掲載日:2014.4.21
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三年予測ートップリーダーと考えるエンジニアの未来ー


初の世界大会で悔しい思いをする

高校3年で出場した「世界情報オリンピック」の仲間たちと。一番左が秋葉

思い出に残っているのは、2006年、高校3年の夏に参加した「国際情報オリンピック」だ。日本からは10年ぶりに挑戦者を送り込んだ世界大会だった。場所はメキシコ、ユカタン半島の古都メリダだ。
「その頃は、まだアルゴリズムの知識があまりなく、気合でプログラムを書いていた」と秋葉は振り返る。それでも勝てていた。2006年1月の「日本情報オリンピック」では優勝している。だが、2006年3月に開かれた日本からの参加者を決める選考合宿では、様子が違った。
「自分はプログラミングを愛してきた。ところが、数学が得意でプログラミングはちょっとできる人の方が合宿ではいい成績だった。自分よりプログラミングができないはずなのに、彼が書くプログラムは僕のプログラムより実行速度が速い。その人は『国際数学オリンピック』出身だった。なるほど、アルゴリズムで差が付くのだと思い知った。いい経験だった」
2006年の「国際情報オリンピック」では日本チームの成績は国別6位で、獲得したメダルは「金」が2枚、「銅」が1枚だった。ところが秋葉個人の成績は振るわず「ショックだった」と話す。1日目、ほとんどの参加者が解けた簡単な問題が解けなかった。2日目は上位だったのに、1日目の簡単な問題を取りこぼしたミスが響いた。
この時の悔しさが、その後のコンテストへの情熱に影響したかどうかといえば「間違いなく、それはある」と秋葉は言う。特に、アルゴリズムに関する実力を高める必要を強く感じた。

一緒にプログラミングコンテストに挑んだ仲間たち

翌年、秋葉は東京大学に進学した。そこで、ACM-ICPC(ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト )のコンテストに出場することを目的とする授業を取った。この授業を取っていた仲間と、秋葉はプログラミングコンテストへ向けた挑戦を始めた。「僕の頃は小さなゼミのような授業だった。コンテストに熱中しているのはごく一部だった」。

ACM-ICPCの日本チーム。左から2人目が秋葉

思い出に残っているのは、2012年にポーランドのワルシャワで開催されたACM-ICPCの世界大会に出場して、日本からの出場者として10年ぶりに「銅メダル」を獲得したことだ。修士1年のときだった。
実は、この世界大会に出場するまでが長かった。ACM-ICPCは大学対抗のコンテストなので、東京大学からは毎年1チームしか出場できない。「東京大学で1位のチームになることが、実はものすごく大変でした」と秋葉は言う。東京大学は激戦区で、学内4位のチームが、他のどの大学のチームより良い成績を出したこともある。それでも2位以下のチームは世界大会に出場できないのだ。
この世界大会で、秋葉は渡部正樹、吉里幸太の3人とチームを組んだ。渡部は「情報オリンピック」の時に知り合った「数学の天才」だ。秋葉は渡部のことを「天才なので、練習量が少なくてもパフォーマンスが高い」と評する。一方、書籍『プログラミングコンテストチャレンジブック』の共著者である岩田陽一、北川宜稔は、ライバルのチームにいた。
念願かなってACM-ICPC世界大会に出場でき、10年ぶりの「銅メダル」を獲得できたわけだが、この時の体験は、秋葉にとっては悔しい思い出となって残っている。コードが受理されなかった問題が2問あったからだ。「あれがなければ、金メダルを狙えました」。2問ともデバッグはきちんとしたはずだったが、どのようなデータにより不具合が出たのかは、今も分からない。

世界中のプログラマが競うTopCoderで腕を磨く

ACM-ICPC世界大会には何年もかけて挑戦したのだが、プログラミングコンテストはそれだけではない。最も参加回数が多いコンテストは、毎週のようにオンラインで開催されているTopCoderだ。インターネットが使えれば誰でも参加可能だ。ACM-ICPCで苦しめられた「大学ごとに1チーム」といった制約も、もちろんない。
「1回のコンテストの結果だけでなく、何回も挑戦して積み上げた全体的な強さが数字で出る。盛んに挑戦していると、数字が上がるので嬉しい」。秋葉はTopCoderの魅力をこのように説明する。
前述したように、秋葉がプログラミングコンテストに挑戦し始めた頃には日本にいるレッドコーダー(TopCoderレーティング2200以上の挑戦者)は4人しかおらず、雲の上の存在だと思っていたのだが、今では自分がそのレッドコーダー達を引っ張りあげる立場にいる。
アルゴリズムとプログラミングの複合競技
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