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NRI(野村総合研究所) × エグゼクティブエージェント 特別対談 次世代型エグゼクティブの創出 -エグゼクティブの育て方・迎え方-

第7回 育て方・迎え方:経営者の視座

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エグゼクティブを活かすマネジメントの極意

続いて、実際に採用したエグゼクティブをどう育てるのかをお聞きします。我々の現状のビジネスでは入社するまでの支援ですが、実際入社後に活躍しなければ意味がないという強い課題意識を持っています。

宮本

私自身が大事にしているのは、任せること、気づかせること、ポジティブメッセージ、という3点ですね。「任せる」ことで、時にはもどかしい思いをすることもあるでしょう。ですが、マイクロマネジメントではメンバーの判断力は絶対に育ちません。臆病な人ほど管理したがりますが、とにかく人は、自分で痛い目に遭ってはじめて学ぶ。「人間は、失敗から学習するものである」ということを重要視すべきだと思います。

 

管理職として採用したのであればマネジメント経験を早いうちにさせて、メンバーを使って成果をつくる経験をさせる。経営者候補なら、事業トップや子会社の社長経験をさせることです。その中で、うまくいかない局面、失敗する場面が必ず出ますから、それが成長機会です。人の上に立つ人は、「いざとなったら自分が責任を取る」という腹くくりで、メンバーに「任せる」度量が必要でしょう。

永井

確かに。部下に「任せる」ことができないことで大きな成果がなかなか挙げられないケースは、エグゼクティブ・コーチングの場面でもよく挙がる課題です。ただ、任せるのも勇気が要りますが、たとえ成果が出なくても任せてみる期間はどのくらいとお考えですか?

宮本

エグゼクティブクラスなら、半年からせいぜい1年ですね。また、ただ野放しで「任せる」だけではなく、本人に「気づかせる」マネジメントシステムとセットで育てる必要があります。

先ほど挙げてくださった2つ目のポイントですね。「気づかせる」ために、どのような工夫をされていますか?

宮本

明確に目標をKPIに落として、個々の目標に対し進捗や成果をシステムを使って「見える化」することですね。「XXさん、何やっているんだ。このままじゃ目標は達成できないぞ」などとは、やはり言うのも言われるのも気持ちのいいものではありません。逐一管理されなくても、進捗状況の情報から自主的なセルフマネジメントを求める仕組みを作ることです。

永井

なるほど。ちなみに、目標は業績で見ているのでしょうか?また、マネジメント思想としてはUP or OUT、つまり、着実に成長し続けられない方には別の道を薦めるというお考えですか?

宮本

今はまだ創業期であり、財務的な視点からの業績に重点を置いています。もう少し規模拡大し組織として安定してきたら、顧客満足度や部下育成を含む組織運営スキルもKPIに加えるべきだと考えています。組織の状態に合わせて育成の仕組みも必要に応じて変えるという考え方です。マネジメント思想も、一律にUP or OUT ではありません。会社の根幹であるミッションやドメインと本人の価値観が合致しなければ他社を薦めることもありますが、特定のスキルが足りないくらいであれば、「ここで頑張って一緒に伸ばそうよ」というのが育成の原則方針ですね。

それが、先ほどの3つ目の「ポジティブメッセージ」ということでしょうか?

宮本

そうです。やはり、人を育てるのに「あいつはダメだよね」という批判的な視線では何の効果もないし、部下からの信頼も得られないと思っています。厳しい目標を与えていたとしても、「難易度は高いけど、君だったらやれると思うが、どうかね?」と期待をかけながら任せます。これは新人・若手育成でよく大切だと言われることですが、エグゼクティブ育成でも根本的な思想は変わらないと思っています。

宮本社長の「育て方」の原点にはそういう思いがあるのですね。最後に、企業におけるエグゼクティブ層の活用についてお考えのことがあればお聞かせください。

宮本

エグゼクティブ人材を内部で育成するのはやはり時間がかかります。弊社でも、社員ではなく専任パートナーとして、エグゼクティブ人材の活用もしています。その意味では、エグゼクティブ人材については、採用・育成の精度を高めると同時に、企業変革の推進役として、必要に応じて、戦略的に外部からもエグゼクティブ人材を登用すべきだと考えますね。

特に、クライアント各社のコンサルティングをしている立場としては、「新しい事業モデルで会社を変えたければ、トップを変えないと変われない」ということは強く言いたい。親会社の役員を子会社の社長に据えるだけでは、新たな事業推進など難しいケースは多々あります。

それから、芽のある事業には戦略的に人的投資をすることも必要ですね。例えば、ホールディングスカンパニーにマネジメントを含む人事権を持たせなかったせいで、せっかくの合併や新規事業で失敗した企業も残念ながらいくつか見られます。つくづく、戦略推進の核心は「人財」にあり、迅速に適材適所の実現を図ることだと痛感しています。

経営者としてのリアルなメッセージをありがとうございます。我々も、心して求人企業各社の戦略推進を支援させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

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※2017年7月1日、インテリジェンス エグゼクティブサーチはパーソルキャリア エグゼクティブ エージェントに名称変更いたしました。

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