「営業職」としてのキャリアの未来

～リアルな事例で見る、新たなキャリアの可能性～

2023年6月16日開催

松井 営業職は、会社の利益を確保するために顧客に商品やサービスを提供する職種です。しかし、業界や商材、営業方法により具体的な業務内容は異なります。

松井 このような営業職ですが、現在、大きな変革期を迎えています。働き方改革、業務のデジタル化、新型コロナウイルスの影響を受けて、業務に次の二つの変化が起こりました。

松井 お客さまに「何を提供したか」というよりも、「どんな価値を提供できたのか」「お客さまにどんな変化が生まれたのか」を重視する形に変化していっています。

松井 また、「お客さまにとってどんなサービス・製品があるとより良くなるのか」をゼロから考えていくことが重視されるようになりました。

松井 次の図のとおり、2023年3月時点で営業職の求人倍率は、コロナ前の2019年1月対比2.47倍に伸長しています。

松井 これは、時代の変化に伴って営業職の機能が分化されたためです。安定性を求めて営業職に転身する方も見受けられています。

田中 営業未経験からのキャリアアップの事例の1つ目として、大手外食チェーンで接客サービスに2年間従事した方が、グルメサイトの広告営業（契約社員）を経て、大手人材業界の法人営業に転職した事例を紹介します。

田中 転職者の方はs2社目で初めて営業職に従事し、数字を追う楽しさや成果を上げて得られる周囲からの称賛に喜びを見いだしていました。その後、正社員の営業職として、より責任のある仕事をしたいと考え、3社目への転職を成功させました。

田中 営業職の中にはノルマがなく、お客さまのご依頼に合わせて提案を行うものもあります。そういった営業職を探すのが一つの手段だと思います。また、数字にのみ焦点を合わせるのではなく、数字の先として「誰に役に立っているか」を考えて、自分の強みを発揮できる種類の営業職を探すのも良いと思います。私が就いているキャリアアドバイザーも営業職の一種ですが、数字を意識しすぎず、目の前にいる方の役に立つことで成果を上げる楽しさがあります。

松井 営業職にはさまざまな種類があるので、ご自身に合った営業職を探すのがおすすめです。また、これまでに経験した業種に近い営業職を選ぶと、前職で培った知識を活用できるため、何もかもをゼロから始めるよりもストレスや不安を感じずに済むと思います。さらに、多くの企業が営業職を重要なポジションと考えています。そのため、営業職に対して、入社時の研修や継続的なフォローに投資している企業も増えています。これらの観点もあわせて応募先をご検討いただくのが良いと思います。

田中 PCで仕事を完結できる業種は、リモート環境が整っている印象が強いです。IT、人材、広告などの業界はリモートワークを取り入れている企業も多いと思います。また、有形商材を扱う営業職の場合、フルリモートは難しいものの、今後はリモートワークやフレックス制を取り入れる企業が増えるはずです。そのため、これらの観点で企業を探してみてください。

松井 探し方としては、取り扱う商材が無形か有形かは大きなポイントになると思います。情報などの無形商材を扱う業種は、営業をリモート化したほうが効率的です。今後、リモート化が進む業界を見つけるためには、その業界がオンラインで仕事をすることにどの程度慣れているかを考えてみてください。また、その業界の顧客がオンライン環境に慣れているかどうかも重要です。これらの観点から探すと、今後リモート環境で働ける業界が見えてくると思います。