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インダストリー4.0(IoT)に関わる業界・企業の最新動向は?

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2017年11月更新

「インダストリー4.0」は第4次産業革命という意味です。
18世紀のヨーロッパに始まる歴史上の産業革命で、蒸気機関などで機械を動かすようになったのが第1次、石油や電力を利用して大量生産が可能になったのが第2次、コンピューターで近くにある工作機械やロボットを制御して精密かつ高効率なファクトリーオートメーション(FA)が可能になった20世紀後半が第3次と位置付けられます。
第4次産業革命はそれらに続く、歴史的な取り組みというニュアンスがあります。第3次産業革命と違うのは、コンピューターを単に工場内で使うだけでなく、本社や研究所、さらには流通過程、顧客・消費者とIoT(インターネット・オブ・シングス)で結ぶことにあります。それにより、製品化・商品化や仕様変更を早めたり、売れ行きや在庫の増減に合わせて生産量を迅速に調整したりできます。
販売済みの家電・車などに内蔵されたコンピューターやセンサー、さらには多くの人が持つパソコンや携帯端末とも接続することで、ユーザーやメンテナンス部門が離れた場所から操作したり、稼働・故障状況などを把握したりできます。このように企画・開発から生産、販売・使用までをIoTでつなぎ、そのプロセスに人工知能(AI)やビッグデータ収集・分析が一体になることで、より良いモノ・サービスをより効率的に開発・提供していく社会を目指すものです。
ドイツの官民が提唱し、現在では日本のほか、中国、韓国なども産業政策の柱に据えています。米国でもゼネラル・エレクトリック(GE)などが協力組織「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」を設立しています。(協力:日経TEST)

インダストリー4.0(IoT)を“支える”のはどんな企業?

インダストリー4.0(第4次産業革命)という言葉を企業として使うかどうかにかかわらず、IoTへ対応ができない工作機械メーカー、電機・ICT(情報通信技術)企業などは、国内外で納入先や受注を失いかねない時代を迎えつつあります。このため各社は、IoTを前提とした製品開発や技術者の採用・育成に力を入れています。
例えば工作機械メーカーのDMG森精機は2017年夏、東京都内に先端技術研究センターを開設。機械の技術者にIoTやクラウド、ブロックチェーンといったネット対応技術やAIプログラミングを教育研修しています。
IoTが普及すれば、ネットに接続するデバイスの個数やそれらの間でやり取りされる通信量が激増するため、デバイス・半導体の企業や5Gのような高速通信を提供する会社にとってもビジネスチャンスとなります。
インダストリー4.0は良いことずくめではありません。あらゆるものがネットに繋がる社会は、サイバー攻撃により重要な情報が盗まれたり、企業活動や社会インフラが停止・混乱させられたりするリスクもあります。データ漏洩や生産妨害、製品の不正操作を防ぐサイバー防衛に強い人材のニーズが、ネット・セキュリティ会社だけでなくそのユーザー企業でも増えそうです。

(協力:日経TEST)

関連する企業(一部の例・順不同)
<電機・情報>
  SAPジャパン/NEC/NTTデータ/OKI/ソフトバンク/凸版印刷/日本マイクロソフト/パナソニック/日立製作所/リコー/フレームワークス/東芝 など
<FA・工作機械・ロボット、部品>
  オークマ/ジェイテクト/ZMP/DMG森精機/日本電産/ヒロセ電機/ファナック/三菱電機/日本IBM/三菱マテリアル/MUJIN/安川電機/ヤマザキマザック など
<セキュリティソフト>
  アドソル日進/カスペルスキー/シマンテック/トレンドマイクロ/ラック など

インダストリー4.0(IoT)を“活用する”のはどんな企業?

インダストリー4.0の流れを受け、大手メーカー各社は続々と、自社製造ラインでIoTの活用を進め、生産・調達の効率化に結びつけようとしています。それに伴い、IoTに強い人材のニーズが高まっています。
例えば建機大手のコマツは小山工場(栃木県)で、複数の製品を作り分けるため工作機械の設定変更を、手作業から自動化。協力企業との生産計画共有にも成果を上げています。コマツは世界で建機を売りっ放しにするのでなく、GPSにより稼働状況を把握しており、IoTの先進企業としてのノウハウを活かしました。
化学やエネルギーなどのプラントでも、AIやビッグデータと連動したIoTの導入が始まっています。巨大かつ複雑なプラントでは、従業員の勘・経験頼りでは見落としがちな安全上の問題などを発見できる可能性が高まるためです。東北電力は火力発電所の異常検知や効率改善を、東芝と組んで進めています。
これから課題となるのは、独力ではIoTに対応するのに十分な技術者がいない、あるいは経営者が消極的な中小企業をどうするか?です。発注元企業が手取り足取り面倒を見てくれるとは限りませんので、乗り遅れればサプライチェーンから外される懸念があります。こうした会社にIoT化をコンサルティングしたり、技術者を派遣したりする支援ビジネスも今後、広がりそうです。

(協力:日経TEST)

関連する企業(一部の例・順不同)
トヨタ自動車/デンソー/コマツ/三菱重工業/東邦テナックス/JUKI/ニフコ  など
dodaキャリアアドバイザー 岩村 正人
dodaキャリアアドバイザー
岩村 正人

求められるのは、全体設計やICT化の推進

これまで工場内、生産ラインのプロセスはPLC(シーケンサ)で自動化されてきました。これからはより管理する範囲を広げ、IoTによってユーザーが使う製品や他社工場、流通網などとも連携していこうとしています。「考える工場」「スマートファクトリー」などとも呼ばれる工場の自動化を、今後さらに推し進めるために求められる人材の要件として、2つのポイントがあります。
1つは、生産工程を中心とする、物が作られ、流通するプロセス全体を見て、要件定義・設計ができること。そのためまず、設備に詳しくなければなりません。生産技術の実務経験者や、大学院で生産技術開発を研究していた方、業務改善などの大規模なプロジェクトマネジメントをしてきた方が求められます。
2つ目は、生産工程で使われる数多くの設備・機器を管理するための、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:監視制御システム)やMES(Manufacturing Execution System:生産実行システム)といったシステムを扱ったことがあるという、IT領域の経験・知見です。そのためコンサルティングファームやシステムインテグレータ(SI)からメーカーへ転職という可能性も広がっています。

キャリアアドバイザーが注目した転職事例

事例1

前職
システムインテグレータ プロジェクトマネジャー(PM)
転職先企業
自動車部品メーカー 生産技術

大手電機メーカー系SIに所属し、親会社の工場の生産管理システムのサーバーやPC向けアプリケーションを設計していた経験が、自動車部品工場の生産効率化に活かせる点を評価された。

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2017年11月更新

「インダストリー4.0」は第4次産業革命という意味です。
18世紀のヨーロッパに始まる歴史上の産業革命で、蒸気機関などで機械を動かすようになったのが第1次、石油や電力を利用して大量生産が可能になったのが第2次、コンピューターで近くにある工作機械やロボットを制御して精密かつ高効率なファクトリーオートメーション(FA)が可能になった20世紀後半が第3次と位置付けられます。
第4次産業革命はそれらに続く、歴史的な取り組みというニュアンスがあります。第3次産業革命と違うのは、コンピューターを単に工場内で使うだけでなく、本社や研究所、さらには流通過程、顧客・消費者とIoT(インターネット・オブ・シングス)で結ぶことにあります。それにより、製品化・商品化や仕様変更を早めたり、売れ行きや在庫の増減に合わせて生産量を迅速に調整したりできます。
販売済みの家電・車などに内蔵されたコンピューターやセンサー、さらには多くの人が持つパソコンや携帯端末とも接続することで、ユーザーやメンテナンス部門が離れた場所から操作したり、稼働・故障状況などを把握したりできます。このように企画・開発から生産、販売・使用までをIoTでつなぎ、そのプロセスに人工知能(AI)やビッグデータ収集・分析が一体になることで、より良いモノ・サービスをより効率的に開発・提供していく社会を目指すものです。
ドイツの官民が提唱し、現在では日本のほか、中国、韓国なども産業政策の柱に据えています。米国でもゼネラル・エレクトリック(GE)などが協力組織「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」を設立しています。

(協力:日経TEST)

インダストリー4.0(IoT)を“支える”のはどんな企業?

インダストリー4.0(第4次産業革命)という言葉を企業として使うかどうかにかかわらず、IoTへ対応ができない工作機械メーカー、電機・ICT(情報通信技術)企業などは、国内外で納入先や受注を失いかねない時代を迎えつつあります。このため各社は、IoTを前提とした製品開発や技術者の採用・育成に力を入れています。
例えば工作機械メーカーのDMG森精機は2017年夏、東京都内に先端技術研究センターを開設。機械の技術者にIoTやクラウド、ブロックチェーンといったネット対応技術やAIプログラミングを教育研修しています。
IoTが普及すれば、ネットに接続するデバイスの個数やそれらの間でやり取りされる通信量が激増するため、デバイス・半導体の企業や5Gのような高速通信を提供する会社にとってもビジネスチャンスとなります。
インダストリー4.0は良いことずくめではありません。あらゆるものがネットに繋がる社会は、サイバー攻撃により重要な情報が盗まれたり、企業活動や社会インフラが停止・混乱させられたりするリスクもあります。データ漏洩や生産妨害、製品の不正操作を防ぐサイバー防衛に強い人材のニーズが、ネット・セキュリティ会社だけでなくそのユーザー企業でも増えそうです。

(協力:日経TEST)

関連する企業(一部の例・順不同)
<電機・情報>
  SAPジャパン/NEC/NTTデータ/OKI/ソフトバンク/凸版印刷/日本マイクロソフト/パナソニック/日立製作所/リコー/フレームワークス/東芝 など
<FA・工作機械・ロボット、部品>
  オークマ/ジェイテクト/ZMP/DMG森精機/日本電産/ヒロセ電機/ファナック/三菱電機/日本IBM/三菱マテリアル/MUJIN/安川電機/ヤマザキマザック など
<セキュリティソフト>
  アドソル日進/カスペルスキー/シマンテック/トレンドマイクロ/ラック など

インダストリー4.0(IoT)を“活用する”のはどんな企業?

インダストリー4.0の流れを受け、大手メーカー各社は続々と、自社製造ラインでIoTの活用を進め、生産・調達の効率化に結びつけようとしています。それに伴い、IoTに強い人材のニーズが高まっています。
例えば建機大手のコマツは小山工場(栃木県)で、複数の製品を作り分けるため工作機械の設定変更を、手作業から自動化。協力企業との生産計画共有にも成果を上げています。コマツは世界で建機を売りっ放しにするのでなく、GPSにより稼働状況を把握しており、IoTの先進企業としてのノウハウを活かしました。
化学やエネルギーなどのプラントでも、AIやビッグデータと連動したIoTの導入が始まっています。巨大かつ複雑なプラントでは、従業員の勘・経験頼りでは見落としがちな安全上の問題などを発見できる可能性が高まるためです。東北電力は火力発電所の異常検知や効率改善を、東芝と組んで進めています。
これから課題となるのは、独力ではIoTに対応するのに十分な技術者がいない、あるいは経営者が消極的な中小企業をどうするか?です。発注元企業が手取り足取り面倒を見てくれるとは限りませんので、乗り遅れればサプライチェーンから外される懸念があります。こうした会社にIoT化をコンサルティングしたり、技術者を派遣したりする支援ビジネスも今後、広がりそうです。

(協力:日経TEST)

関連する企業(一部の例・順不同)
トヨタ自動車/デンソー/コマツ/三菱重工業/東邦テナックス/JUKI/ニフコ  など
dodaキャリアアドバイザー 岩村 正人
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岩村 正人

求められるのは、全体設計やICT化の推進

これまで工場内、生産ラインのプロセスはPLC(シーケンサ)で自動化されてきました。これからはより管理する範囲を広げ、IoTによってユーザーが使う製品や他社工場、流通網などとも連携していこうとしています。「考える工場」「スマートファクトリー」などとも呼ばれる工場の自動化を、今後さらに推し進めるために求められる人材の要件として、2つのポイントがあります。
1つは、生産工程を中心とする、物が作られ、流通するプロセス全体を見て、要件定義・設計ができること。そのためまず、設備に詳しくなければなりません。生産技術の実務経験者や、大学院で生産技術開発を研究していた方、業務改善などの大規模なプロジェクトマネジメントをしてきた方が求められます。
2つ目は、生産工程で使われる数多くの設備・機器を管理するための、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:監視制御システム)やMES(Manufacturing Execution System:生産実行システム)といったシステムを扱ったことがあるという、IT領域の経験・知見です。そのためコンサルティングファームやシステムインテグレータ(SI)からメーカーへ転職という可能性も広がっています。

キャリアアドバイザーが
注目した転職事例

事例1

前職
システムインテグレータ プロジェクトマネジャー(PM)
転職先企業
自動車部品メーカー 生産技術

大手電機メーカー系SIに所属し、親会社の工場の生産管理システムのサーバーやPC向けアプリケーションを設計していた経験が、自動車部品工場の生産効率化に活かせる点を評価された。

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