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C#/.NET開発者が、いま押さえておきたい
Visual Studioアプリ開発のトレンド
日本マイクロソフト株式会社・井上 章
[index] C#/.NET開発者が、いま押さえておきたいVisual Studioアプリ開発のトレンド
- アプリケーション開発に求められている「Mobile first, Cloud first」という考え
- Visual Studio 2017のメリット① 開発の生産性を高める新機能
- Visual Studio 2017のメリット② Any developer, Any app, Any platformを体現するクロスプラットフォーム開発
- Visual Studio 2017のメリット③ C#の活躍の幅を広げる.NET Core
Visual Studio 2017のメリット② Any developer, Any app, Any platformを体現するクロスプラットフォーム開発
Xamarinの登場でC#によるAndroid、iOS開発が可能に
続いて、今日のテーマであるXamarinについてご紹介します。
Xamarinはもともと、アメリカのXamarin社という会社で開発されていたフレームワークであり、ライブラリであり、ランタイムであり、ツールでした。当時はXamarin社にライセンス料を払うことで、Visual Studioの中での利用が可能だったのですが、2016年3月にMicrosoftがXamarinを買収。それにより、Visual Studioをお使いの方であれば、無償で使えるようになりました。
このXamarinを利用することで、C#を使いながら、AndroidやiOSのデバイスに加えてUWP(ユニバーサル Windows プラットフォーム)のアプリケーションを作ることができます。
さらに、C#とUnityというフレームワークを使うことで、例えばモバイル向けの3Dを駆使したゲームアプリケーションなども作ることが可能です。また、HTMLやJavaScript などの言語に詳しい方なら、Visual Studioを使い、かつ、例えばCordovaというフレームワークを使うことで、AndroidやiOSのアプリケーションの開発を行うことができます。
またVisual Studio で、C++を使いながら、AndroidやiOS向けのネイティブのライブラリ開発やアプリケーション開発もできるようになっています。
生産性高くクロスプラットフォーム開発を行える機能が充実
Visual Studio には、Xamarinをベースとしたアプリケーションを作るための、AndroidやiOSのテンプレートが用意されています。Apple Watch向けのテンプレートもあります。
C++の開発ももちろん今まで通り可能です。また、クロスプラットフォームというカテゴリが加わり、C++を使いながらAndroidやiOS向けの共有ライブラリの開発もできるようになっています。
ソリューションの構成については、Android、iOSそれぞれの各デバイスやターゲットプラットフォームに固有のコードと、共通化できるコードを書く箇所がそれぞれ分かれた状態で、プロジェクトの中で作られています。これにより、共通化できるコードは共通化して、生産性高くアプリケーション開発ができるようになっています。
さらに、Visual Studioのファミリーとして、Visual Studio for Macも出てきています。製品化まではまだ時間がかかる見込みですが、これを使うことで、macOS上で、XamarinをベースとしたAndroidやiOSアプリ開発を、C#でできます。
ワンストップソリューションをかなえるVisual Studio Mobile Center
冒頭で「Mobile first, Cloud first」のトレンドに触れましたが、実際に皆さんがAndroidやiOSのアプリケーション開発をする際には、クラウド側の要素も必要になってきます。まず必要になるのがテストです。AndroidやiOSには数多くのデバイスの種類があります。例えばiOSは、iPhoneとiPadの大きく2種類ですが、画面サイズやバージョンはさまざま。どこまでテストをするかは、モバイルのアプリケーション開発における課題です。
また、実際にお客さまにアプリケーションを配信してからも、バグのフィードバックを早急に受け取り、アップデートをかけていくという手順が非常に重要になります。モバイルの開発は、ビルド、テスト、お客さまの使用状況のロギング、クラッシュの状況の確認など、やるべきことが非常に多くあるのです。
そこで役立つのが、Visual Studio Mobile Centerのサービスです。Xamarinを使ってAndroidやiOSのアプリケーション開発をするとき、テスト、ビルド、クラッシュのレポート確認などを、すべてこのMobile Centerが解決します。
例えばプロジェクトチーム開発において、リポジトリでソースコード管理をする場合。リポジトリを経由してチームの誰かが修正を行ったタイミングで、Mobile Center側がそれを感知し、自動的にビルドをしていく。いわゆるDevOpsにおけるCI/CD のプロセスや、継続的インテグレーションの開発がMobile Centerを使うことできるようになります。
また、ビルドの状況のログも確認でき、Mobile Center上でさまざまなデバイスをターゲットとしたテストの機能もついています。つまり、手元に実機がなくても、いろいろなデバイスで正しく動くかをMobile Center上で確認ができるのです。アプリケーションを実際に配信した後に、使用状況をロギングしていくことも可能で、どのような国で、どういったタイミングで、誰が、どのページを使っているかがすべてロギングされます。
加えて、クラッシュレポートをとることもできます。Mobile Centerのサービスと接続しているアプリケーションであれば、お客さまの使用中に強制終了が行われた場合、どのような形でいつクラッシュしているか、すべてレポートが上がってきます。そうした強制終了の状況を確認し、即座にソースコードを修正して新しいアプリケーションを配布していくこともできるようになります。
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