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doda編集長が読み解く
「転職市場の変化と最新トレンド
<2024年下半期>」
2024年7月25日開催

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doda編集長の桜井が講師を務めるオンラインセミナー『「doda編集長が読み解く「転職市場の変化と最新トレンド<2024年下半期>」』が開催されました。これから転職活動を視野に入れている方に向けて、最新のデータと専門知識をもとに、2024年下半期の転職市場の予測とトレンドをお伝えする内容です。
今回は、セミナーのハイライトを少しだけお伝えします!

登壇者紹介

桜井 貴史/写真
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)

doda編集長

【略歴】

新卒で大手人材会社に入社し、一貫して学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、パーソルキャリア株式会社 新卒事業部 エグゼクティブマネジャー、株式会社ベネッセi-キャリア 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントをはじめとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任。これまで約60万人以上の若者のキャリア支援に携わっており、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。2024年4月にdoda編集長に就任。

当日のプログラム

  1. 開始~概要説明
  2. セミナー内容
    • データで見る国内転職市場の変化
    • 個人の価値観と企業の変化
    • 2024年下半期 転職市場予測と転職活動のポイント
  3. 質問タイム
  4. まとめ~終了

転職希望者と求人数の増加

昨今、国内の転職市場において、転職希望者と求人数の双方が増加しています。転職求人倍率(転職希望者1人当たりの求人数)は2023年11月時点で3.22倍に達し、2024年にはやや落ち着きを見せつつも、2024年3月には2.57倍と依然として「売り手市場」が続いています。

特にIT・通信業界では、2024年5月の転職求人倍率が6.80倍に達しており、エンジニアなどの専門職においては11倍を超えるという驚異的な数字が見られます。このような状況下で、多くの会社が人材を求めている一方、転職希望者にとっては選択肢の幅が広がっているといえます。

イベント資料

Z世代の価値観の変化・早期から転職を考慮に入れる人が増えている

転職希望者の増加には、特にZ世代の価値観の変化が影響しています。dodaのデータによると、2011年と比較して、2024年時点では転職サービスに登録する人の数が5倍に増加。さらに、学校を卒業して新社会人になったばかりの4月に登録する若者の数は、2011年比で約28倍にも増えています。こうした傾向は、特にコロナ禍以降に加速しており、2023年には過去最多の登録者数を記録しました。

この背景には、ダイレクトリクルーティングやスカウトサービスの普及が影響していると考えられます。自分がどれだけ企業から求められているのか、どんなチャンスがあるのかを見極めるために転職サービスに登録する若者が増えているのです。

2024年には転職希望者数がやや減少していますが、これは企業が待遇面での改善を進めているためです。しかしそれでも、転職サービスに登録して情報収集を行い、自分の市場価値を確認するという行動は広がっており、転職に対するハードルが下がっているといえるでしょう。

イベント資料

転職理由ランキング

次に、転職理由に関するデータを見ていきましょう。転職理由は人それぞれ異なりますが、dodaの調査によると、どの年代においても上位にランクインする理由はほぼ共通しており、特にネガティブな要因が多いのが特徴です。

最新のランキングでは、以下のような結果が出ています。

  • 給与が低い、昇給が見込めない
  • 社内の雰囲気が悪い
  • 人間関係が悪い/うまくいかない

給与や昇給に対する不満が1位であることは前年と変わらず、待遇面の問題が転職を考える大きな理由であることが分かりました。2位と3位にランクインしている「社内の雰囲気」や「人間関係の悪さ」も、転職理由として根深い問題です。

また、上位には入っていないものの、前年の順位から大きく増加した項目として、セクハラやパワハラ、マタハラといったハラスメントが挙げられます。昨今、ハラスメント問題が特に注目されていますが、こうした職場環境の悪化も、転職を決意する一因となっていることが分かります。

イベント資料

個人の価値観の変化・20代前半「成長の機会の有無」を重視傾向

転職のきっかけとしては、人間関係や給与が主な理由として挙げられますが、一方で、特に20代前半の若者を中心に、仕事を選ぶ際に重視する点が変化していることも注目されています。最近では、会社を選ぶ際に「成長機会があるかどうか」を重要視する傾向が特に顕著になっています。

2019年以降、仕事選びで「知識やスキルを得られることが大事」と答える人が右肩上がりで増加。このほか、資格・免許の取得につながることや、さまざまな仕事を経験できる機会を重視する声も高まっています。

この背景には、デジタルデバイスやSNSが普及し、多様性を重視する社会風潮になっていることや、「自分らしく働く」といった考え方の広まりが影響していると考えられます。

自分自身でキャリアを選び、市場価値を高めることに強い関心を持つ若者が増えていることから、企業側もこの変化に対応することが求められています。

イベント資料

セミナーでは、ほかにも「転職イメージの変化」「出世意向の変化(男女別)」「求人検索キーワードの変化」など、さまざまな個人の価値観の変化について言及しました。

企業の変化

企業側も個人の価値観の変化に対応するため、さまざまな取り組みを行っています。

企業向けに実施した中途採用に関する市場調査によれば、企業が新たに挑戦したいこととして「採用時に提示する条件の改善」と「給与水準の見直し」が上位に挙げられました。こうした給与や働き方に関する改善を図ることで、企業が人材を確保するために競争力を高めようとしていることが分かります。

2022年から2023年にかけて、全世代で平均年収が上昇しているというデータもありますが、それでもなお年収に対する不満を理由に転職する人が多いのが現状です。企業の経営状況や業界によっては、給与の引き上げが難しい場合もあり、その結果、転職活動が活発化しているともいえるでしょう。

イベント資料

下半期の求人好調の背景

企業の採用ニーズに関しては、2024年下半期においても高い水準で推移しています。求人倍率は前年に比べてやや落ち着いていますが、それでも全業種において人手が不足しているのが現状です。

dodaでは15の分野のうち、12の分野で求人が「増加」もしくは「好調を維持」すると予測。求人数が好調な分野が多く、転職のチャンスが拡大する見通しです。

イベント資料

この求人増加の背景には、主に以下4つの要因があります。

  • 人手不足に伴う採用増加
  • 半導体の需要増加に伴う求人増加
  • Web系職種の求人増加
  • DXニーズの需要の拡大やインバウンドによるニーズ拡大

セミナーでは、それぞれの要因を踏まえ、企業が求める人材や働き方が変化していることについて詳しく解説しました。

下半期の転職市場トレンド・DX/GX業界のニーズ増加

下半期の転職市場で押さえておきたいトレンドは次のようなものがあります。

  • DX(デジタルトランスフォーメーション)ニーズの増加に伴うDX関連職の求人数は増加、キャリアパスも拡大中
  • GX(グリーントランスフォーメーション)・エネルギー領域の求人数増加、異業種からの転職者も積極採用が進む

2024年下半期の転職市場では、求人数が好調な分野が多く、転職のチャンスが拡大していく見込みですが、その中でも特に注目したいのがDX/GX業界です。DX領域とGX領域は積極的に採用が進んでいく領域と予想されるため、これから転職をしようと思っている方は、ぜひ視野を広げ検討してみてください。

セミナーでは、ほかにも2つの最新トレンドを取り上げ、転職活動の具体的なポイントを解説しました。

質疑応答

ここからは、本セミナー内でお寄せいただいた質問と桜井による回答の一部を紹介します。

Q

子育てのため退職し落ち着いたら復職を考えている。5、10年後に市場価値を落とさないために、その間どうすべきか?

桜井/顔写真
桜井

今の時代は変化が激しく、一概に「これをやっておけば大丈夫」とアドバイスをするのが難しい状況です。例えば、デジタルスキルも、せっかく習得した言語や技術が短期間で変わってしまうこともよくあります。

一方で、最近の企業はスキルそのものよりも、学び続ける姿勢やスタンスを評価する傾向があります。技術やスキルは変わり得ますが、「こういうことを学んできました」「やり続けてきました」という姿勢は、復職の際、ポジティブに生きると思います。

また、復職のタイミングが近づいた際には、セミナーに参加するなどして最新のトレンドや人気のスキルをキャッチアップし、それに基づいて学びを深めるとよいでしょう。

Q

未経験だと採用枠が少ないように感じたが、あらかじめ資格を取っておいたほうがよいか?

桜井/顔写真
桜井

資格の有無は業界や職種によります。特に専門知識が求められる職種、例えばエンジニアリングの領域やIT分野では、資格取得だけでなく経験値も求められます。

資格を取得することが必須かどうかを見極めるためにも、実際に転職活動をしながら状況を確認するのがおすすめです。

セミナーでは、ほかにも次のようなご質問をいただきました。

  • 首都圏への転職を考えているが、寮や家賃補助付きの契約社員の求人はあるのか?
  • 介護している人向けのサポート制度を導入している企業は少ないのか?
  • 資格手当を目的に転職する人はいるのか?
  • 正社員採用で副業可能な採用が増えている職種、業種は?

参加者の声

  • 20代後半 販売・サービス

    直近でよくニュースにも取り上げられている『管理職になりたくない若者』という話を最近周りの同期も含め耳にしていましたが、その点についても具体的な転換期に触れた上で理由を推察されていて非常に勉強になりました。

  • 30代後半 事務・アシスタント

    自分では自主的に調べようと思わない内容が知れてためになりました。思っていたより、企業側も従業員が働きやすい環境をつくろうと奮闘されていることが分かり、転職活動への気持ちも前向きになりました。

  • 40代前半 事務・アシスタント

    自分でする情報収集はどうしても狭い範囲になりがちなので、市場全体の最新情報をまとめて分かりやすくお伝えいただけるのは大変ありがたいです。

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