【ハイクラス向け】
転職活動のポイントと
よくある落とし穴
2024年9月4日開催

転職活動のポイントと
よくある落とし穴
パーソルキャリア株式会社のミドルシニア事業企画部の責任者である石井宏司と、dodaキャリアアドバイザーの田村春仁によるオンラインセミナー「【ハイクラス向け】転職活動のポイントとよくある落とし穴」を開催しました。ハイクラスのポジションで転職したいと考えている方に向けて、転職市場の実情や、ハイクラス層にありがちな転職活動の誤解、注意すべきポイント、成功事例などをお伝えする内容です。今回は、セミナーのハイライトを少しだけお伝えします!
登壇者紹介

- 石井 宏司(いしい・こうじ)
-
パーソルキャリア株式会社/経営戦略本部 ミドルシニア事業企画部 ゼネラルマネジャー
【略歴】
人材会社、経営コンサルティングファーム、スポーツビジネスなどさまざまな事業の立て直しやグロース、M&A、およびJリーグクラブの経営などを経て、2023年にパーソルキャリア株式会社に中途入社。
入社後は今後社会の大きな問題となるであろう「75歳まで働く時代」を見据えた45歳以上のキャリアや仕事についての考え方、そこでの転職というものの在り方についての構想を担当。自らが40歳以降で何度か転職をした経験も踏まえたビジネスやサービスの企画を検討している。

- 田村 春仁(たむら・はるひと)
-
パーソルキャリア株式会社/dodaキャリアアドバイザー
【略歴】
2019年にパーソルキャリア株式会社に入社。キャリアアドバイザーとして営業職の方の転職を幅広く支援した後、現在はハイキャリアITセールスのアシスタントマネジャーを担当。「希望のキャリアをかなえる戦略的なキャリア支援」を重視しており、キャリアの可能性を引き出す多角的なご提案で、20~50代の方まで200人以上の転職支援の実績あり。第3回Professional Career Adviser Contest 優勝。
当日のプログラム
- 開始~概要説明
-
セミナー
- ①ハイクラス層の転職市場
- ②ハイクラス層の転職活動のポイントとよくある落とし穴
- 質問タイム
- まとめ~終了
ハイクラス層の転職市場
昨今、転職という手段がより身近になったことで、ハイクラス層のキャリアプランも多様化しています。セミナーの第1部では、石井からハイクラス層をターゲットとした採用動向や転職市場動向を紹介しました。
近年の経営トレンド・イシューの流れ

まずここでは、ハイクラス層の転職市場がどのような状況にあるのかを見ていきましょう。
近年では、企業が抱える経営課題を解決するためにハイクラス層を採用する動きがいっそう強まっています。2010年以降、日本企業を取り巻く環境は大きく変化しており、「グローバル経営」「構造改革」「次世代事業(新規事業)」の3大課題に加え、近年では「SDGs」や「ESG」などの環境対応も大きなテーマとなっています。
ハイクラス転職を成功させるためには、こうした近年の経営トレンドをしっかりと理解した上で、「企業は『何』を解決できる人を採用したいのか?」を押さえておかなければなりません。
そもそも、企業が外部から人材を採用する理由は、基本的に「企業そのものを成長させたい!」というニーズを実現するためです。具体的にどのような成長を目指しているのか、大きく以下4つのケースに分類できます。
- 新規市場/新規顧客(国内/海外/M&A)
- 既存事業の改革
- 新領域(新規事業/M&A/スタートアップ活用)
- 企業の社会的価値・株主価値向上


では、これを大手企業と中小企業に分けて見ていきましょう。
まず、超大手・グローバル企業の直近2年の関心テーマは「テクノロジー」と「気候変動」の2つです。特に、誤報や偽情報といったITセキュリティ面、異常気象に伴う経済変動や社会不安の増大、インターネットと金融テクノロジーによる社会格差の増大といった課題が経営の中心に据えられています。


さらに、向こう10年では脱炭素やカーボンオフセットなど、次のような気候変動に伴う項目が上位にランクインしています。
- 1. 異常気象
- 2. 地球システムの危機的変化(気候の転換点)
- 3. 生物多様性の喪失と生態系の崩壊
- 4. 天然資源不足
これらのテーマに対応できるスキルや経験を持つハイクラス人材は、超大手・グローバル企業にとって非常に貴重な存在ということです。

中小企業の経営課題・全体感

中小企業の主な経営課題は「人材の確保・育成」と「営業・販売開拓」の2つです。特に製造業では、近年の製造ライン国内回帰のトレンドを背景に、設備増強などが経営テーマの上位に来ています。
非製造業では、新サービスの開発や商品・サービスの高付加価値化などが求められており、こういった分野で貢献できる人材の需要が高まっています。
また、中小企業庁の「中小企業白書2023」によると、コロナからの景気回復に伴い、設備投資や提供価値への投資、情報化・IT化・DX化など、さまざまな経営活動が活発化している様子が見受けられます。


ハイクラス層はこうした企業成長の一翼を担うことを期待されており、売り手市場の状況。企業規模によっても採用強化する領域が異なるため、市場動向にアンテナを張り、自身の強みと照らし合わせて応募先を検討するのがおすすめです。
セミナーではほかにも、中小企業の人材不足対策や「幹部社員×外部人材」に求められる要件、さらには2024年下半期にハイクラス転職で求人好調が見込まれる業界や職種についてもお話ししました。
ハイクラス層の転職活動のポイントとよくある落とし穴
セミナーの第2部では、石井と田村から、ハイクラス層の転職活動のポイントとよくある落とし穴について紹介しました。
転職活動のよくある誤解について

ハイクラス層の転職活動では、次のような誤解(落とし穴)がよく見受けられます。
- 転職先に求める年収・条件面を明確にすればよい
- 入社しないと分からないため、転職の軸を定める必要はない
- 面接で転職軸を問われた場合、意欲が伝わるよう自己PRをする
田村さんは転職を希望する方と日々接していますが、こうした認識を持った方も多いのではないでしょうか?

おっしゃるとおりです。特にハイクラス層は多忙な方が多いので、「すぐに活動を進めたい」という思いが先行し、軸を定めないまま転職活動を進めてしまう方もいます。ただ、活動を進める中で一度立ち止まって転職の軸を定める時間を取ることで、その後の活動がスムーズになる方も多い印象ですね。
転職活動のポイント

ハイクラス求人は一般的な求人に比べて採用要件(企業が求めるもの)が高く、ピンポイントなものが多い傾向にあるため、事前準備が非常に重要になります。事前準備として実践をおすすめしたいのが以下の3点です。
- 転職の軸の明確化
- 企業分析
- 職種分析
「転職の軸」とは、次の仕事や転職先を選ぶときに重視する要素のこと。この軸を明確にすることで、転職後のミスマッチを防げるだけでなく、企業の採用担当者への印象アップにもつながります。


もし転職すること自体がゴールであれば、年収や条件だけで選ぶのも一つの方法かもしれません。しかし、入社後の満足度を考えると、転職の軸を定めたほうがミスマッチは確実に減ります。
特に面接では「転職の軸」を直球で質問されることが多いので、ここを明確にしておくことは、選考通過率を高めるためにも重要です。
採用担当者は、面接を通じて応募者の軸を確認することで自社との相性を見ています。そのため、企業研究だけでなく、自分自身のことを深く見つめ直し、「転職活動で譲れない部分・大事にしたい部分」を明確にすることが転職成功への近道といえるでしょう。

「転職の軸の明確化」を行う際は、具体的に以下4つのステップで進めていきます。
- 1. 転職理由を書き出す
- 2. 経験・スキル、仕事の中で大事にしていることを書き出す
- 3. 定量化・具体化
- 4. 優先順位を付ける

上記の中でも特に注意したいのが「3.量化・具体化」のステップです。
例えば、「働き方を整えたい」と考えていても、これを定量化・具体化せずに転職活動を進めてしまった場合、入社後に「思ったより残業が多かった」というようなズレが生じることがあります。こうしたズレを防ぐためにも、数値化できる部分は数値化し、できない部分は具体的なイメージを言語化することが大切です。
セミナーでは、以下のような転職理由を例に「定量化・具体化」の実践方法を紹介しました。
- もっとステップアップできる仕事に就きたい
- もっとチャレンジできる仲間・環境が欲しい
- (子どもが大きくなってきて)もう少しライフキャリアが考えられる会社に移りたい
転職活動は自己発見の機会

転職活動では「転職の軸」を定めることが大切とお話ししましたが、その軸を育てていくことも同じくらい重要です。活動を進める中で得られる気づきや、新たに見えてくる目標もあります。最初に設定した軸が、転職活動を通じて深まったり、変化したりするのは自然なことです。
実際に、私が担当している方の中にも、当初の軸が活動を通じて変わったという方は少なくありません。むしろ、こうした変化を経て軸が深まった方ほど、納得感の高い転職を実現されています。
転職活動を「自己発見の機会」と捉え、楽しみながら軸を育てていくことが、より良いキャリアにつながるでしょう。

質疑応答
ここからは、本セミナー内でお寄せいただいた質問と田村による回答の一部を紹介します。
応募したい会社が見つからない。どうしたらよいか?

人生を懸けた転職だからこそ、企業に求める条件が高くなりやすいかもしれませんがその結果、応募したいと思える企業がなかなか見つからないという方も少なくありません。
その場合、まずは自分の経験やスキル、仕事で大事にしていることを3~4つ書き出してみましょう。そして、応募先の条件をすべて満たす企業を探すのではなく、「2つ当てはまる」「3つ当てはまる」といった形で絞り込んでみてください。
「応募=入社」というわけではないので、面接を通して比較したり検討したりしながら、条件に合う企業が見つかるのを待つのも一つの方法だと思います。
参加者の声
-
40代前半 事務・アシスタント
自身の年齢に合わせて、対策内容がより明確になりました。また、最近の転職に関する情報も参考になりました。
-
40代後半 企画・管理
これまで転職の進め方をまったく知らず、対症療法的に活動を進めてきたので、一番初めに聞きたい話だった。またこれからのことも聞けたので、大変参考になった。
-
50代 技術職(IT)
管理職採用の観点での情報は意外と少ないと感じていたので、このセミナーは大変有益でした。新卒時と前回の転職では正直相性が決め手と感じていましたが、そのためにも「言語化」の徹底が大切と理解しました。
- 転職活動に役立つ無料セミナーを多数開催中!
- 直近の開催日程を見る
- 転職活動のスタートはまずはここから
- 会員登録する(無料)