転職・求人DODAエンジニア IT/トップ > 転職情報・成功ガイド > 三年予測 > Ruby言語開発者 まつもとゆきひろ 氏
掲載日:2014.2.24
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三年予測ートップリーダーと考えるエンジニアの未来ー


新分野にチャレンジしたmruby

mruby開発の影に「締め切り」あり

Ruby言語をとりまく最近の動きとして、「mruby」がある。組み込み用途などリソースが限られる環境を想定した、軽量なRuby言語処理系である。そして、まつもとゆきひろはmrubyを自ら実装した。
Ruby言語には、「本家」のCRubyの他にも、Java仮想マシン上に実装したJRubyなど複数の代替実装がある。普通の考え方なら、こうした代替実装に負けないようCRubyの改良に集中するところだ。だが、まつもとゆきひろは、自ら進んで別の実装を手がけた。
「mrubyに取り組んだ一つの理由は、本音で言うと予算と締め切りがあったから」と明かす。mruby誕生のきっかけとなった「軽量Ruby」の開発プロジェクトは、経済産業省の平成22年度「地域イノベーション創出研究開発事業」として2年間プロジェクトとして採択されており、締め切りが設定されていた。「以前から組み込み向けRubyはやりたかったんですが、なかなか取りかかれなくて。でも、国家プロジェクトとして採択されちゃったので。あるとき『10月までに動かないとまずいですよ』と言われて、追い込まれて作りはじめました」と笑う。

「GCにかけては、僕もかなわない」

もちろん、mrubyを作った理由が「締め切り」だけである訳がない。mrubyは、Ruby言語として新しい挑戦となる要素が含まれている。メモリー100Kバイト程度と、現状のCRubyよりもはるかに小さなリソースで動く。さらに「ソフトリアルタイム」と呼ぶ、ある程度のリアルタイム処理性能も備えている。そのために「世代別GC(ガーベジコレクション)機能を持つインクリメンタルGC」と呼ぶ、本家CRubyよりも先進的なGC機構を搭載している。
このGC機構を作り上げたのは、まつもとゆきひろがフェローとして在籍するネットワーク応用通信研究所の社員、中村成洋だ。「独学で勉強したのに、GCに関しては僕もかなわない。今や日本でもトップクラスの実力」。こう太鼓判を押す。
大学でコンピュータサイエンスを専攻した訳ではないのに、GCに関してトップクラスの開発者になった中村の例を挙げ、まつもとゆきひろは、突出したプログラマは教育だけで作り出せる存在ではないと言う。そして、プログラマの処遇はもっと良くなるべきだと考えている。インタビュー中、次のような言葉を漏らしている。
「『人月』という言葉、失礼ですよね」。
プログラマの能力差を考慮せずに、労働時間だけを測るやり方も、好きではないのだ。

コミュニティには、飛び込んでみること

オープンソースソフトウェアに貢献することは、プログラマにとっては自分の地位を高めるための材料になる──まつもとゆきひろが常々言っていることだ。
「今の世の中、業務での開発とは違うところでのソフトウェア開発が武器になることもある」。例えば、オープンソース・ソフトウェアへの貢献が評価されることもある。前述の中村成洋も、学歴、職歴よりも、ソフトウェア開発者としての腕前とコミュニティへの貢献が評価された。
コミュニティへの貢献が重要だとして、ではどのような形でコミュニティに関わっていけばいいのだろうか。
「まず、飛び込んでみること。インターネット経由で話をするだけでなく、直接面識があった方がいい」。
コミュニティには、関わる人を成長させる機能がある。突出した成果を残すプログラマの背後には、なんらかのコミュニティが存在している場合が多い。
まつもとゆきひろは、次のように語ってくれた。
「自分に合ったコミュニティを見つけるのがいいでしょう。それに、一つのコミュニティにしか所属できないという決まりはない。『魂の浮力』に合った、自分が活躍できる場所を探してみるのがいい」と。
Ruby言語処理系の成長や、Ruby言語の普及に関して、コミュニティは大きな役割を果たしてきた。それを20年間見続けたRuby言語開発者の言葉は、私たちが次の一手を考えるための大事な材料を含んでいるに違いない。
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