 営業・生産部など、立場の違う人とも協働できる
(3) 新しいことにチャレンジする機動力がある
(4) 研究室にこもらず、現場に顔を出すことを厭わない
(5) 語学力がある
確かに私自身が化学系技術者の転職サポートを行う中で、1次面接後に多くの企業から「考えが凝り固まっている」「製造工程までを考えることができない印象がある」という理由で不採用の連絡をいただくことがあります。こういった事例からも、やはり上述のリーダーが話していたポイントを押さえていく必要があるのだと実感しています。
では、書類選考のタイミングでこれらの点をアピールするためにはどうすればよいのでしょうか?
以前にも「化学系エンジニアの職務経歴書作成のいろは」というテーマで職務経歴書の書き方を取り上げましたが、自己PR欄にも仕事に対する向き合い方、他者との関わり方を記載することで、書類選考の際によりよい評価をされると思います。ぜひ実践してみてください。
■自己PRの記載例
○○○○の開発経験
※ここに開発にまつわるエピソード数行を記載する
上記の業務経験を通じて、何よりもコミュニケーションの重要性を実感しました。開発部署は、個々で仕事をしている意識が強いですが、開発部署こそコミュニケーションをとり、チーム間での意思統一をすることで開発のスピードアップが図れると思います。実際に、お客さまにサンプルを提出する際に率先してチーム内でコミュニケーションをとり、提出までのスケジュールについて共通認識を持つことで、納期3カ月のところを、1カ月半でサンプル提出することができました。
以上のように、専門性を磨きながらも周囲の関係者との連携に気を配りながら、商品の企画から設計までできるエンジニアであることが私の強みであると考えております。また、不足している語学力についても、日々英語論文の読解をしており、英語に抵抗はなく、個人的にも週に一度、英会話のレッスンを受講するなど自己研鑽を重ねております。貴社にて不足している知識・技術も早期に吸収できるよう努力を怠りません。ぜひよろしくお願いいたします。
応募書類の作成や面接対策も含めてサポートしますので、キャリアを考える上で何かお困りのことがありましたら、ぜひお気軽に私たちキャリアアドバイザーにご相談ください。
化学業界専任キャリアアドバイザー 藤井美希
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